食品のカラクリシリーズ/食の誤用言葉
お店で「ラーメンになります」って言われるけど“なります”の使い方が間違っている
■「なります」は丁寧語ではなく変化や帰結(結果)等の意味
この記事のタイトルの意味するものがお分かりの方は、言葉を大事にされている方です。最近はホールの方・ウエイトレスが若い方ですと、やたら「ラーメンになります」 「カレーになります」と言って運んできます。上の画像のカレーライスがラーメンに変化する“イリュージョン?”なら、「ラーメンになります」は正しいでしょう。しかしラーメンを持って来て、「ラーメンになります」は誤りです。「なります」を、丁寧語と勘違いしている方が多いようです。「成る」の意味は、変化や帰結(結果)等です。「~でございます」 「~をお持ちしました」が相応しいと思います。明鏡国語辞典では、『「なります」は他の可能性も考えられる場面で、1つに絞られることを表すもので、きつねうどんを注文した客にきつねうどんを出すような、他の可能性が考えにくい場合は不自然になる』。若い方は、「ございます」を古臭い言葉と思っているのでしょうね。投稿者は美しい言葉ととらえており、大事にしています。
役所の文書や企業パンフレットも若い人が作成するせいか、“~となります”調の多用が鼻に付きます。長年、人やTVを見てきましたが「なります」をよく使う人は、何でも「なります」で言葉を結んでしまいます。車掌のアナウンスも“なります調”が増え、乗っているとイライラします。実際に投稿者が耳にしたアナウンス = “発車になりま~す” “次の停車駅はXXになりま~す” “お出口は左側になりま~す”と各駅ごとに延々と続く。目的駅に到着しても = “XX方面への乗換はホーム前方になりま~す”。簡潔に「発車します」 「発車致します」、「次はXXです」 「次はXX駅に止まります」、「左のドアが開きます」のほうが分かりやすい。この調子で行くと、こんなアナウンスになるかも・・・次の停車駅は、成増に“なりま~す”(東武・東上線)。<最後はオヤジギャグになりま~す>