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大阪府と読売新聞が連携協定、報道機関の役割を歪め読売が大阪府の広報紙になる怖れ/少数派

2022年01月19日 | メディア・SNS
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大阪府と読売新聞が連携協定、報道機関の役割を歪め読売が大阪府の広報紙になる怖れ

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署名した協定書を手に吉村大阪府知事と柴田読売新聞大阪本社社長

■メディアとしては自殺行為・権力の監視機能が損なわれる危険・志ある記者への大きな妨げ
投稿はしんぶん赤旗を活用しております/読売新聞大阪本社と大阪府が昨年21年末、包括的な連携協定に調印したことについて、ジャーナリズムの役割が損なわれるのではないかとの批判が高まっています。新聞社が公権力である自治体と広い分野で連携協定を締結するなどというのは極めて異例で、権力を監視する報道機関本来のあり方が問われています。大阪府の吉村洋文知事は「大阪維新の会」代表を務めています。「維新」の政治的影響力が強い自治体と協力を強めることは、公正な報道という原則を揺るがしかねません。「読売」大阪本社と大阪府の包括連携協定は、教育・人材育成、情報発信、安全・安心、子ども・福祉、地域活性化、産業振興・雇用、健康、環境など広範な分野で、協力することをうたっています。2025年開催予定の大阪・関西万博の開催に向けた協力も盛り込んでいます。協定は、「読売」の大阪府への取材・報道に制限が生じないことや、大阪府が「読売」を優先的に取り扱うものではないと記していますが、具体的運用は明らかにされていません。「読売」が大阪府の広報紙になるおそれは消えません。

協定の締結を受け、「ジャーナリスト有志の会」は抗議声明を発表し、協定の解消を求めました。声明では、取材される側と取材する側の「一体化」は、知る権利をゆがめ、民主主義を危うくすると批判しています。声明への賛同署名は全国的に広がり続けています。「読売」も参加する日本新聞協会の「新聞倫理綱領」は、「国民の『知る権利』は民主主義社会をささえる普遍の原理」であり、「この権利は、言論・表現の自由のもと、高い倫理意識を備え、あらゆる権力から独立したメディアが存在して初めて保障される」と明記しています。「読売」と大阪府の協定は、こうした立場とは相いれないものです。権力を持つ行政機関と報道が一体化することの危険性は、歴史に学ぶことが重要です。かつてアジア・太平洋戦争の際に、日本の国内の新聞やラジオは侵略をあおり、国民を戦争に駆り立てました。戦争末期には「朝日」の主筆を務めた緒方竹虎氏が政府の情報局の総裁に就任し、「読売」社長の正力松太郎氏は情報局の参与になり、戦争に協力しました。「読売」の大阪府との協定はこうした過去をも思い起こさせるものです。

「読売」と大阪府の協定締結に対し、内田樹(たつる)神戸女学院大学名誉教授は「メディアとしては自殺行為」とのべ、上西充子法政大学教授は「権力の監視機能が損なわれる危険があります」と批判します。こうした声に、真摯(しんし)に耳を傾けなければなりません。「ジャーナリスト有志の会」の声明は、「志を持った記者が心折れることなく、尊厳を持ってジャーナリズムに専念できる環境を取り戻す必要があります」と指摘します。権力から独立してこそ、健全なジャーナリスト活動ができます。協定は志ある記者の活動にも、大きな妨げになりかねません。報道機関が権力と結び付きを強めることは市民のメディアに対する信頼を失わせます。「読売」は公正な報道が求められる、報道機関の原点に立ち戻るべきです。

■読売OB・ジャーナリスト大谷昭宏さん「完全に権力と一体化・一政党と手を組んだ」と批判
「読売」大阪本社と大阪府との間で協定が結ばれたと知り、「読売」OBの一人としてあきれました。「読売」のような影響力のある全国紙が公権力と一体化するのを見過ごすことはできません。日本新聞協会の「新聞倫理綱領」には、国民の「知る権利」に関する記述があります。「知る権利」は権力から独立したメディアが存在することで、初めて保障されます。「読売」大阪本社の柴田岳社長は「新聞倫理綱領」を読んでいるはずです。でも本当に読んだことがあるのかと思ってしまいますよ。大阪の場合、府・市一体で日本維新の会が圧倒的な権力を握っています。2025年の大阪万博をなんとしても成功させたいようですが、コロナ禍で開催自体どうなるかわからない。今のうちからメディアを抱き込んで自分たちに都合のいいことを宣伝してもらうために協定を結んだとしか思えません。コロナ禍で多くの人たちが反対していたにもかかわらず強行された東京オリンピック・パラリンピックと構造は似ています。

有権者の民意であったとしても、新聞は府政や市政をきちんと検証する側にならなければいけない。今回どのように協定が結ばれたのかなど、その経緯は明らかになっていません。完全に権力と一体化した、もっといえば一政党と手を組んだといってもおかしくありません。協定そのものを取り消すべきです。私を含め、かつて大阪「読売」にいた人たちは、先輩の黒田清さん(故人)を筆頭に、反戦・反差別、権力とは距離をおくことを基盤としていました。コロナ禍で自宅療養という名のもとに、放置された患者がどんな思いで亡くなったのか。行政の対応が不十分であったにもかかわらず、報道機関がそうした行政と手を結んでしまう。ありえないですよね。私が今一番望んでいるのは、部外者が声を上げる前に、まず中にいる記者たちが「それはおかしい。私たちの報道がゆがんだ目で見られてしまう」と声を上げてほしいということです。

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投稿者からのひと言/“新聞論評の鬼”池上彰氏によると、半世紀前の読売の紙面は他紙とそう変わらなかった。しかし渡邉恒雄・現読売新聞グループ本社代表取締役主筆(旭日大綬章授賞)が、台頭するようになると、どんどん右傾化していったと言う。投稿者も確か90年代半ばに、読売が「改憲試案」を発表した時、かなりの怖さを記憶している。メディアとして、もう踏み外したと警戒した。当時、読売販売員が新聞勧誘に来たので、「メディアたるものが改憲を誘導するとは何事か!」と怒鳴りつけたことを今でもしっかり覚えている。それが今度は大阪府と癒着するとは、メディアの劣化の極み。大阪・吉村知事としても、汚点と言われる。

そういえば新年早々、大阪・読売テレビ系の番組で、知事の立場として例の大阪職員の制服を着てリモート出演しているにも関わらず、背景のバックボードは日本維新の会のもの。後日のテレ朝の中継でも同様だったので意図的だ。結局、連携協定と言っても「相互癒着」が前提だと言わざるを得ない。松井代表にしても出鱈目な発言が多く、大阪府民は不幸だ。いや、こうした議員を多数選んだから不幸なのか? メディアと政治が「タイアップ・そそのかし」をすれば、酷いことになるのは誰でも分かる。本文にあるように、過去、メディアが煽り不幸な戦争に突入していった。そこまで発展しないまでも、大阪府民には不都合なことや真実は絶対伝わらないと思ったほうがよい。今後、間違いなくそうした事態になる。府民自身が、日々の暮らしの弊害や金銭・制度の上で、「損」を被っていることに気がついても遅い。

Akahatatop

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