食品のカラクリと暮らしの裏側

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機能性表示食品③小林製薬・紅麹被害2|トクホなら承認されず死者も重篤入院者も出なかったはず/食品のカラクリ・健康食品8

2024年04月13日 | 食品添加物・健康食品
Ntpkarakuri

食品のカラクリシリーズ 機能性表示食品/健康食品
機能性表示食品③小林製薬・紅麹被害2|トクホなら承認されず死者も重篤入院者も出なかったはず
国の審査がない機能性表示食品制度は極めて杜撰、起こるべくして起きた事件



■機能性表示食品制度は安倍首相の「規制緩和」で発足・当時から危うさを指摘されていた
遂に起きてしまった機能性表示食品の死亡事故。小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」、健康サプリによる重大事故と言うか重大事件だ。4/10時点で、分かっただけでも同商品摂取による腎疾患で亡くなった方が5人、入院者数221人、受診・通院者は1321人。実際にはもっといるはずだ。腎臓機能は治療しても回復しないと言われ、悪化すれば、一生、透析に頼らざるを得なくなり深刻だ。市中には、まだ30万袋も残っていると推察される。原因は青カビ由来で毒性のある「プベルル酸」が影響した可能性が言われるが、解明された訳ではない。これだけ騒がれてもTV・新聞を見ない人が増え、あるいは高齢者はネットを見ないのでまだ摂取を継続している恐れがある。社会的には小林製薬の製造責任と原因追及が問われるが、投稿者としては「機能性表示食品」制度の危うさの観点から問いたい。冒頭、“遂に~”と表現したのは、2015年に機能性表示食品制度が始まった当時から、国会質問や食品評論家・メディアが「こんな出鱈目で規制が甘い制度は、将来、禍根を残す」と散々厳しい指摘をしていたからだ。投稿者も前号のように、同年に専門誌や新聞の専門家の論表を読んで文章をまとめた経緯がある。前号をお読みになれば、残念ながら専門家が言ったことがズバリ当たってしまったことだ。不謹慎ながら、小林製薬の企業フレーズ「あったらいいな」製品シリーズは、今や“なかったらよかったのにな”と苦言する。

当時、トクホ(特定保健用食品)の制度があるにも関わらず、新たに機能性表示食品制度を設けたことに欺瞞を感じた。トクホの審査は1年から数年、場合によっては10年にも及ぶ場合もあり、費用も1億円から数億円が掛かる。徹底した国の検査・審査によって、お墨付きが与えられる。しかし一方の機能性表示食品は、研究者の論文があれば商品化は申請だけで済んでしまう。当時から言われたことは論文の信ぴょう性の有無、もっと言えばサプリメーカーと“御用学者”がつるんでいる怖さである。逆説的に、サプリメーカーが作り出したい製品に対し、メーカーと関係する学者に“よいしょ”する論文を書いてもらうことだ。当然、研究も甘く、メーカーの意に沿った報告しか書かないことだ。余談で、1つ酷いラジオCMを覚えている。女優・紺野美沙子氏がPRしていたオリヒロ・グルコサミンCMフレーズは、(この商品は)「トクホじゃないんです!」~あたかも消費者が、トクホより機能性表示食品のほうが優れていると誤認させるものだ(批判されたか?現在は削除されている)。話を戻し、TV情報番組のコメンテーターは誰も質問しなかったことだが、投稿者は次の点を確信する。仮に「紅麹コレステヘルプ」をトクホ申請していたら、絶対、認可されなかった。メーカーは“未知の成分”と言っているが、トクホなら審査過程で製造工程や管理体制までチェックされる。つまり死者も重篤な入院者も起こり得なかったはずだ。国の審査がない機能性表示食品制度は極めて杜撰な制度だから、起こるべくして起きた事件だ。

もう1つ重大なことは、当時、安倍首相の「成長戦略」「規制緩和」政策が行われ、大問題になった加計学園の「規制緩和」とともに機能性表示食品制度も加えられた。大学の規制緩和“学校特区”の問題は安倍氏と加計理事長との癒着で大騒ぎになった。しかし機能性表示食品の規制緩和は、食品関係者しか話題にならなかった。それも国会の承認を得ない、「閣議決定」だけで進めてしまったことだ。昨今、国会で論議もせずに、防衛費のアップや少子化対策など政府の一存で進めてしまう国会無視の傾向がある。やはり十分に審議を経ない政策・この機能性表示食品制度は、後になって問題を起こす典型的な例になった。トクホがあるのに、なぜ機能性表示食品制度を作るの?当然、従来の規制を無くす・緩めることに繋がり、トクホを蔑ろにする制度であったことで当時から疑問視された。そして発足後9年を経て、案の定、重大な事件が起こってしまった。安倍氏は経済に貢献する・米国の利益に通じる(次号説明予定)と言っていた。当時、専門家やメディアから重大事故が起こることを指摘され、安倍氏も認識していたはずだ。しかし健康な日本人を殺し・体が蝕まれることより、経済を優先してしまったのだ。投稿者として申し上げたいことは、現在の小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」だけに留まらず、他の健康サプリなどを主体にした商品販売の急成長や機能性表示食品制度そのものの怖さを指摘したい。<次回に続く>

Sankoua
次号/機能性表示食品④小林製薬・紅麹被害3|制度を促進させた安倍元首相の責任は重い(日刊ゲンダイ)
前号/機能性表示食品②小林製薬・紅麹被害1|表示食品制度は悪質業者が蔓延り健康被害が発生

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