食品のカラクリと暮らしの裏側

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機能性表示食品②小林製薬・紅麹被害1|表示食品制度は悪質業者が蔓延り健康被害が発生/食品のカラクリ・健康食品7

2024年04月06日 | 食品添加物・健康食品
Ntpkarakuri

食品のカラクリシリーズ 機能性表示食品/健康食品
機能性表示食品②小林製薬・紅麹被害1|表示食品制度は悪質業者が蔓延り健康被害が発生
健康目的の表示制度ではなく成長戦略による企業の売上増大のため|2015年投稿の再出

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■小林製薬のサプリ「紅麹コレステヘルプ」摂取で5人が死亡・196人が入院中
小林製薬の健康サプリ「紅麹コレステヘルプ」を摂取した方のうち4/4現在、5人が腎疾患で亡くなり、入院者数196人、受診・通院者は1120人。投稿者としては、「機能性表示食品」制度の危うさの観点からこの問題を問いたい。と言うのも、2015年に機能性表示食品制度についてブログ投稿(下記)をしており、まずその内容をご紹介し、今後、数回に渡り投稿したい。当時から食品評論家やメディアなどが、こんな出鱈目で規制が甘い制度は、将来、禍根を残すと散々厳しい指摘をしていた。9年を経て、残念ながら彼等が言ったことがズバリ当たってしまった。ひと言で言えば、安倍首相(当時)の放った「成長戦略」「規制緩和」政策が元凶だ。次号以降、機能性表示食品の成り立ちと経緯を説明する。※お知らせ/以下の文章は表記体裁を変えたものの、補足追加を除き文章は当時の記載をそのまま複写した。<次回に続く>

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■15年当時の投稿者の文章|企業が研究文献を提出するだけで勝手に健康表示ができる
「機能性表示食品」の制度は、加工食品・農林水産物・サプリメントに、健康への効果を示す機能性表示を認めるものです。ラベルに、「骨の健康を保つ・肝臓の健康を保つ機能があります」といった表示がされます。トクホ(特定保健用食品)・栄養機能食品に続く、第3の公的な制度です。トクホなどと同じような表示ができ、紛らわしいことは否めません。消費者の声によって食品の安全性を求めた表示制度ではないのです。政府の成長戦略として、売上増大を目的に政府や健康食品・食品メーカーの強い要望で始まったものです。トクホは安全性や効果について、国が審査し消費者庁が許可します。許可まで数年から10年、企業は億円単位の費用が掛かります。一方、機能性表示食品は、企業自ら臨床試験をすることもなく、機能性の成分に関する研究文献を提出するだけです。消費者庁が受理すれば、OKなのです。企業にとっては膨大に掛かる機能性の研究開発費用を掛けずに、簡単に表示できる実に安易な制度なのです。

研究文献の提出と言えば、製薬会社と大学・研究機関がグルになった薬剤事件が発生しました。同様に、ゴロゴロいる金目的の“御用学者”に過去のデータを引っ張り出してきて書かせれば、研究文献などはすぐに完成できるものです。ラベルの機能性を、鵜呑みにしてはいけません。トクホでさえ、わずかな効能しかなくても表示が認められている商品が多々あります。消費者として、極めて疑わしいといったスタンスで向き合うべきです。トクホや機能性表示食品の効果は、健康な人がさらに健康を維持できるためのものです。病気の人がこれらの食品を多く摂っても、病気が治る訳ではないことです。なお機能性表示食品は、トクホのような“バイザイマーク”はなく、「表示は事業者の責任、国(消費者庁)の審査を受けていない」と記載されます。また「~の効果が報告されている」という表現は、メーカーが臨床試験をしておらず研究文献だけの提出と理解して下さい。

■消費者の思い込みや勘違いを逆手に取ったフレーズに騙されるな
国や企業は、消費者の健康アップを目的にしておらず、専ら売上拡大のみを目指しているからです。過去に米国で同じシステムを導入したら、市場規模が5倍になった“二匹目のドジョウ”を狙っているのは明らかです。サプリメントなどの悪質業者が、虎視耽々と消費者を騙す手口を用意しています。刺激のあるコピーや、消費者の思い込みや勘違いを逆手に取った商品フレーズが出てくるでしょう。サプリメントのフレーズを真に受けて摂取すると、特定成分だけを過剰摂取して、肝硬変などの健康被害の危険性も考えられます。消費者庁は、トクホの許可でも持て余しています。政府から強引に依頼されたとはいえ、消費者庁は本来の食品衛生の監視業務でさえ手が回りません。そんな中で機能性表示食品のチェックなど、到底、できる訳がないのです。国はこんなことよりも、消費者庁に予算や人員を増やし、原料原産地・遺伝子組換え表示や食品添加物・食物アレルギーなど、本来の消費者のための業務を強化すべきです。

機能性表示食品の制度は、言わば国が悪質業者を支援するようなものです。消費者団体・日本弁護士連合会や、真面目な学者・識者から厳しい批判が出ています。さらに食品専門家は、トクホは国の審査を通った信頼性から、値段が高くても消費者の多くがトクホを選択するだろうと言っています(※補足参照)。もっと言えば、消費者は表示の機能を追い求めるより、バランスの取れた食生活が大事です。いずれ一部の消費者が、健康被害に遭う恐れが極めて高いと言えます。溢れるCMに踊らされることなく、消費者の「眼力」が試されます。
※24年4月補足追記/専門家はこの部分は、大きく予想を外した。15年当時に比べ23年(見込み)は、機能性表示食品314億円→6865億円(約22倍)、トクホは3784億円→2690億円(約3割減)に。

Sankoua
次号/機能性表示食品③小林製薬・紅麹被害2|トクホなら承認されず死者も重篤入院者も出なかったはず
機能性表示食品①機能性表示食品の制度は悪質業者を増大させ健康被害の心配も ※同じ文章

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