Y子は、ベランダに立っていた。
物思いに耽っているだけかもしれない。
だけど、昼間、何だか様子が変だった。
そっとベランダの扉を開けた。
彼女は気づいていない。
よく見ると、じっと空を見ている。
まだ暗い空に何があるんだろう…。
「………ね。」
彼女は宙に向かって、何か独り言を言っていた。
「Y子…。」
「………。」
気づかず、何者かと会話している。
「Y子。」
そっと肩に触れた。
「あ……。」
やっと気づいた。
「大丈夫?」
「え?あ、うん。」
Y子の肩は、夏なのにかなり冷えていた。
急いで彼女をベランダから連れ戻した。