有機化学にっき

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A MILD ROUTE TO P2

2006-09-08 19:38:45 | 記事
C&EN 9/4 2006 News of the week より

Reactive intermediate, extruded from niobium complex, opens synthetic vistas.


C&ENの抄録だけで、元文献なしですが

L3Nb≡P錯体をCl-P=NRと反応して得られる錯体を65度に加熱すると
P≡P
という化学種が発生とのこと。

窒素のリン類縁体ですが、この化学種1100℃という高温で白リンを加熱して発生する程度の高反応性かつ発生困難なものとのことです。
ジエンでトラップしたり、タングステン錯体としたりとP≡Pに近い状態では捕まえられず、より長寿命な形にしようとしているそうです。

すげーと思ったのですが、この言葉がうさんくさい
"When the eliminator(註 錯体のグループ内の呼び方)complex is heated in solution in the absence of a molecule that can be trap P2, the extrusion occurs as before, but the MIT chemists haven't been able to figure out what happens to the P2. It might be polymerising or adsorbing to the reactor walls,"
ポリめったならともかく、壁に吸収って・・・。そのくらい反応性は高いかもしれませんが

P-Pユニットをもつ配位子を作ったりと合成化学者にツール提供できましたと、使い方次第では面白い

トラップ剤をbulkyにしてcis型のジホスフェンを捕まえられないかなと思ったり

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