Ray / レイ
cast >> Jamie Foxx, Kerry Washington, Regina King, Clifton Powell, Harry Lennix, Aunjanue Ellis, Terrence Howard, Larenz Tate, Curtis Armstrong, Richard Schiff, Sharon Warren, Bokeem Woodbine, Thomas Jefferson Byrd, Wendell Pierce, C.J. Sanders, Afemo Omilami, Elizabeth Omilami ...
director >> Taylor Hackford
music >> Ray Charles
soundtrack>>
オープニング、レイの指がピアノの鍵盤を叩きだすと、彼のサングラスに映った白と黒の鍵盤がアップになる ーーー。
ジョージア州の貧しい家庭に生まれたレイ・チャールズ・ロビンソン(ジェイミー・フォックス filmography )。
彼は病弱ながらも、けなげな母アレサ(シャロン・ウォーレン)によって弟と仲良く育てられた。しかしある日、レイが呆然と見つめる中、弟が溺死してしまい、彼自身も7歳で視力を失った ーーー。「盲目でもあなたは馬鹿じゃないわ。施しは受けず、自分の足で立って生きなさい」という母の教えを忘れることなく "音" に光明を見出していくレイ。
1948年、17歳になった彼はミュージシャンとしての第一歩を踏み出すため、バス(← 後方に "COLORED" のサインあり)でシアトルへ旅立つ。卓越した才能を持つ彼は "盲目の天才" と呼ばれるようになり、美しい妻デラ・ビー(ケリー・ワシントン filmography )を手に入れる。が、一方では麻薬に溺れ、妻への裏切りを繰り返す始末。長年 彼が苛まれていたのは、幼い頃に弟を死なせてしまったという、罪の記憶だった・・・・・。
"ソウルの神様" レイ・チャールズの人生を忠実に描いたのは『愛と青春の旅立ち』の監督テイラー・ハックフォード。
彼と出逢って以来15年以上にわたり本作の製作に深く関わってきたR・チャールズは、自ら主演のオーディションをし「自分を演じられるのは彼しかいない」とJ・ フォックスを選んだが、惜しくも2004年6月10日、本作の完成を待たずして他界・・・本当に残念(← ちなみに『Ray / レイ 追悼記念BOX』には、この2人が実際にやりとりしているドキュメンタリー映像 etc.が収録)。
それにしても、J・フォックスの才能をこれほどまでに発揮できる作品は他にないでしょう(秀逸)。
3歳でピアノを習い始め、奨学金を得てジュリアード音楽院に進んだ実力もさることながら、唄えて、形態模写もできる。
レイ本人が認めた以上に、本人が乗り移ったかのような神懸かりな演技を披露したジェイミーは、アカデミー賞 【主演男優賞】に輝き、本作は【音響賞】も受賞。レイを知らない人が観ても充分愉しめます。
デラ・ビー役のケリー・ワシントンの日本デビュー作は "Save The Last Dance"。その後予想通り、順調にキャリアを重ねています。その他、ハリー・レニックス( filmography )、アーンジャニュー・エリス( filmography )、レジーナ・キング( filmography )、本作でギターの腕前も披露しているテレンス・ハワード( filmography )、実際レイと長年にわたり音楽の歴史を作り続けてきたクインシー・ジョーンズ( discography )役のラレンズ・テイト( filmography )など、キャスティングも実に魅力的。
個人的にはS・ウォーレン(← 確か本作で映画デビュー)演じる、厳しくも深く優しい "母の愛" が印象に残り、今後気になる存在になりそうです。
>> Based on a True Story - filmography(実話に基づいた 映画作品一覧)
>> AFI'S 100 YEARS 100 CHEERS(2006)- filmography
2008-02-25
一人のミュージシャンの一生を描くのって大変だと思いますが、よくぞここまで描き切ったと感心します。
レイ・チャールズの晩年の姿は、マーティン・スコセッシュが総監督でイーストウッドが録った「ブルース生誕100年」のドキュメント映像の一本で観た気がします。
20年以上も前に、星空の下で彼のライブを聴いて感激したことを思い出します。
ちなみに、私の母親は現在85歳ですが、「レイ」が大のお気に入り、変な婆さんです。
それは「粋な」or「洒落た」お母さんと呼ぶべきです(キッパリ・笑)。
「73年」の人生を、たかが「152分」で表現しきれるはずがナイけれど、本当によく描いていると思います。私の心残りは、忙しくて彼のライブに行けなかったことなのに「星空の下で」とは羨ましすぎるぅ~!!(泣)
ちなみに、私の母は58歳で亡くなりましたが、20年ほど前初めて入院したとき、私の "Walkman(カセットテープ)" で "I Can't Stop Loving You" を聴いていました・・・ "iPod" なんてなかった頃のハナシですから(笑)。