<ドイツ>サハラで太陽熱発電計画 欧州需要の15%供給

 【ベルリン小谷守彦】北アフリカのサハラ砂漠などに太陽熱発電施設のネットワークを構築し、欧州の一大電力源とする壮大なエネルギー供給計画「DESERTEC(デザーテック)」が、事業化に向けて動き出す。計画への参加を経済界に呼び掛けてきた世界的な大手保険会社「ミュンヘン再保険」が10日、毎日新聞に明らかにした。
7月12日2時31分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090712-00000009-mai-int


サハラ砂漠で巨大太陽熱発電設備を設置し、ヨーロッパに送電するという計画。
実現に向けて動き出すらしい。太陽熱という自然エネルギーを用い、太陽光を
エネルギーとする太陽電池と違い、装置は単純でシリコン等の材料高騰の懸念
もなく、設備自体は安く作ることができる。

日本では太陽熱発電はあまりなじみがないが、アメリカでは1984年からカリフォル
ニア州でSolar Energy Generating Systems (SEGS)が稼働中。
これが現時点で最大の太陽熱発電所で9プラント合わせて総出力は354 MW。
アメリカではこの他ネバダ州のNevada Solar One (64 MW)などがある。
次に多いのがスペインで 2008年に完成したSpain Granada Andasol1 (50 MW)
など合計出力は約130MW。また、現在計画中はアメリカで約5700MW、スペインでは
1180MWに達するという。(全ての計画が遂行されるとは限らないが。。。)
太陽熱発電への期待が高まっているなかで、このアフリカでの発電所計画Desertec
が現実味を帯びてきた。

太陽熱という自然エネルギーの利用自体は歓迎されるが、アフリカで発電した電力を
ヨーロッパに送るとなると、大容量の発電網を構築するのに多額の費用がかかる。

 欧州の電力需要の15%を満たす発電網の構築に4000億ユーロ(約50兆円)
 が必要

とのこと。この計画についてはフライブルク市在住の環境ジャーナリスト村上敦さん
のブログに詳しく解説がある。

 サハラ砂漠からのソーラー電力
 http://blog.livedoor.jp/murakamiatsushi/archives/51285640.html

費用以外にも、紛争が多発し、政治的に不安定な地域にエネルギーを頼るという
問題がある。

私は自然エネルギーの利点は二酸化炭素の排出量削減の他に、エネルギー自給率
を高め、その国で使うエネルギー(電力)を自国で作ることができる点にあると
思う。特に日本は資源がなく、石油などエネルギー価格の乱高下に一喜一憂して
いる。輸入に頼ることで、国際的な紛争、政治、国家間の力関係などに左右され、
エネルギーの安定供給はいつまで続くか分からない。このような不安定な状況で
自国産のエネルギーを増やすというのは、とても重要だと思う。

ということで、私はこの計画には否定的です。自然エネルギーはやはりその地元
で使うのが一番だと思います。


関連ページ

ソーラータワー発電
http://www.spaceref.co.jp/news/5Fri/2005_02_25tec2.html
太陽熱利用について
http://www.repa-npo.com/index0-5.html
太陽光、次代照らす〈朝日新聞)
http://www.asahi.com/eco/TKY200810050204.html
太陽熱発電所リスト(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_solar_thermal_power_stations
最大の原発より大規模:巨大な太陽熱発電所を建設へ
http://wiredvision.jp/news/200902/2009021223.html
フライブルクから地球環境を考える~村上 敦のエコ・エッセイ~ 
http://blog.livedoor.jp/murakamiatsushi/


2009/7/21 更新 
今日は大雨です。梅雨明けはまだ先になりそうです。
明日の日食は観測できるでしょうか?
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