中国当局は先月末から始まったバブル崩壊第一波に対してあからさまに株式市場へ介入し、株価維持策(PKO)に躍起です。証券会社や政府系ファンドなどによる買い支えにとどまらず、上場企業の大株主が株式を売却することを6か月間禁じ、公安当局が「悪意ある空売り」を調査する方針まで打ち出し株式市場に警察官まで導入しました。株価が下落する局面で株式を借りて売り、その後買い戻す「空売り」は違法な手段ではないが、株価の下落を加速させかねないと当局は問題視した模様だ。上海と深圳の株式市場では、上場銘柄の半数超の銘柄が売買を停止し現在でも578銘柄が売買停止状態です。投資家は信用取引に絡み「売りたくても売れない」状況に陥っています。こうした一連の自由主義経済とは相いれない市場は当面は維持されるでしょうが、いつ又どこかで破たんが生じ暴落を始めてもおかしくない。その場合には日本の株式市場や世界経済に多大な影響を与え人民元の国際化や価格に影響し中国国内で輸入物価を押し上げ国民は悪性インフレにさらされる気がします。
以下コピー 今回の株価暴落の影響は、中国の国民ばかりか、地方自治体をも直撃している。中国経済が専門のRFSマネジメントのチーフ・エコノミスト、田代秀敏氏が解説する。
「地方の財政赤字は、過去10年で26兆8985億元(約530兆円)にも達しています。これほどの巨額債務は、とても返還できないので、地方自治体が企業に資金を提供し、その資金を税収として回収する『空転』を行って、見せかけの税収を得ている状態です。
国務院は昨年5月に、総額1092億元の地方債発行を認可しましたが、こんなカラクリが続くわけもありません。そのため、中国人民銀行が地方債をいったん買い取って、債券市場で売却していこうとしている。ところがいまや株価の大暴落によって、こうした措置を講じる体力も残っていないのです」
北京在住のジャーナリスト、李大音氏が指摘する。「私の周囲にも、50万元損したなんていう知人はザラで、1000万元以上損した友人もいます。7000万人以上が、平均30万元から50万元は損したと、中国メディアは報じていますが、これは極めて控え目な数字でしょう」又「今回の株価暴落によって、巨竜の心臓部を直撃された格好です。いま国務院の幹部たちの間で言われているのは、もしも上海総合指数が3000ポイントを切ったら、金融危機の到来を覚悟しないといけないということです。'08年のリーマン・ショック、'09年のユーロ危機に続く中国発の世界的経済危機が、間近に迫っているのです。」