『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

永遠に続かない『中国の奇跡』

2013-11-03 10:01:14 | 日記
ドイツで人気のあるジョセフ・ジョフィ氏のエッセイからの一部抜粋です。国が大きくなればなるほど、利益も大きくなる。市場ではなく国家が経済的成果を決定するのであれば、資源分配者として政治が収益性に勝ることになる。免許、建築許可、資本、輸入障壁、競争抑制的な規制などは国営企業、または優遇されている企業に与えられ、腐敗や非効率を生み出すことになる。こうしたシステムは簡単には修正できない。国家はその顧客を頼り、顧客は恩恵を施してくれる国家に依存しているからである。この広がりつつある馴れ合いの関係は、景気停滞か反乱のいずれかを招くことになる。中国について小龍(日本・台湾・韓国)たちが教えてくれるものはなにか。そうした国々の全てが倣ったモデルはほとんど同じだが、見逃すことができない違いもある。その一つが純然たる大きさである。何があろうと、中国は世界経済おいて強い影響力を持ち続けるだろう。もう一つは人口統計だ。小龍たちは既に典型的なコースを辿り終えている。その過程で欧米と同様に、田舎の労働者たちより良い生活を求めて都市部に群がった。この「産業予備軍」が賃金を抑え、利益率と株主資本を押し上げてきた。こうして小龍は偉大な「世界の工場」となり、その織物、工具、自動車、電子機器は、今日の中国の巨大輸出産業と同様に、欧米の産業を圧倒しそうになった。しかし、働き手がいなくなった田舎では、もはや産業界に安い労働力を提供できないのだ。ところが、中国には農村の貧しい生活に別れを告げようとしている人々がまだ数千万人いる。したがって、減少・高齢化しつつあるある人口が補充されない日本と混同してはいけない。世界的にも出生率がかなり低い日本の順位は、台湾のひとつ上、韓国のひとつ下になっている。これは東アジアの「死の願望」と呼ぶべきであろう。中国の「予備軍」はまだまだたくさんいる。この非常に貧しい国は、強制された資本蓄積、抑制された消費、尊大までの環境軽視といった国家資本主義に典型的な強みについても使い果たしていない。以下続きは、別途掲載予定。ここからは筆者の意見です。ジョセフ氏のエッセイから分かることは中国には未だ労働力が眠っていてすぐには経済は破綻しないと考えていること。中国には人口が圧倒的に多いこと。日本で起こったことがそのまま中国で起こるとは限らないのです。民主主義による多数決ならば今後は常に負けてしまいます。共産党一党支配での中国の成長は世界の許容範囲を超えています。しかしながら日本や他の民主主義先進国にも巨額の財政赤字と大量のマネーが溢れている現状があります。さらに日本は来年から消費税引き上げやTPPに加盟そして日本企業に対して政府が任意の給料引き上げを要請しています。TPPにより解放される東アジアには廉価な人材が眠っているのにもかかわらずです。安倍首相の経済政策は過度に期待でません。貧富の差はさらに広がります。今後は、民主主義国家、共産主義国家双方に危機があるようです。問題は破裂するのはいつかです。
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