ある製造業のコンサルティングで実際にあった話です。
その企業では、完成品の不良率の多さに悩んでいました。
顧客が非常に不良に厳しい業界であるため、工程1工程2、とくに工程2では完成品検査を厳格におこなっています。完成品検査で不良がでた場合、原因についても分析され、工程1、後工程2にフィードバックがかけられます。(この場合のフィードバックとは、不良の原因について、原因となった現場に現物を戻して、原因を更に突き止めて不良の生産を止めることです。)
このような仕組みを運用しているにもかかわらず、工程1(前工程)が原因の不良が減らず、困っていました。
その企業はプラスティック成形工場とめっき工場を持っていました。もともとは、めっき業からスタートし、成形工場には自社のめっき工場へ成形品を供給し一貫生産するためにあとから参入しました。
当然のことですが、めっきの技術はあっても成形の技術は持っていなかったため、成形工場を立ち上げるにあたり核となる人を成形業界から雇いました。
めっき業界と成形業界では、生産方法も製品不良についての考え方も違います。成形はめっきに比べ生産スピードが速く、また自在に製品を流せるめっきに対し、成形は金型の段取りに時間が掛かるため一つの製品を作り始めたら一定量を作り続けなければならないという違いがあります。また最終的に出荷するめっきに対し、成形は納品先に直に接していないため不良にたいしての感覚が鈍くなっています。
人の違い、扱うものの違いなどによって、この企業内では小さな文化の断絶がありました。これも、不良が改善できない原因のひとつでした。
前段の工程1が成形工場、工程2がめっき工場です。2つの工場で話を聞いてみると、立派なフィードバックの仕組みがあるにもかかわらず、そのフィードバックがどこかで途切れ機能していないために、企業内の2つの工場間で、不良原因の押し付け合いがおこなわれていました。
そこで、私は企業外部からの視点で絡んだ糸を解きほぐし、次のような提案をし大変喜ばれました。
①フィードバック情報管理のルール変更
情報流れをつくり、フィードバックのスピードを速める提案
②完成品検査の段階でトレーサビリティが発揮できる仕組み
成形工場の誰が(どの機械が)いつ作ったものか、めっき工程終了後でも追える仕組みの提案
③企業内のギャップ解消
社員のジョブローテーションや共通の朝礼などにより、工場間の文化の違いをうめる提案
実は、この企業は非常に優秀な企業です。長年優秀な業績をあげられてきた企業で、マネジメントシステムを経営に活かしておられる素晴らしい企業です。私がお話したいのは、このような企業であっても外部からの視点が必要であるということです。上記の①~③のような基本的なことでも、内部の人間関係のしがらみや文化の不統一から、外部からの指摘がなければできないことがあるのです。
経営者の皆様。コンサルタントは費用がかかる上、何をしてくれるのかわからないという不安がコンサルタント活用を躊躇されることと思います。コンサルタントは「外からの視点で中を見る」のです。これは、たとえ経営システムを確立されている企業であっても、企業内ではけしてできることではありません。
「外からの目」としてコンサルタント活用をご検討下さい。また、その際は唯一のコンサルタント国家資格である、中小企業診断士をご用命下さい。
その企業では、完成品の不良率の多さに悩んでいました。
顧客が非常に不良に厳しい業界であるため、工程1工程2、とくに工程2では完成品検査を厳格におこなっています。完成品検査で不良がでた場合、原因についても分析され、工程1、後工程2にフィードバックがかけられます。(この場合のフィードバックとは、不良の原因について、原因となった現場に現物を戻して、原因を更に突き止めて不良の生産を止めることです。)
このような仕組みを運用しているにもかかわらず、工程1(前工程)が原因の不良が減らず、困っていました。
その企業はプラスティック成形工場とめっき工場を持っていました。もともとは、めっき業からスタートし、成形工場には自社のめっき工場へ成形品を供給し一貫生産するためにあとから参入しました。
当然のことですが、めっきの技術はあっても成形の技術は持っていなかったため、成形工場を立ち上げるにあたり核となる人を成形業界から雇いました。
めっき業界と成形業界では、生産方法も製品不良についての考え方も違います。成形はめっきに比べ生産スピードが速く、また自在に製品を流せるめっきに対し、成形は金型の段取りに時間が掛かるため一つの製品を作り始めたら一定量を作り続けなければならないという違いがあります。また最終的に出荷するめっきに対し、成形は納品先に直に接していないため不良にたいしての感覚が鈍くなっています。
人の違い、扱うものの違いなどによって、この企業内では小さな文化の断絶がありました。これも、不良が改善できない原因のひとつでした。
前段の工程1が成形工場、工程2がめっき工場です。2つの工場で話を聞いてみると、立派なフィードバックの仕組みがあるにもかかわらず、そのフィードバックがどこかで途切れ機能していないために、企業内の2つの工場間で、不良原因の押し付け合いがおこなわれていました。
そこで、私は企業外部からの視点で絡んだ糸を解きほぐし、次のような提案をし大変喜ばれました。
①フィードバック情報管理のルール変更
情報流れをつくり、フィードバックのスピードを速める提案
②完成品検査の段階でトレーサビリティが発揮できる仕組み
成形工場の誰が(どの機械が)いつ作ったものか、めっき工程終了後でも追える仕組みの提案
③企業内のギャップ解消
社員のジョブローテーションや共通の朝礼などにより、工場間の文化の違いをうめる提案
実は、この企業は非常に優秀な企業です。長年優秀な業績をあげられてきた企業で、マネジメントシステムを経営に活かしておられる素晴らしい企業です。私がお話したいのは、このような企業であっても外部からの視点が必要であるということです。上記の①~③のような基本的なことでも、内部の人間関係のしがらみや文化の不統一から、外部からの指摘がなければできないことがあるのです。
経営者の皆様。コンサルタントは費用がかかる上、何をしてくれるのかわからないという不安がコンサルタント活用を躊躇されることと思います。コンサルタントは「外からの視点で中を見る」のです。これは、たとえ経営システムを確立されている企業であっても、企業内ではけしてできることではありません。
「外からの目」としてコンサルタント活用をご検討下さい。また、その際は唯一のコンサルタント国家資格である、中小企業診断士をご用命下さい。