写真は赤羽の繁盛店「まるます家」です。庶民的な居酒屋兼定食屋兼持ち帰り可の鰻屋というところです。この店では、女性従業員の明るく気さくな接客が特徴となっています。
日本社会全体で労働力不足が懸念される中、大手外食産業ではここ数年の間に中高年の採用を大きく増やしてきました。
昨年には、ハンバーガーショップ従業員のおばあちゃんが集客力アップに貢献する事例が新聞で取り上げられました。
実際に私が見た事例でいうと、マクドナルド中野店、モスバーガー小平駅前店においておばあちゃんが大活躍されています。彼女たちの丁寧な接客、若い人にはない心遣い、孫を見るようなやさしい笑顔、顧客への気さくな声掛けなどが、店舗全体のホスピタリティイメージを向上させています。
中小飲食業では、以前からおばあちゃん達が接客分野などで大活躍されています。しかし、そのイメージは残念ながらけして良いとは言えません。
この年齢の女性の多くが本来持っているであろう「あたたかさ」や「気さくさ」という特徴が、「ぞんざい」「私語が多い」といったマイナスイメージの影に隠れてしまいがちです。マニュアル化された接客用語を使ったの方がまだマシなのではということさえもあります。
悪いところを直して、良いところを残す。簡単なようで難しいものです。間違ったマニュアル教育はともすると従業員の魅力的な部分を削ぎ落とし、マニュアルに書かれていることしかしない人間を作ってしまいます。本当はマニュアルも使いようということなのだけど、人材教育がマニュアルに依存してしまうとつまらない人を作り出すのです。
「まるます家」や「マクドナルド」「モスバーガー」では、マニュアルの適応を最低限に留め、接客を彼女たちの自由裁量に任せることでおばあちゃんの個性を活かしています。つまり衛生や味に関わる部分のマニュアル活用を徹底した上で、彼女たちの人間性の部分を活かした接客を店の個性として活用しているのです。
飲食業に限らず、従業員個人の良いところを活かす企業には将来の成長があります。人材育成が企業の将来を左右するのです。
経営者の皆様、人を活かす教育ができていますか。企業が人を生かす(生き延びさせる)のではありません。人を活かす企業において人が企業を生かす(継続・成長させる)のです。企業を生かすための人材育成を急いで下さい。
※鯉とうなぎのまるます家 総本店(リンク先に地図あり)
東京都北区赤羽1-17-7
営業時間9:00~21:30
道順:赤羽駅北改札口を出て東口方面へ、ロータリーから一番街に入って1分