中小企業診断士 福田 徹 ブログ

経営コンサルタント・中小企業診断士・ビジネスファシリテーターによる経営者・起業家・管理者向けブログ

犬用という市場:用途開発のすすめ

2008年08月16日 | 福田徹のマーケティング
 この「犬用アイス」は、シューアイスの小売チェーン店で販売されていました。



 シューアイスの製造ラインを持つ会社にとって、「犬用」製品を市場に出すことは、「犬に食べさせる」「犬と一緒に食べる」というシューアイスの新しい用途を開発したということです。

 従来と変わらないかほとんど変わらない製品を、従来と違う切り口の市場セグメントを開発し他社に先駆けて販売すると先行者としてその市場において有利にシェアを取ることができます。
 たとえば、缶コーヒーに「朝専用」とネーミングしたり、緑茶ペットボトル飲料にカテキンを増量したものに健康のイメージをつけたりすることにより、それだけのことで、従来の同じような製品のシェアが小さいまたはシェアを持たない企業が新しい市場をつくり、その市場を席巻しました。

 「差別化」というと、今いる市場内での差別化を思い浮かべがちですが、現在の市場内での差別化は結局は他社との性能競争につながり、コスト的に合わなくなるケースが多いのではないでしょうか。
 
 たとえばあなたが、「人間用の何か」を製品・商品としている業界で他社との差別化に悩まれているとするならばならば、その「人間用の何か」についての「犬用」(ペット用)製品・商品市場を新たにつくるのはいかがでしょう。
 飼い主は、ペットに自分たちと同じことをさせたがるようです。たとえば、人間が暑いときにアイスが美味しいと思うので、ペットもそうだろうというわけで、アイスを食べさせるわけです。この発想で、我々人間の日常生活の場面でペットと飼い主が同時にできるものを探し、「犬用」製品・商品を探って見て下さい。

 経営者の皆さん、頭を柔らかくして考えましょう。業界内での差別化ではなく、自社の製品・商品・サービスを他の分野で売ったらどうなるのか?という発想を持って考えてみて下さい。きっとほかにも自社で扱う製品・商品・サービスが売れる市場があるはずです。