海外旅行をするときは、ガイドブックに加えその国作家による本を読んでおくことが多いです。帰ってからも。
(■読んだもの、□読みたいもの)
(順不同)
(概要説明にはアマゾンから写したものもあります)
■■フィンランド
■トーベ・ヤンソン『誠実な詐欺師』
トーベ・ヤンソンはヘルシンキ生まれのスウェーデン語系フィンランド人。ムーミンシリーズの作者。
■■チェコ
■オタ・パヴェル『美しい鹿の死』
破天荒だが憎めない父親(ユダヤ人)と、暖かな家族の絆を描いた、戦後チェコ文学のベストセラー。
なんとエネルギッシュなお父さん!家族中が翻弄されつつも頼りにできる存在。
永遠にかえらない子供時代を可笑しく美しく描いた珠玉の佳品だと思う。
■イヴァン・クリーマ『僕の陽気な朝』
著者の自伝的要素を含む、滑稽で破廉恥、少し奇妙で不条理な7つの短篇集。
ソ連に占領されてすべてが変わった。大学で教えていた人は明日の雇用も知れぬ窓ふきに・・・。学会誌の投稿メンバーは一新。しかしそれは表向きで、新たな学会メンバーにろくな論文が書ける訳もなく、実の執筆者は前と同じなのだ。世の中の全ての雑誌や書物に思想的スローガンが氾濫。うんざりして「愛犬の友」を買ってみればそこにも「同士共産主義が南米の××でも勝利をおさめ」・・・。というような信じられないエピソードがあちこちにちりばめられていて、実際本当にそこで生きていた人々には冗談ではないのだが、なんだか笑うしかないような・・・。
タイトルは逆説的。
■ヤロスラフ・ハシェク『不埓な人たち―ハシェク風刺短編集』
カフカ、チャペックと並ぶチェコの代表的人気作家の実体験に基づく(?)面白すぎる短編25編。
本国では大変に有名な作家だそうだ。1883年、チェコのプラハに生まれ、100を超えるペンネームを用い、注文されれば何でも、注文されなくても何でも、という調子で作品を書きまくり、1923年に39歳で亡くなるまでに、確認されただけで千数百の短編を残した。
もっと沢山読んでみたいものだ。
□ヴァーツラフ・ハヴェル『プラハ獄中記―妻オルガへの手紙』
■パヴェル・コホウト『プラハの深い夜』
第二次世界大戦末期、ナチス・ドイツ軍占領下のプラハを揺るがす未亡人連続殺人事件。殺人者の病める魂、捜査にあたるプラハ警察の若き刑事とドイツ人検事の対立と友情を描くミステリー。
読んだはずなんだけど・・・。
■カレル・チャペック『ポケットから出てきたミステリー』
ショート・ミステリーの名品24篇。
赤ん坊誘拐事件のとき警部がとった作戦。・・・「おお、なんとかわいいあかちゃんでしょう」プラハじゅうのおかあさんたちは誇らしく思ったのでした。・・・このあたりのくだりがなんともやさしくて好き。
サボテン盗難事件では、植物マニアである著者の性癖もだいぶ織り込んであると思われる。
■カレル・チャペック『スペイン旅行記』
チャペックらしい知性と観察力、視線のやさしさを感じる。作者自身による挿画がすばらしい。
■カレル・チャペック『園芸家12ヶ月』
こよなく園芸を愛する作者による四季折々の園芸エッセイ。
私は園芸の実践にはあまり興味はないが楽しく読めた。
園芸家は植えたり掘ったりむしったりに忙しくって、咲いた花を観賞する時間はない、とか。
■カレル・チャペック『子犬の生活ダーシェニカ』
チャペック家に生まれた子犬ダーシャちゃんのやんちゃぶりを書いたイラストつきエッセイ。
名文。そしてイラストもかわいい。
■アヴィグドル・ダガン『宮廷の道化師たち』
ナチの司令官の道化師として、20世紀の悪の極限を生きのびた4人の男たちの運命と復讐のドラマ。
作者は1912年、チェコ生まれ。大学在学中から詩人として活動。ヒットラーの台頭により39年出国、ロンドンの外務省に勤務。戦後もプラハの外交官として勤務するが、48年、左翼クーデターが興るとイスラエルへ出国。以後チェコでは発禁。が、ビロード革命後、本国で最も読まれる。イスラエル国籍チェコ系ユダヤ人。
作者の経歴も複雑だし、登場人物の体験も、重い。「共感」とかそういう言葉を安易に使ってはいけない気がする。
安穏と平和に生きている人間には理解できない世界がある。それで仕方がないのではないか。繰り返さない限り。
■■ロシア
(■読んだもの、□読みたいもの)
(順不同)
(概要説明にはアマゾンから写したものもあります)
■■フィンランド
■トーベ・ヤンソン『誠実な詐欺師』
トーベ・ヤンソンはヘルシンキ生まれのスウェーデン語系フィンランド人。ムーミンシリーズの作者。
■■チェコ
■オタ・パヴェル『美しい鹿の死』
破天荒だが憎めない父親(ユダヤ人)と、暖かな家族の絆を描いた、戦後チェコ文学のベストセラー。
なんとエネルギッシュなお父さん!家族中が翻弄されつつも頼りにできる存在。
永遠にかえらない子供時代を可笑しく美しく描いた珠玉の佳品だと思う。
■イヴァン・クリーマ『僕の陽気な朝』
著者の自伝的要素を含む、滑稽で破廉恥、少し奇妙で不条理な7つの短篇集。
ソ連に占領されてすべてが変わった。大学で教えていた人は明日の雇用も知れぬ窓ふきに・・・。学会誌の投稿メンバーは一新。しかしそれは表向きで、新たな学会メンバーにろくな論文が書ける訳もなく、実の執筆者は前と同じなのだ。世の中の全ての雑誌や書物に思想的スローガンが氾濫。うんざりして「愛犬の友」を買ってみればそこにも「同士共産主義が南米の××でも勝利をおさめ」・・・。というような信じられないエピソードがあちこちにちりばめられていて、実際本当にそこで生きていた人々には冗談ではないのだが、なんだか笑うしかないような・・・。
タイトルは逆説的。
■ヤロスラフ・ハシェク『不埓な人たち―ハシェク風刺短編集』
カフカ、チャペックと並ぶチェコの代表的人気作家の実体験に基づく(?)面白すぎる短編25編。
本国では大変に有名な作家だそうだ。1883年、チェコのプラハに生まれ、100を超えるペンネームを用い、注文されれば何でも、注文されなくても何でも、という調子で作品を書きまくり、1923年に39歳で亡くなるまでに、確認されただけで千数百の短編を残した。
もっと沢山読んでみたいものだ。
□ヴァーツラフ・ハヴェル『プラハ獄中記―妻オルガへの手紙』
■パヴェル・コホウト『プラハの深い夜』
第二次世界大戦末期、ナチス・ドイツ軍占領下のプラハを揺るがす未亡人連続殺人事件。殺人者の病める魂、捜査にあたるプラハ警察の若き刑事とドイツ人検事の対立と友情を描くミステリー。
読んだはずなんだけど・・・。
■カレル・チャペック『ポケットから出てきたミステリー』
ショート・ミステリーの名品24篇。
赤ん坊誘拐事件のとき警部がとった作戦。・・・「おお、なんとかわいいあかちゃんでしょう」プラハじゅうのおかあさんたちは誇らしく思ったのでした。・・・このあたりのくだりがなんともやさしくて好き。
サボテン盗難事件では、植物マニアである著者の性癖もだいぶ織り込んであると思われる。
■カレル・チャペック『スペイン旅行記』
チャペックらしい知性と観察力、視線のやさしさを感じる。作者自身による挿画がすばらしい。
■カレル・チャペック『園芸家12ヶ月』
こよなく園芸を愛する作者による四季折々の園芸エッセイ。
私は園芸の実践にはあまり興味はないが楽しく読めた。
園芸家は植えたり掘ったりむしったりに忙しくって、咲いた花を観賞する時間はない、とか。
■カレル・チャペック『子犬の生活ダーシェニカ』
チャペック家に生まれた子犬ダーシャちゃんのやんちゃぶりを書いたイラストつきエッセイ。
名文。そしてイラストもかわいい。
■アヴィグドル・ダガン『宮廷の道化師たち』
ナチの司令官の道化師として、20世紀の悪の極限を生きのびた4人の男たちの運命と復讐のドラマ。
作者は1912年、チェコ生まれ。大学在学中から詩人として活動。ヒットラーの台頭により39年出国、ロンドンの外務省に勤務。戦後もプラハの外交官として勤務するが、48年、左翼クーデターが興るとイスラエルへ出国。以後チェコでは発禁。が、ビロード革命後、本国で最も読まれる。イスラエル国籍チェコ系ユダヤ人。
作者の経歴も複雑だし、登場人物の体験も、重い。「共感」とかそういう言葉を安易に使ってはいけない気がする。
安穏と平和に生きている人間には理解できない世界がある。それで仕方がないのではないか。繰り返さない限り。
■■ロシア
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