しばらく前ですが、ダンナサマが台湾メンバーとの会議に出席して、お土産にお茶を頂いてきました。
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いまどきの、お洒落なデザインが施された箱です。
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中は、5種類のお茶のティーバッグ。 外箱と中、それぞれ少しレイアウトを替えつつ、それぞれのイメージに合うモチーフを描いています。
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中身は、 ・金菊茶(猫のなかに菊のイラスト) ・緑茶(グリーンの急須) ・東方美人茶(茶摘み娘のイラスト) ・紅茶(湯呑に、ブラウンのお茶が入っている様子) そして ・酸柑茶
酸柑茶のイラストはこれ。
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火鉢?なにこれ? 酸柑茶って、主原料が酸柑(ダイダイ?)と茶葉だし、きっとオレンジフレーバーティだよね? これってオレンジなのかなあ。 イラストのためにデフォルメするにしても、なんで黒くしちゃうかな? 変なのーと思いつつ、深くは掘り下げないままでした。
10日ほど後、そのお茶を飲む機会がやってきました。 ティーバッグなので茶葉の中身は不明のままですが、水色は紅茶っぽい濃いめの色合い。 紅茶のフレーバーティなのかな。
飲んでみると、 Fujika:「あれ、オレンジフレーバーしないね。ティーバッグだし、香りが飛んじゃったのかな」 ダンナサマ:「なんかこれ、プーアル茶みたいな味がする」 Fujika:「ん?んんんん?まさか!? (酸って柑橘の酸味かと思っていたけれど、発酵的な意味合いの酸?)」
調べてみると、酸柑茶って、コレでした。
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お、おう。黒い。 イラストは、むしろ写実的でした。
勝手な思い込みで、オレンジフレーバーティかと思っていましたが、全く別物のお茶でした。
調べてみると、こちらに詳しい説明が。 Youtubeも、制作過程の動画がありました(これとかこれとか)(中国語字幕あり) 台湾の苗栗県地域の客家(はっか)に伝わって作られている伝統的なお茶だそうです。 Youtubeの画像と字幕を手掛かりに解読した作り方は次の通り。
・「虎頭柑」というオレンジ色の柑橘(文旦サイズ)を使用(ダイダイ(酸柑)Citrus aurantiumの一種、Citrus aurantium L. cv. Hutou Gan) ・完熟直前で収穫し、水に晒して?数日おく(柔らかくする) ・大き目の円筒形の金具でヘタと芯をくりぬき、その穴からじょうのう(果肉・袋)を取り出す。果汁、袋と種は分けておく。 ・茶葉、果実の袋の部分(果汁も適宜?)、その他刻んだ薬草(枇杷の葉、桑の葉などメーカー秘伝のいろいろ)をよく混ぜてなじませる。 ・くりぬいた皮に、茶葉ミックスをなるべくぎゅうぎゅうに詰める。さきほどのヘタでフタをして、紐でしばる。 (竹ひご的なもの1本(又は2本)で、ヘタを抑え込むようにする場合もあり。これがイラストの1本線。乾くとこんな風に竹の棒がちょっと出っ張ってくるので、ちょん、としたとんがりが描かれているのだと思います) ・蒸し焼きにしてから天日で干す。時々上下を返す。(雨には濡れないように) ・しばらく干したら、ぎゅうっと平たく潰して紐をかけなおす。 ・また蒸し焼きにして干す(これを何回か繰り返す。伝統レシピでは9回) ・最終的には真っ黒になり、石のようにカチカチに。
ものすごい手間がかかっています。 日本の柚餅子(くるみなどを混ぜた甘味噌を柚子の皮に詰め、一度蒸してから干す)に、ちょっとだけ近いものがありますよね。
原材料をよくよくみると、酸柑、茶葉の下に、副原料として檸檬、香圓瓜(ハヤトウリ)、塩、とあります。なるほど発酵させるようなお茶だから塩も入る訳だ。(ハヤトウリをどう使っているのかは不明です)
調べてから味わうと、ふむふむ、なんとなく有難味があるような、乙な味がします。 プーアル茶のような熟成茶の風味と、柑橘なのか乳酸発酵なのか、ほのかな酸味。冷まして頂くとより酸味を感じます。 今回はティーバッグに入っていましたが、ホールのまま入手した場合は、カチカチに固まったミカンを、石でカチ割るようにしてほぐして、お茶として頂くようです。
こちらの情報によると、 効能:止咳化痰、消化を助ける、血液サラサラ、コレステロールを調整、中暑解熱など 酸柑の果皮に含まれるリモシトリンという成分が心臓血管疾患の治療、新生物疾患および アテローム性動脈硬化症の予防および抑制の効果がある とのこと。
台湾の名物(食べ物系)は結構体験したつもりで、いささか驕っていましたが、まだまだ知らない名産があります。 まだいろいろリサーチしないと☆
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