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激震走らせた「れいわ新選組」 2議席獲得し政党要件を突破 国政変えるスタートラインに立つ

2019-07-24 17:43:21 | 杉並からの情報発信


激震走らせた「れいわ新選組」 2議席獲得し政党要件を突破 国政変えるスタートラインに立つ

2019年7月22日 長周新聞

https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/12454

開票結果を受けて会見する山本太郎代表

参院選の投開票がおこなわれた21日の午後8時、東京都千代田区のれいわ新選組の開票センターには、多くのボランティアが詰めかけて開票状況を見守った。「市民とともに本気でたたかう政党をつくる」と宣言し、6年間、参議院議員を務めた山本太郎氏が単独で立ち上げたれいわ新選組(東京選挙区1人、比例9人擁立)は、比例で224万3878票(得票率4・5%)を得て2議席を獲得し、政党要件(得票率2%)を突破した。優先度の高い比例特定枠に新人2人を立てたため山本太郎代表は当選を逃すことになったが、比例での個人票は全党派別で単独トップの97万1916票を集めた。数々の選挙常識を覆し、政党として新段階に進んだれいわ新選組は、停滞した国政に確かな風穴を開け、次期衆院選でのさらなる躍進を見据えて大きな一歩を踏み出した。

開票センターでは、早くから多数のボランティアが詰めかけ、開票状況を見守った。特定枠で、難病ALS患者の舩後靖彦氏、重度障害者の木村英子氏の当選確実が報じられると大きな歓声に包まれた。山本太郎代表は「私の一議席だったものが2議席になり、政党要件も獲得できた。みなさんと一緒に手にした大きな勝利だ」と、集まったボランティアたちににこやかに呼びかけた。

開票センターに駆けつけたボランティアたち

「みんなで支えていきましょうね」――山本代表のアナウンスで登場した舩後氏は、「障害者への合理的配慮を実践する山本太郎代表こそが、これからの日本を変えていくと確信している。優しい国にするはずだ。選挙戦でも、一般の人がエレベーターを譲ってくれるなど障害者に対する国民のみなさんの意識が少しずつ変わってきたと感じる。障害者自立支援法が障害者総合支援法に名称が変わったが、小手先だけをいじる法律だけでなく、必要な支援とは何かを今一度考え直してもらえる制度を作っていきたい」とのべた。

比例特定枠で当選した難病ALS患者の舩後靖彦氏(左)

同じく木村氏は、「たくさんの応援をいただき、厳しい状況にある障害者みなさんの一票一票が私の胸に突き刺さっている。地域で生きている障害者の生活環境は非常に厳しく、介護者がいなければ生きていけないのに介護者不足の状況もある。出るのには勇気がいったが、その状況を変えるために覚悟を決めて出馬した。地域で暮らすことを望む障害者が安心して生きられる環境を整えていきたい」と決意をのべた。

比例特定枠で当選した重度障害者の木村英子氏

山本代表は、「日本は近い将来、高齢化が加速して寝たきりの人たちが増えていく。生産性で人間の価値がはかられる世の中にあって、この人たちに対する“いつまで生きているのか?”という空気も強まっていくだろう。医療費などによって命が選別さえされかねない時代になることを危惧している。パラリンピックのホスト国になり、“合理的配慮”などの言葉だけが踊っているが、国権の最高機関にそのような考えがない。寝たきりでありながら豊かな人生を実践し、この国の将来に必要な知見をもっている人を国会に送ることは非常に意義深い。誰も切り捨てられない社会を作るためには、寝たきりや難病の方の人間の尊厳が守られるべきであり、それを実践するために当事者に国会に入ってもらう意味は大きい。これから議会は議会活動のサポートをやるべきであり、参議院はじめ国権の最高機関である国会が柔軟に対応してほしい」と力を込めた。

東京選挙区に立候補し、21万票を得ながら落選した野原善正氏をはじめ、7人の新人候補者たちも当選には届かなかったが、山本代表は「私一人の議席を守る選挙ではなく、この魅力的な候補者がいたからこそ2議席を確保できた。風穴を開けていくために立ち上げたれいわ新選組に対するみなさんの期待だ。すぐに来る衆院選でまたチャレンジする」とのべ、この選挙戦で作り出した地殻変動に対する確信をみんなで共有した。

比例票が出揃い、みずからの落選が確定した22日午前4時45分、改めて会見の場に出てきた山本代表が、「後悔は一切ない。前回は東京選挙区の自分一人だけだったのが2議席になった」と支持者を前に語ると、みずからの身を切って勢力拡大を果たしたことへの惜しみない拍手が送られた。

「立候補した10人を当選させることができなかったのは私の力不足だ。加えて、私自身も議席を得られなかったのは残念だが、みんなで全力でたたかった結果だ。とはいえ、政党要件を持たない諸派が議席を獲得したのは新制度に移行後はじめてのことだ。そのうえに2議席を頂戴して政党要件を満たしたというのは、決して負けてはいない。この波紋は今後大きく広がっていく。れいわ新選組として大きく前進した。

旗揚げした理由は、まず国会の中に緊張感をもたらす野党勢力を作ること、そして一番の狙いは政権を取ることだ。2議席に加えて政党要件は大きな成果だ。政党助成金によってたたかうことができる。しかも障害をお持ちのお二人が通ったことで、日本の障害者施策は大きく前進する。山本太郎の一議席と引き換えに得られたものは、比べものにならないくらい大きい」と強調した。

躍進の理由として、「そろそろみんなが怒るときに来ているということだ。20年以上続くデフレで生活や人生を削られる一方で、一部のものだけが好景気の恩恵を享受する。この国に生きるすべての人を慮(おもんばか)る政治へとみんなの力で変えようという訴えにみなさんが賛同してくれた結果だ。もっとも意識したのは小さな野党の票を狙うのではなく、最大多数である無関心層、浮動票だった。今回の投票率は戦後2番目に低いが、それだけ政治への幻滅が広がっている。と、同時に私たちが支援を呼びかける対象が増えているということだ。がんじがらめの永田町の中から変えることは不可能だが、その外側にいる数を生み出す人たちの力が動けば変えていける。山本一人ではできないが、それが2人、3人になっていくことで政治が必ず変えられることを今後も訴え続けていきたい」と力を込めた。

今後は政党代表として国政にかかわるとともに、次期衆院選にみずからを含めて政権奪取可能な数の候補者を擁立するために全国で活動することも明言し、「すでにこの瞬間からそのたたかいがはじまっている」と口もとを引き締めた。

この選挙戦で全国の人々から寄せられた寄付金は、約3万3000人から4億円を超える額にのぼった。有権者に支援を呼びかける公選ハガキは、法定数15万枚を大きく超える22万枚が1万1000人から返送された。配られた政党・個人のポスターは9万枚、ビラは270万枚。それらを掲示、配布することを含め、選挙戦を下で支えたボランティアの人数は集計不能な規模に膨らみ、四ッ谷の選挙事務所を訪れた人数だけでも17日間で3500人以上にのぼった。

山本代表は、「身を削る思いで私たちに寄付をくださった方々、忙しい中で自分の時間を削ってポスター掲示やビラ配りをしてくださった方々、まるで自分が候補者に成り変わったかのように全国を走り回ってくださった方々が全国にいらっしゃることを私は知っている。残念ながら10人当選に至らなかったが、6年前の1議席しか得られなかった私および私たちの力が2議席に増え、政党要件を満たした。テレビが映さないなど、これまでの政党でないことから受ける数数の不条理を払拭するためのカードを手に入れることができた。次の選挙では、メディアも扱わなければならなくなるし、政党でなければ4、5人(×供託金600万円)立てなければ認められなかった衆院選のブロックに、1人でも立候補が認められるようになる。それによって費用も大きく抑えられる。かなり大きなシード権を手に入れることができたと思う。6年前に比べたら非常に大きな力だ。このような状況でこれからのたたかいをさらに進められるのは、みなさんのお力のお陰以外にない。足を向けて寝られない」と感謝の思いを伝えた。

「あくまで目標は政権を取りに行く。そのための大きな一歩をみなさんの力で勝ち取った」――会見場に悲壮感はみじんもなく、一人一人の力を繋ぎながら全国を走り抜けた選挙戦で得た力を確信し、次期衆院選に向けてさらに勢力を拡大していくことを確認して、長い一日を終えた。






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結果は自民党の惨敗 政治不信の打開が課題に

2019-07-24 17:30:57 | 杉並からの情報発信


結果は自民党の惨敗 政治不信の打開が課題に

2019年7月22日 長周新聞

https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/12478

21日に投開票を迎えた参議院選挙は、自公が過半数の議席を獲得したものの、安倍政府が目指した改憲勢力3分の2の議席獲得には及ばなかった。選挙は、TPP、消費税増税、共謀罪法や安保法制の強行、アベノミクスの失敗や憲法改正、広がるばかりの格差や貧困の問題など、安倍政治6年についての審判と同時に、日本社会をどうしていくのか重要なテーマが問われた。このなかで、劇場型選挙とは打って変わって大手メディアは徹底的な静観と黙殺を貫き、「寝た子を起こさない選挙」に徹した。投票率は48・80%とかつてなく低いものとなり、有権者の半数以上が棄権するものとなった。政治不信は依然として強いが、一方で山本太郎が立ち上げたれいわ新選組が「困っている国民のために、本気でケンカをしにいく政治勢力をつくる」と街頭から旋風を起こし、初の挑戦で2議席を獲得した。メディアに完全に黙殺されながらも、放送禁止物体と化した彼らが次の衆院選や今後の政治勢力拡大につながる第一歩を踏み出し、国会に一つの風穴を開けた。

改選後の議席数としては、自民党が113議席(改選前123議席)となり、公明党は28議席(改選前25議席)。自公合わせて141議席で、維新などの改憲勢力を合わせても3分の2の164議席には届かなかった。維新は16議席(改選前13議席)となった。

民主党解体後の野党第一党となっている立憲民主党は、改選前の24議席から32議席へと勢力を拡大した。一方の国民民主党は23議席から21議席へと微減。社民党は現状維持の2議席、「日共」は14議席から13議席へと減らした。

小選挙区では、争点が明確な地域では特徴があらわれている。

日米政府が強行する辺野古への米軍基地建設に対して、島ぐるみで日米両政府と対決している沖縄選挙区では、玉城デニー知事はじめオール沖縄が推す無所属新人の高良鉄美が自民党候補を寄せ付けずに当選を果たした。県知事選、前回衆院選に続いて、覆すことができぬ沖縄の底力を改めて見せつけた。

イージス・アショア配備を巡って防衛省のずさんな調査が発覚し、反発が強まっている秋田県では、無所属新人の野党統一候補である寺田静が自民現職を破って当選を果たした。山形でも自民現職が敗北。立憲民主党の候補ながら消費税廃止を訴えて注目されていた宮城選挙区の石垣のりこが自民現職を撃破して当選を果たした。

柏崎刈羽原発を抱え、原発再稼働問題を抱えている新潟県では、国交副大臣として忖度発言が問題になった塚田一郎が無所属の打越さく良に破れて落選した。広島では岸田派の重鎮である溝手顕正が自民党内の矛盾も反映して落選した。大分選挙区では日本会議関係者で安倍晋三の親衛隊として認知されてきた首相補佐官の礒崎陽輔が落選した。

既存政党見放されるなか新たな勢力登場の兆し

自公が強いわけではなくむしろ弱体化もしているが、そうはいっても企業や団体などの組織票を一定程度有し、一方の野党がそれ以上に国民の支持基盤が乏しく、選択肢としても細細と分散した状況のなかで選挙はたたかわれた。前回衆院選の直前に起こった不可解な野党解体・小池劇場の後、それまで反自民の受け皿となっていた旧民主党は国民民主党と立憲民主党に分裂し、野党側は今回の選挙で1人区において野党共闘を組んで挑んだ。いくつかの選挙区では結果を残したが、とりわけ1人区では山口県のようにまるで有権者の思いからかけ離れ、相手にされないところもあった。御用組合と化した連合や、県政・市政のもとでは自民党に迎合してきた旧民主党系及び自称野党への信頼が乏しく、たたかう姿勢が乏しいことを強く印象付けた。絶対得票率が20%に満たない自民党を上回る実力がなく、有権者をひきつける熱意も能力もない問題について考えさせるものとなった。とくに山口県選挙区はその傾向が顕著で、野党というだけではどうしようもない現実を突きつけた。

今回の選挙の最大の特徴は、大手メディアが黙殺に徹したれいわ新選組の台頭である。開票番組になって初めてどのテレビ局も山本太郎を登場させたものの、投票が終わるまでは完全に黙殺し、一般の有権者に旋風を伝えない戦略に徹した。あちこちで駅前を埋め尽くし、いわばこの選挙で最大の熱気をつくり出していたにもかかわらず、影響力が広がることを恐れたかのような対応に終始した。

れいわ新選組は比例で224万3878票(開票率99・02%)を獲得し、比例の特定枠で難病ALS患者の舩後靖彦、障害者の木村英子の2人が当選した。代表の山本太郎の当選はならなかったが、かつてない政治不信が覆っているなかで間違いなく街頭から旋風を巻き起こし、次につながるたたかいをくり広げた。得票率2%以上の4・53%(同)を達成し、国政政党として立ち上がった。

政党政治は引き続き有権者から浮き上がり、5割以上の参政権が行使されないという分断された状況のもとで、絶対得票率が20%にも満たない自民党が勝利する構造が横わたっている。この自民党を上回る政党や政治勢力がいないのも厳然たる事実で、既存野党の弱さに付き合って幻滅していたのでは展望が見えない状態は引き続き変わりがない。閉塞した政治状況を打開するためには、既存の与野党の面子のなかから「誰がマシか」を争うような小手先の選択ではどうにもならない。街頭から本気で有権者とつながり、その思いを代表して政治を実行していく政治集団が登場し、下から日本社会をよりよくするための力を束ねていくことが求められ、その兆しが見えた重要な選挙となった。








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