化学系エンジニアの独り言

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パイプラインとタンクが溢れそうなのでシェールオイルの生産を減らします

2020-04-01 | 石油
原油の過剰感についていろいろな分析が行われているようです。
ざっくりと1,000万BDというコメントが多いように思います。つまり足元の原油生産量から1,000万BD減産することになるわけですが、どこが、どの国が減産するのか。サウジ、ロシア、米国間での調整の話し合いがもたれているようです。

昨日のWTIは20.73ドルでした。原油の生産過剰による影響が様々な形で出てきています。
TC Energy社はカナダ・アルバータ州政府が11億ドルの資本を投資すれば、キーストーンXLパイプラインプロジェクトが前進するだろうと。
Valeroはルイジアナ州のSt.Charles製油所並びにテキサス州のPort Arthur製油所の稼働を下げる。
テキサスの複数の石油生産会社はテキサス州当局に対して生産制限が必要として緊急の会合を依頼。
トランプ大統領はプーチン大統領と会談し、両国のエネルギー責任者が下落している石油市場について話し合うことを合意。サウジとロシアに協調減産に戻るように働きかけ。
テキサスのパイプライン会社は、パイプライン、在庫タンクと製油所の能力が限界にきており、原油生産の削減をシェール会社に要望。生産の削減はすぐに始まるとの観測がある。

シェールオイルの減産は、随伴する天然ガスの生産量減少をもたらすが、これにより天然ガスの需給は締まり、天然ガス価格は2021年に現状の二倍になるというアナリストの予想もある。

この原油安のどさくさに紛れてかどうか分かりませんが、トランプ政権はオバマ政権時に決めた自動車の燃費基準55マイル/ガロンを40マイル/ガロンに引き下げると発表しています。これにより自動車の累積CO2排出量は10億トン増えるという事です。

今はとにかくCoronaと言っておけば、反対意見は抑え込めるという風潮でしょうか。
もちろんCoronaは一刻も早く収束してほしいのですが、どうやら専門家の意見に従えば、マラソンになると。少なくとも2-3か月は今の状況が続くと思った方が良さそうです。