化学系エンジニアの独り言

時の話題や記事の備忘録

大油井の発見

2009-09-12 | 石油
次期鳩山新首相は2020年までに25%のCO2削減目標を掲げたという。しかも、基準年は京都議定書と同じ1990年だという。ということは今のレベルから言うと35%程度の削減になるのではないでしょうか!理想は結構だけれども、それをどうやって実施していくのか、なかなかに難しいではないでしょうか。

CO2削減という言葉の響きとは逆の話しですが、BPがガルフで大油井を発見したというニュースです。これから探索をまだ続けないと正確な規模は分からないのだそうですが、およそ30億バレルくらいはあるだろうとの予想です。日本の原油消費は400万BDくらいですから、単純に日本の石油消費量の2年分以上がある勘定です。

しかしながらTiber wellと呼ばれるこの油井から原油が生産されるのはだいぶ先の話のようです。何でも場所はヒューストンから沖合い250マイルで、深さはエベレストよりも深いのだそうで、相当の圧力と温度に耐える生産設備を作る必要があります。しかも、カトリーナの記憶も新しいですが、ハリケーン地帯ですから気候環境への対応も大きなハードルの一つです。

BPはこの近くに2006年に発見したKaskidaという油井もあるそうで、生産設備はこれら二つの油井で共有できる部分もあり、そのことはコスト的に有利ではありますが、ざっと70ドルくらいの原油価格で無いと引き合わないとの資産が示されています。

BPはガルフ地区で1999年にThunder horseという油井を建設し、30万BDの生産を始めているのだそうですが、装置や設備のトラブルツヅキで実際にはまだ商業生産ができていないとも言います。10年たってもまだ生産開始できないのですから、よっぽど難しいことなのでしょうね。

このTimber wellの開発はBP一社でやっているのではなく、ペトロブラスやコノコフィリップスとの共同開発だそうです。
枯渇することが分かっている石油に依存するのは良くない、という意見はもっともですが、すぐに石油に代わるエネルギー源は無いのですから、開発は今後とも進めていかなければならないし、その有効利用を進めていかねばなりません。