みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

略してみちゃばこ。泣いたり笑ったり

マンゴーヨーグルト

2005年11月25日 19時54分23秒 | デイリーお気楽グルメ
空港で食べたマンゴーヨーグルトです。ゼリー状になったマンゴーの透明感とガラスの器がぴったりと調和して、凛とした上品な姿をしています。

マンゴーソースとヨーグルトの酸味がさっぱりとしています。ざくざくっと大きく刻まれたマンゴーの実がゴロゴロ盛られていて、食べ応え十分。ミントをかじると口の中がリセットされて、またマンゴーの風味を楽しめます。

ヨーグルトにマーマレードをかけるよりずっと甘さ控えめ。大人のデザートかな。

朝焼けの尾翼

2005年11月24日 22時07分56秒 | 光と空間
航空会社のカウンターで航空券をキャンセルした後、デッキに上がりました。

夜明けを迎えたばかりの風がひんやりと頬に触れます。その風に乗った霞が薄ぼんやりと、寝ぼけまなこで起きてきた子供のように駐機場を覆っています。ようやく目を覚まそうとする人間世界に朝焼けの空気がたなびき始め、人肌のように柔らかくタイ航空の機体を包み込んでいます。

あの飛行機はタイに飛ぶんだなぁ。

フライトをキャンセルした直後です。まだ離陸までに1時間半あります。

SRSをキャンセルしなかったら、私は出国ゲートをくぐっていたはず。今頃はビジネスクラス利用者用のラウンジに腰を下ろし、搭乗開始までの長い時間を持て余してノートパソコンを開き、心境をつづっていたはず。そして、そのつづった記事を、タイに着いたら真っ先にブログに投稿しようとしていたはず。

SRSをキャンセル

2005年11月23日 23時27分05秒 | 性同一性障害 (GID)
昨日のことです。まだ夜も明けていない真っ暗な空の下、改めて両親と話しました。両親も不安を抱えているようです。

SRS*を考えてから約2年が経っています。

*SRSって何?
性同一性障害 (GID) の最終的な治療手段。Sex Reassignment Surgeryの略。逐語訳すると、Sex (性別) Reassignment (割り当てなおし) Surgery (手術) という意味。GRS (Gender Reassignment Surgery) という用語が使用される場合もあります。いずれも、身体に本来の性別を割り当てるという意味です。俗に性転換と呼ばれます。


昨日は、いよいよそのSRSを受けるためにタイへ飛ぼうという日でした。

現在、日本では性同一性障害 (GID) の治療に3つの段階が設けられています。第1段階は精神科でのカウンセリング。性ホルモンの投与が必要と第1段階で認められれば、第2段階のホルモン療法に進み、体の性とは反対の性のホルモンが投与されます。その後、SRSも必要と認められれば、第3段階のSRSに移ります。ホルモン療法を開始するときとSRSを受けるときには、そのような治療が必要であることを記した医師の意見書が必要です。

ホルモン療法とSRSには、治療過程に決定的な違いがあります。ホルモン療法は病院で薬を処方してもらったり注射を受けたりするだけなので、意見書さえ出ていれば、決心が固まったときに病院に行ってすぐにホルモン剤の投与を受けることができます。

これに対して、SRSは、意見書が出てから実際の施術までに長い時間がかかります。SRSを受けるには、SRSを実施している病院にその意見書を提出して受理されなければなりません。現在、SRS希望者に対して医師の数が絶対的に不足しており、意見書が受理された後、大勢のSRS待ち患者リストの最後に名前を連ねて待機しなければいけません。

実際の手続きはSRSを考えた当初の状況や気持ちに基づいて進んでいきますが、その進行に数ヶ月、数年とかかるので、次第に周囲の状況が変化していきます。知らないうちに、SRSの手続きと周囲の状況が大きく乖離してしまうことがあります。

転機は、高松で開かれた香川レインボー映画祭でした。映画祭の後、交流会でゲイの人と出会いました。ゲイの人と会うのは初めてです。その人の恋愛対象は男性でした。女性として生きようとしたこともありましたが、どうやら女性でもない。曲折を経て自分らしさを見つけたと言っていました。自分が男性を好きになる男性だと。

世の中、いろいろな人がいるものです。

最近は、私もそれに近い心境になっています。

自分は男性でないことは確かだけど、女性でもないのではないか。女性として生きていきたいけど、完全な女性じゃない。かといって男性として生きていくなんてできない。

やっぱりMTF**なんです。
**MTFって何?
Male To Femaleの略。もともと男性 (male) として生まれ、女性 (female) になったという意味です。


MTFの私がSRSを受けても、完全な女性になるわけではありません。出来上がるのは偽物の性器です。

結局、自分がMTFである事実とは死ぬまで隣り合わせのままです。自分と密接にかかわる人には、遅かれ早かれ元の性別について話さなければならないでしょう。彼氏ができたとしても自分がMTFであることを隠し通せるものでもないでしょうし、隠そうとしてもある程度の付き合いがあれば何か変だと思うこともあるでしょう。

私は最後の最後までMTFなんです。

確かに、男性として生まれてきた今の体のままだと、お風呂やトイレに入るたびに自分が男性の体をしている現実を突きつけられます。

しかし、SRSを受けても、必ずしもバラ色の世界が広がるわけではありません。SRSで作られる性器は人工のものです。後から障害が発生する可能性は決して少なくありません。SRSには既に数十年の歴史があり、医学的に十分配慮して新しい性器を作りますが、やはり障害が起こるリスクはつきまといます。何万年、何億年とかけて進化してきた自然の体が一番リスクが低いはずです。

今の生活は安定してるんです。

社会との接点を最小限に抑えているので、社会と摩擦が起きることはほとんどありません。

普通に女性として街を歩けます。

公的証明書に記載された名前や性別と女性的な外見が矛盾してるので、銀行などの窓口に行くと「ご本人様ですか」と聞かれることも多いのですが、そんなときも深刻にならずに明るくやり過ごすことができます。
「ご本人様ですか」
「ご本人様ですよ~」
「失礼いたしました。(もともと男性ということに) 全然気がつきませんでした」
「気がつかなくていいよ~。普通は分かんないから」
「申し訳ございませんでした」
「全然申し訳なくないよ~。そのまま誤解して (女性だと思って) てね。あははっ」

そんな恵まれた環境にいながら、あえてリスクを冒す必要があるのか。

これから世の中も変わって周囲の理解も進むかもしれません。戸籍を変更しないまま、堂々とMTFとして生きていく道も開けるかもしれません。

こんなことを両親と話しました。

私は毎日、自分が男性の体をしていることを気にしていますが、それは意外と小さなことかもしれません。少しの我慢と妥協で克服できるなら、大きなリスクを冒す必要もありません。社会と真正面からぶつからずに、抜け道をすり抜けていくように生きていく方法もあります。

そうしているうちにMTFとしての自分を受け入れてくれる人に会えたら、また人生も変わっていくでしょう。今の自分を否定して別の理想像を描いている限り、虚構で塗り固めた窮屈な空間に自分を閉じ込めることになります。

自分の居場所があればいいのです。

幸せでいられればいいのです。

幸せになるためにSRSはどうしても必要なのか?

ここでSRSをキャンセルしてしまえば、もうSanguan医師にSRSを頼めないかもしれません。長い道のりを経てようやくここまで来たものを放棄することにもなります。

それでも、今急いでSRSを受けるより、もうしばらく、高松で会ったゲイの人のように自然に生きていける道を探してみるのも悪くありません。

SRSをキャンセルすることに決めました。

カウンターで航空券をキャンセルして荷物をコインロッカーに預け、楽しみを探して空港の中を歩き回ります。



関連記事:
2005年8月5日の記事: SRS意見書を提出
2005年11月22日の記事: タイに飛びます

タイに飛びます

2005年11月22日 05時38分19秒 | 性同一性障害 (GID)
鳴門・高松旅行記が最終回を迎えた直後で突然ですが、SRSを受けてきます (のんびりした旅行記の後に突然ディープな話題が出てきてごめんなさい)。

しばらく性同一性障害 (GID) の話をしていませんでしたが、SRS意見書が出来上がった後、その意見書がPhuket International Hospital に受理され、SRSを受けることが正式に決まりました。既にSRSが目前に迫っています。

※ SRSって何?
性同一性障害 (GID) の最終的な治療手段です。SRSはSex Reassignment Surgeryの略です。逐語訳すると、Sex (性別) Reassignment (割り当てなおし) Surgery (手術) という意味です。GRS (Gender Reassignment Surgery) という用語が使用される場合もあり、Phuket Plastic Surgery CenterではGRSと呼んでいます。いずれも、身体に本来の性別を割り当てるという意味です。俗に性転換と呼ばれます。


パスポートを取って、航空券と前泊ホテルを手配して、荷物をまとめて、あれとこれと……バタバタしているうちに時間が過ぎていきました。

最悪の事態に備えて、出発前に親に生命保険証書を渡しておきました。使わずに済むことを祈ります。

これから、SRSを受けにタイに飛びます。ノートパソコンも持ち込んで、ブログも更新していく予定です。病室からは美しい景色を見渡せるということなので、写真を撮る楽しみもありそうです。実際にSRSを受けるのはタイに入国してから数日後なので、それまではプーケット滞在記になるのかな。とりあえず、タイに着いたらインターネットに接続できるようにしましょう。

経験豊富で信頼できる医師としてタイのSanguan医師にお願いすることにしました。SRSは既に医学的に確立された手術ですが、初めての外科手術ということもあり、不安が胸の中を渦巻いています。

術後しばらくは集中治療室 (ICU) にいますが、集中治療室を出て落ち着いたら第一報を出すつもりです。

さあ、どうなるんだろ? ちょっとドキドキ。

(11月22日追記) SRSはキャンセルしました。どうしてかって? いろいろあったの。また後でね。



関連記事:
2005年8月5日の記事: SRS意見書を提出 (SRS関係のリンクもあります。)
2005年11月23日の記事: SRSをキャンセル

鳴門お土産レポート (めかぶ)

2005年11月21日 15時42分35秒 | デイリーお気楽グルメ
家に帰ってからのお楽しみ、それはお土産を味わうこと。

tabi0061.jpg: 鳴門わかめ

鳴門では鳴門わかめを買ってきました。

右側に写ってる乾燥わかめは、出来上がったスープに入れるだけでふやけて食べれるようになります。簡単ね。

tabi0165.jpg: めかぶ入りスープ tabi0167.jpg: めかぶ入りスープ

めかぶのコリコリした歯ごたえがたまりません。日替わりで具を変えて楽しみます。

tabi0064.jpg: すだち生酢とぽん酢のセット

鳴門では、すだち生酢*も買ってきました。
* 生酢は「きず」と読みます。何も混ぜ物を加えていない酢のことです。

tabi0166.jpg: すだち酢とめかぶ

めかぶを水で戻して、すだち生酢をかけて頂いたりもしました。

tabi0168.jpg: わかめご飯

わかめふりかけは、ご飯に混ぜ込んでわかめご飯にしました。甘くておいしい。これだけでご飯を何杯でも食べれちゃいます。

tabi0169.jpg: 鳴門金時芋ご飯と鳴門わかめを入れた鍋

さらにさらに、鳴門金時の芋ご飯と、めかぶを入れた鍋のコラボレーション! ヾ(≧∇≦)〃 この一人鍋は、すだち生酢でいただきます。鳴門金時、鳴門わかめ、すだちと徳島尽くしの食卓になりました。

鳴門金時の芋ご飯は芋が甘くてホクホクしています。今まで鳴門金時というブランドにこだわって買い物をしたことはなく、あまり芋ご飯も好きではなかったのですが、今回の鳴門旅行で芋ご飯も大好きになりました。

そう言えば、「世界ウルルン滞在記」というTV番組で、芋を主食としているインドネシアのラニ族に鳴門金時を持っていった回がありましたっけ。その後、鳴門金時の栽培農家がインドネシアに栽培指導にも行っています。鳴門金時の栽培指導は地元の新聞でも報じられたみたいです。芋が結ぶ草の根の交流、何だか温かい。



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