夜間に見える最も明るい恒星をご存知でしょうか?
それはおおいぬ座のシリウスという星です。
この季節には20時過ぎには南東の空に昇ってきます。
2番目に明るい星はカノープスという星です。
その星は、和名では聞きなれない「りゅうこつ座」という星座にありますが、
その星座の学名である「カリーナ」はトヨタ車の名前にも採用されたので、
クルマ好きの方々にも馴染みのある響きではないでしょうか。
さて、そのカノープスという星ですが、シリウスのずーっと南に位置していまして、
本州からは超低空にしか見えません。東京では最大の地平高度が2度足らずです。
今の時期ですと、深夜0時過ぎに真南にやってきます。
それを自宅ベランダから狙ってみました(↓)。
キヤノンEOS Kiss Digital X + 28-75mmズームレンズ(48mmに設定)使用
ISO200 F4.0 露出5秒 三脚使用
中央下端の建物の少し上にポチっと写っているのがカノープスです。
明るさはマイナス0.6等と非常に明るい星なのですが、低空ですと大気による減光が
大きいので、3等星ぐらいにしか見えません。滅多に見えないことから、中国では
これを1度見ると10年長生きできるとの言い伝えがあるそうです。
「長寿星」とか「南極老人星」という別名もあり、千葉県房総地方などでは
「布良星(めらぼし)」と呼んだりすることがあるとのこと。
しかしまぁ、上のような写真ではあまりにも寂しいですよね。
そこで、長時間に渡って連続撮影し、例によって比較明合成してみた写真がこちら(↓)。
キヤノンEOS Kiss Digital X + 28-75mmズームレンズ(48mmに設定)使用
ISO200 F4.0 総露出時間93分20秒(5秒×1120コマ比較明合成) 三脚使用
※画像をクリックすると、大きい画像が別ウィンドウで開きます。
100分以上に渡る日周運動の光跡は力強く、本当は明るいんだぜと主張しているようです。