土曜日の未明に自宅ベランダにてこんな写真が撮れました(↓)。
キヤノンEOS Kiss Digital X + 28-75mmズームレンズ(48mmに設定)使用
ISO100 F4.0 総露出時間2分(30秒×4コマ比較明合成) 三脚使用
横線状に写っているのは普通の星ですが、それとは異質な2つの光跡が確認できます。
流れ星が2つ写ってるようにも見えますが、実は両方とも人工衛星なんです。
上の暗い方は「イリジウム96」、下の明るい方は「イリジウム58」という通信衛星です。
イリジウム衛星は衛星電話サービスに使われる商業用衛星で、大きな鏡のようなアンテナを
搭載していて、明け方や夕方に太陽の光を反射して地上のごく一部を照らすことがあります。
それが地上からはゆっくりと飛行しながら徐々に明るくなって、また消えていくように
見えたりして、時々UFO騒ぎになることもあります。この現象を「イリジウムフレア」と
呼んでます。
で、アンテナによる太陽の反射光が自分のいる所を直撃すると、最大でマイナス9等級と
非常に明るく観測されるのです。明けの明星や宵の明星として知られる金星の最大光度が
マイナス4.6等級、三日月でもマイナス7等級ぐらいですから、それよりも明るくなるという
なんともお騒がせ系の人工衛星です。
さて、今回写真でとらえたイリジウムフレアの最大光度はマイナス6等級でした。
肉眼で見えていたのは10秒間ぐらいだったでしょうか。突然空の一角から光が差してくる
のですから、知らない人が見たらさぞかし驚くことでしょうね。
ちなみにイリジウム衛星は60基以上あるそうで、それらの軌道や姿勢がしっかり分かって
いるため、いつどこでイリジウムフレアが観測できるかを計算することができたりします。
観測地の緯度・経度などを入力すれば、いつ頃どの方角でどの高度にどのくらいの明るさで
イリジウムフレアが見えるのか予報を出してくれるウェブサイトがありまして、
その結果を元に計画的に撮影したのが上の写真という訳です。
興味のある方は「イリジウムフレア 予報」のキーワードでネット検索すると、関連サイト
が見つかりますので、予報を元にこの人工衛星をご覧になってみてはいかがでしょうか。
コメント
あなたのブログにコメント投稿されたものです。
- キラリ [2009年12月20日 17:07]
- イリジウムフレアという現象があるのですね。
肉眼でも見えるなら見てみたいです。
イリジウムフレアを知らなかったら私はきっと流れ星と思っています!明るい所に住んでいるのでなかなか日頃は綺麗な星を見る事ができません。 - fornax8 [2009年12月20日 17:53]
- キラリさん、こちらにもコメントをいただきまして恐縮です。
イリジウムフレアは流星と比べて動きがはるかにゆっくりしている上に明るいので、
空の明るい都会でも余裕で見えると思います。
予報サイトで調べておけば、見える時間・方角・高度・明るさがわかりますしね。
マイナス4等級を超えるようなものを見るとびっくりすると思いますよ。