Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 土星が観測好期

北アメリカ星雲&ペリカン星雲

2020-06-28 21:41:26 | 遠征日誌

金曜日の晩の☆撮り釣果の続きです。
銀河系中心方向にあたるいて座付近の天の川に散らばる星雲をもっと撮りたかったんですが、その南天方向は
雲の邪魔が入ってしまいました。一方、天頂近くに昇ってきていたはくちょう座付近はまだ晴れ間があって、
その一角にあるこの天体を次に狙ったのでした。


【北アメリカ星雲NGC7000&ペリカン星雲IC5067-70】
 キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,ASTRO LPR Type2フィルター使用,
 総露出時間24分(3分×8コマ,加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,若干トリミングあり,山梨県北東部某所にて

中央から左方向に大きく広がる星雲が北アメリカ星雲、右寄りの青い星2つの間にあるのがペリカン星雲です。
どちらもその形からイメージされるものが名称の由来になってますが、なかなかユニークな姿です。
撮影中に薄雲が流れてきたらしく、輝星が滲んでしまいましたが、逆にカラフルな印象になってくれた感じ。
でも星雲自体はちょっと不満が残る写りでした。
で、写野のシミュレーションはこんな感じ。


AstroArts社ステラナビゲータによるシミュレーション

これらの星雲は、はくちょう座の1等星デネブのすぐ東に位置してます。とても淡い上にヒトの目では感じ難い
波長の光で輝いているため、双眼鏡や望遠鏡を使っても眼視で楽しめるものではないのが残念です。
さて、これを撮影した後は雲が徐々に広がってしまい、この夜に撮影できたのは結局2対象だけ。
まぁ梅雨なんで仕方ないか。


三裂星雲&猫の手星雲~干潟星雲

2020-06-27 22:36:24 | 遠征日誌

金曜日の晩、埼玉-山梨-長野の県境あたりで晴れ間が期待できそうだったんで、いそいそと☆撮りに出撃。
思ったより雲が多かったものの、月が沈んでからは晴天域が広がってくれました。
で、まずはいて座の濃密な天の川の一角に並ぶこの星雲群を撮影。


【三裂星雲M20&猫の手星雲~干潟星雲M8】
 キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,ASTRO LPR Type2フィルター使用,
 総露出時間15分(3分×5コマ,加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,若干トリミングあり,山梨県北東部某所にて

右上で青と赤の星雲が寄り添って写っているのが三裂星雲M20、その下の明るくて大きな星雲が干潟星雲M8、
干潟星雲から東(左)に広がった淡い星雲の先にある丸い星雲が並んだところが猫の手星雲です。
途中から薄雲に阻まれ、まともな画像は5ショットしか撮れず、コマ数不足でクオリティがイマイチです。
ちなみに、写野のシミュレーションはこんな感じ。


AstroArts社ステラナビゲータによるシミュレーション

M20とM8は明るいので、小型双眼鏡でも確認可能です。でも、色までは感じ取れないのが残念です。
今回も3密回避を考え、夜間は人が来そうにない場所を選択。久々に濃い天の川を拝んで癒されました。


部分日食(2020/06/21) 第三報

2020-06-24 00:07:01 | 天文現象

まだ部分日食ネタで引っ張るんかーいって声も上がりそうなんで、これが最後です。
今回の撮影はカメラ2台体制で臨んでいて、前記事のとおり1台は400mm望遠レンズ装着でクローズアップを
もう1台は広角ズームレンズを装着し、こんな連続写真を撮っていたのでした。


【インターバル撮影による部分日食】
 EOS60Da+タムロンSPAF17-50mmF2.8XRDiⅡLDアスフェリカル(@32mm)+ND10000+ND8フィルター,
 ISO100,露出1/1000秒,F8,三脚使用,16:45から5分間隔で撮影した19画像を比較明合成+背景画像合成

三脚にカメラを固定し、地球の自転により日周運動で動いていく太陽をインターバル撮影して得た全画像を
フォトレタッチソフトで比較明合成し、さらに日没直後にNDフィルターを外して撮影した背景画像を
ブレンド合成してます。
多重露出が可能なカメラなら、面倒な後処理などせずに同じような画像が得られるんでしょう。

さて、画像をご覧になって気付かれると思いますが、撮影が中途半端な食分のところから始まってます。
実は機材の不調による失敗作なのでした。それが分かる画像も恥ずかしながら掲載しておきます。

インターバル撮影はタイマーリモコンを使って放置状態だったんですが、何故か途中で機能しなくなり、
間が空いてしまったのでした。でも勿体ないので右下部分を泣く泣く切り出したというわけです。
構図はほぼ思惑通りだっただけに悔やまれるなぁ。


太陽探査機がネオワイズ彗星を捉えた

2020-06-23 07:53:32 | ほうき星

米国NASAと欧州ESAが1995年に共同開発した太陽探査機SOHOが搭載している広角分光コロナグラフLASCO C3が
ネオワイズ彗星を写野に捉え始めました(下記リンク先を参照)。

SOHO LASCO C3 Latest Image

右下方で縦方向に伸びて写ってるのが彗星です。思ってたより小さい感じがしますが、何等級くらいかな?
太陽に極めて接近するような軌道を持つ彗星ではないので、写野の中央までやって来ることはなく、
隅っこを移動していく様子が28日あたりまで見られそうです。
その後、7/3に近日点通過(太陽最接近)を迎え、それ以降は太陽から離れていき、いよいよ地上からの観測が
可能になってきます。7月上旬から中旬にかけて、どんな姿を見せてくれるのか楽しみです。

 

【追記】

SOHOのコロナグラフ画像から作られた動画を見つけました。


部分日食(2020/06/21) 第二報

2020-06-22 21:40:12 | 遠征日誌

昨日は最大食分の画像のみを紹介しましたが、3分間隔で撮り続けた一連の画像から9点ピックアップして
食の進行状況が分かるようにまとめてみました。


【部分日食の経過】
 EOS Ra+EF400mm F5.6L USM+ND100000太陽撮影用フィルター,ISO100,露出1/1000秒,F10,赤道儀使用
 [撮影時刻]
 上段左から16:11 16:26 16:41
 中段左から16:56 17:08 17:20
 下段左から17:32 17:44 17:56

今回の部分日食は見逃したくない現象でした。何せ国内で次に好条件で見られる日食は10年後ですからね。
天気予報によると関東はどうやら期待薄ということで、晴れそうな越後の米どころまで出掛けたのでした。
一応、他県への移動制限は解除されたとは言え、感染拡大に用心しなければいけない状況に変わりはなく、
ヒト・モノへの接触は最小限に止めるよう努めることを前提にした遠征です。
関越道を使いましたが、トイレ休憩はなるべく人っ気のないPAで往路・復路とも1回限りの利用としました。
で、関越トンネルを抜けた先に待っていたのはこの青空。

 

観測地も人が集まらないであろう場所を選択。こんな列車が通るのを仰ぎ見る所でした。

地元の方がクルマやバイクで傍を通り過ぎることはありましたが、近くに来るような人はおらず、
近寄ってくるのは働き者のアリさん達だけ。レンズの前面まで機材をよじ登ってくる奴もいて迷惑でした。
(日食ネタはまだ続くかも・・・)


木星(2020/06/17)

2020-06-17 22:41:39 | 惑星

快晴だった昨夜に撮影した木星です。


【木星 2020.6.17 1時台前半】
 タカハシμ-180望遠鏡+2.5倍バローレンズ+ADC+冷却CMOSカメラ(ZWO ASI1600MC-cool),合成F値=30,
 タカハシEM-200Temma2M赤道儀,約1分20秒間のキャプチャー動画から約3500コマをAS!2にてスタック,
 Registax6でwavelet処理

大赤斑が左端に辛うじて見えている時間帯の撮影となりました。8日前と同様に気流は安定していた上に、
透明度が高かったんでフレームレートを上げて動画取得しました。その結果、スタック数を稼ぐことができ、
前回よりノイズが抑えられた印象です。ちなみに、こちらのサイトにある高層の風速マップはこんな状況。

ジェット気流の吹いているエリアが僅かに南に移動していたのが良かったんでしょうかねぇ。

さて、木星が東の空に見え始める時間は21時頃で、正中(真南に位置する)時間は1時台と早くなってきました。
太陽と正反対の位置に来る「衝(しょう)」の日まで1か月を切り、いよいよ観測シーズン本番って感じです。
関東は梅雨の真っ只中というのが残念ですが、晴れれば意外と好条件に恵まれるので、チャンスを逃さずに
撮っていくつもりでいます。