そんな紹介文が合いそうな天体がこちら(↓)
【M45】
ニコンD80 + 口径18cm写真撮影用反射望遠鏡
ISO800 F2.8 総露出時間70分(2分×5+12分×5コマ加算合成)
[山梨県みずがき山自然公園にて2006年11月撮影]
通称プレアデス星団。和名は「すばる」で、六連星(むつらぼし)という別名もあります。
清少納言の『枕草子』の中に「星はすばる。・・・」という一節が出てくるぐらいですから、
「すばる」は大昔から使われてきた日本語なんです。漢字では「昴」と書きます。
クルマ好きの皆さんには富士重工のブランド名として馴染み深い響きかと思いますが、
カタカナで表記されているせいか「スバル」が由緒正しい日本語であることを知らない人も
多いことでしょうね。なお、スバルブランドのマークはこの星団をイメージしたものですが、
実際の星の並びとは少し異なっているようです。ちなみに、同社製で「アルシオーネ」と
いう車がありましたが、あれはプレアデス星団中で最も明るい星の名前にちなんで付けられた
ものです。その他にも星団中の星の名前(エレクトラ,マイア,ケレーノなど)を採用した製品が
同社から出ています。今月始めに近々発売するとアナウンスされた、知る人ぞ知るスバル
ブランドの天体望遠鏡には星団中で5番目に明るい星「メローペ」の名前が付けられてます。
さて、この天体は今の時期ですと21時過ぎに天頂付近まで昇りつめます。
肉眼でも容易に見えることで有名な星団で、普通の視力の人で5~7個の星が確認できます。
優れた目の持ち主になると10個以上見えるそうなので、視力に自信のある方は裸眼で
いくつ数えられるか試してみるのも面白いかと思います。
肉眼で見えるとは言え、この天体の美しさを堪能するなら、双眼鏡を使って見るのが一番です。
倍率は10倍以下のもので十分。条件が良ければ20個以上の星が群れている姿を楽しめます。
長時間露出による写真では、上の作例の通り星の周りに何やら霞のようなものがかかった
姿でとらえられます。これはこの星団が銀河系内を移動している途中でたまたま遭遇した
濃い星間物質のガス雲を明るく照らし出しているものと考えられています。
残念ながら望遠鏡を使っても眼視では写真のようなイメージには見えませんが、青き衣を
まとった姿を想像しながら約400光年の彼方にある若い星団を眺めてみてはいかがでしょうか。