Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 9/5夕 西の低空で月と金星が大接近

この彗星は崩壊したかも?

2018-07-31 12:35:00 | ほうき星

明るくなる可能性を秘めたパンスターズ彗星(C/2017 S3)を日曜日の明け方に再び狙ってみました↓
2017s3_03.jpg

【パンスターズ彗星 C/2017 S3】
 キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,F2.8,ISO400,
 総露出時間14分(30秒×28コマ,彗星の動きに合わせて加算合成),
 中型赤道儀使用,トリミングあり

彗星は低空に位置している上に月が明るくて長時間露光ができなかったため写りが良くないですけど、
それを考慮しても何か寂しい姿です。この日の予報光度は7等台でしたが、実際はもっと暗い感じで、
15日の明け方に撮影した際と比べると頭部の輝きを著しく失ってしまったような印象です。
海外からの情報でも急速に減光中との話が出ていて、彗星本体が崩壊した可能性も示唆されてます。
どうやら息切れというより、もう息絶え絶えの状況で、期待外れに終わりそうな雰囲気。
久々の肉眼彗星登場かと思ってたんですけどねぇ。残念だなぁ。


今夕の富士山(2018/07/29)

2018-07-29 19:20:00 | 富士山

夕刻になって雲が無くなり、シルエットが見えました↓

今夕の富士山_20180729.jpg
異常な進路の台風12号は各地に爪痕を残したようで、被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。
今日の日中、関東は台風一過の好天とはならず、不安定な空模様でした。
明後日から猛暑が戻るとの予報があって、天気が良くても悪くても振り回されっ放しって感じです。


次の皆既月食はいつ?

2018-07-28 12:10:00 | 天文現象

今日の明け方に皆既月食があったのですが、台風の影響で曇り空となった東京では見られずじまい。
観測できたのは四国・九州・沖縄方面ぐらいだったようです。
で、次に日本で条件良く見られる皆既月食を調べたら2021年5月26日と、かなり先のことらしい。
その皆既中の月をAstroArts社のステラナビゲータでシミュレーションするとこんな感じ↓

月食_2021-05-26.jpg
月は既に欠けた状態で地平から昇ってきて、20時台に最大食分を迎えるようです。
平日ですが観測しやすい時間帯なんで、今朝の月食と比べればはるかに好条件です。
その時の月はさそり座にあり、空の暗い所ではその東に横たわる夏の天の川が一緒に見られそうです。
天の川と月の共演が撮れたら面白い写真になるでしょうね。


7/23夜の火星

2018-07-25 12:00:00 | 惑星

月曜日の晩、久々に火星を撮影しました↓
火星_20180723_22_51_10.jpg

【火星 2018/07/23夜】
 口径18cm望遠鏡+2.5倍バローレンズ+ADC+冷却CMOSカメラ(ZWO ASI1600MC-cool),
 合成F値=30,約2分間のキャプチャー動画から約4070コマの良像スタック×8コンポジット

地球最接近の約1週間前ということで、視直径は月初めに比べて一段と大きくなってます。
問題の砂嵐は少しずつ弱まってきているようですが、眼視だと模様が依然として見辛いです。
火星で最も濃い暗色模様である大シルチスが左下に捉えられてますが、本来の写りではないです。
まぁ、ひと頃より確認しやすくはなってきているでしょうか。1週間後はどうなってますかねぇ。

さて、この夜の風の状況はwindy.comによると次のようでした。
--------------------------------------------------------------------------------
13.5km:NW10.7m/s    5500m:N    8.6m/s    900m:NW 5.9m/s
11.7km:W  15.8m/s    4200m:N    9.2m/s    750m:NW 5.7m/s
   10km:NW12.5m/s    3000m:NW 7.2m/s    600m:N    4.8m/s
 9000m:NW11.6m/s    2000m:NW 7.2m/s    100m:N    4.8m/s
 7000m:NW  9.4m/s    1500m:NW 2.0m/s      地表:NW 2.2m/s
--------------------------------------------------------------------------------
概ね弱い感じですけど、実際には像が結構あばれてました。


今朝の富士山(2018/07/23)

2018-07-23 12:00:00 | 富士山

10日ぶりに撮影できました↓

今朝の富士山_20180723.jpg
今日は二十四節気の大暑。富士山の残雪はさすがに見えなくなりました。
東京都心では予想最高気温が37℃ということで、暦どおり今季ここまでで最高となりそう。
ちなみに、ウチから最寄りの八王子アメダスでは既に昨日37℃超えを記録してました。
今日も35℃以上になるのは確実で、7日連続の猛暑日が必至な状況。万全な熱中症対策が必要です。


7月の3連休は☆撮り日和(3)

2018-07-21 17:30:00 | 遠征日誌

実は日曜日の夜も☆撮りに出掛けたのでした。遠征先は2月以来となる伊豆稲取です。
21時頃に現地到着。天気は若干薄雲が広がっていたものの、天の川がしっかり見えていました。
珍しくクルマが数台ほど駐車しており、どうやらすぐ近くのキャンプ場のお客様が来ていた模様。
家族連れの方々もいらっしゃって、ちょっと賑やかな状況を横目に撮影準備を進めます。
この夜も明け方の彗星狙いをメインに考えてましたが、まだ日付が変わる前で早過ぎるため、
とりあえず綺麗に見えている天の川をカメラレンズで撮ってみることに。
で、手始めに撮った夏の天の川がこちら↓
夏の大三角~いて座北部.jpg
【夏の大三角~いて座付近の銀河】
 総露出時間50分(5分×10コマ加算合成)

20コマ以上撮ったのですが、途中で薄雲・飛行機・クルマのライトの邪魔が入ってしまって、
使えたコマは半分以下でした。銀塩フィルム撮影時代に入手したフルサイズ用の対角線魚眼レンズを
使ってみましたが、オールドレンズの割になかなかの写りでした。ただAPS-Cサイズセンサー搭載の
デジイチでは画角が狭まって、超広角レンズ並みの写野に成り下がってます。
次に天の川を北に遡って秋の星座であるカシオペヤ座まで収めたのがこちら↓
カシオペヤ座~夏の大三角.jpg
【秋の銀河~夏の大三角】
 総露出時間30分(5分×6コマ加算合成)

最初に撮った写真の左上方から先に続く天の川が写ってます。左下方にはアンドロメダ銀河が細長く
写ってるのも確認できます。この掲載画像では上が北極星の方向になってますので、実際の空とは
180度反転しており、カシオペヤ座は左上の方に写ってるのですが、暗い星まで写り過ぎてしまって
特徴的なW形の星の並びが確認し難いかもしれません。
この撮影の後、架台に望遠鏡を載せ換えて彗星を狙う予定でしたが、薄雲が広がってきてしまい、
残念ながらカメラレンズでのお気楽撮影だけで終了となりました。

共通撮影データは次のとおり。
 キヤノンEOS60Da+対角線魚眼レンズ(焦点距離15mm),F4,ISO800,中型赤道儀使用


7月の3連休は☆撮り日和(2)

2018-07-19 23:15:00 | 遠征日誌

十日町での☆撮り成果の続きです。
2つのマイナー天体を撮り終えたところで、もう日付が変わってました。
以降は大好物のほうき星を狙ったのでした。
まず撮ったのはこの彗星↓
21p_2018-01.jpg
【ジャコビニ・チンナー彗星】
 総露出時間45分(3分×15コマ,彗星の動きに合わせて加算合成),トリミングあり

19世紀末に発見された短周期彗星で、6.6年ほどで楕円軌道を周回しています。
その軌道上に地球の公転軌道とかなり接近する点があり、気まぐれな活動を見せることで知られる
10月りゅう座流星群(旧称ジャコビニ流星群)の母天体であることが判明しています。
今年は地球との位置関係がとても良く、9月頃に小型双眼鏡で見える明るさになると予想されています。
光度は既に9等台に達している模様。写真では中央集光が強く、彗星らしい青緑色のコマが取り巻いた
姿が捉えられました。

次に撮ったのは期待が大きいこの彗星↓
2017s3_02.jpg
【パンスターズ彗星 C/2017 S3】
 総露出時間24分(3分×8,彗星の動きに合わせて加算合成),トリミングあり

この彗星は5月20日未明に撮影しています。その際にはホントに微かにしか写りませんでしたが、
今月に入ってから急速に明るくなり、この撮影時には10等以上の明るさになっていた模様。
右上方には短いながら尾も写っているのが分かります。最新情報では7等級に達しているらしく、
このまま推移すると月末には肉眼光度になるかもしれませんが、彗星本体は小振りと思われ、
太陽に近づく途中で彗星核が崩壊して光度低下に転ずる可能性もゼロではありません。
数年前に期待されていながら消滅してしまったアイソン彗星のようにならなければいいのですが・・・

最後に撮ったのはコレ↓
2018n1_01.jpg
【ネオワイズ彗星 C/2018 N1】
 総露出時間24分(3分×8,彗星の動きに合わせて加算合成),トリミングあり

NASAの赤外線天文衛星NEOWISEが今月2日に発見したばかりの新彗星です。
7/27ごろ地球に最接近し、8/1に地球の公転軌道の外側で太陽最接近を迎えます。
撮影時の予報光度は15等台でしたが、実際にはそれを大きく上回る10等台になっていた模様。
予想外の光度上昇を見せていますが、肉眼で見えるレベルに達することは多分ないでしょう。

共通撮影データは次のとおり。
 キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,F2.8,ISO1600,中型赤道儀使用


7月の3連休は☆撮り日和(1)

2018-07-17 20:15:00 | 遠征日誌

海の日に絡んだ3連休は新月期間と重なり、☆撮り屋としては出掛けずにはいられません。
ということで、金曜日の晩、久々に八ヶ岳高原まで出掛けたのですが、雲が多めだったため、
残念ながら成果無し。翌日は天気予報をよーくチェックし、満を持して新潟方面へ北上。
関越道・水上ICあたりまでは雲だらけでしたが、関越トンネルを抜けると雲はほとんど無く、
目的地の十日町某所に着いたら、天の川が綺麗に見える素晴らしい星空が広がってました。
現地到着後すぐに機材を組み上げ、最初に狙ったのはこの星雲↓

ngc6820_18.jpg
【散光星雲 NGC6820】
 ISO1600,総露出時間50分(5分×10コマ加算合成),若干トリミングあり

こぎつね座にあるマイナーな星雲です。淡いので眼視の対象にはなりません。
この星雲中には"Elephant's trunk"(象の鼻)と呼ばれる細長い暗黒帯があって、
上の写真でも中心から左上寄りに辛うじて確認できます。

次に撮ったのはこの星団↓
m055_18.jpg
【球状星団 M55】
 ISO800,総露出時間30分(3分×10コマ加算合成),トリミングあり

いて座の東外れにある比較的大きな星団です。星の集中度が低く、写真でも疎らな感じに写ります。
こちらは眼視で十分楽しめる天体で、少し大きめの望遠鏡を使って見ると星が綺麗に分解して
なかなか見応えがあります。日本ではあまり高く昇らないのが玉に瑕かな?

共通撮影データは次のとおり。
 キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,F2.8,中型赤道儀使用

これらを撮影した後、いよいよメインターゲットを迎撃したのですが、その話は別記事にまとめます。