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Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
5/23未明~明け方 月と土星が接近

スワン彗星(C/2025 F2)は期待外れに終わるかも?

2025-04-19 09:25:27 | ほうき星

太陽に割と近づく軌道を持った新彗星C/2025 F2 (SWAN)が今月後半から来月
にかけて明るくなると期待されていましたが、光度が低下傾向を示してきたらしく
既に崩壊が始まっているとの噂が出てきています。具体的には、今週後半に6等台
に到達しているはずだった光度が実際には9等台半ば程度と暗く、4/15まで写真で
はっきり捉えられていた長めの尾(イオンテイル)が極端に薄くなってしまったよう
です(下記リンク先の画像参照)。

Comet C/2025 F2 (SWAN) tail faded

個人的に写真でシッポを捉えた先週半ばの時点で金星軌道の内側にまで入り込んで
おり、これからさらに太陽に近づいていってどんどん明るくなると期待していたん
ですけどねぇ。本体が小さくて太陽熱に耐えられなくなってるのかもしれません。

"SWAN"の名を冠した彗星はこれまでにいくつかあって、2020年春に発見されたもの
(C/2020 F8)も双眼鏡で楽に見える明るさになると予想されながら途中で崩壊して
しまって期待外れに終わったことがあります。この名前が付いた彗星はなんかダメ
だなぁーっていうイメージが定着してしまいそうです。


新彗星SWAN25F改めC/2025 F2 (SWAN)のシッポを捉えた(2025/04/09)

2025-04-10 08:50:11 | ほうき星

仮称"SWAN25F"の新彗星は4/8に正式公表され、"C/2025 F2 (SWAN)"の認識符号
と名称が付きました。先日の近場での撮影で得られたイメージがあまりにもショボ
かったので、4/9に空の暗い所で撮り直してきました。その画像がこちら。


【スワン彗星(C/2025 F2) 2025/04/09】
 ZWO ASI585MC+タカハシε-180EDC,STARRY NIGHTフィルター使用,1.6倍クロップ,
 総露出時間12.5分(30秒×25フレーム σクリップ加算平均メトカーフコンポジット),
 タカハシEM-200Temma2M赤道儀,口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,
 若干トリミングあり,静岡県東伊豆町にて

頭部のコマ部分が彗星特有の青緑色を呈しているのがはっきり分かるイメージで、
淡いながらイオンテイル主体と思われる直線状の尾も写ってくれました。ちなみに
画像上で確認できる尾の長さは1度ちょっと(満月の視直径の2倍超)ある感じです。

今のところ順調に明るくなっているらしく、光度は予想より高めの8等台に達して
いるとの報告も出てきてます。このペースだと来週後半に6等台に突入する可能性
もありますが、太陽との離角が小さくなって観測条件は厳しくなると思われます。
月明かりの影響も避けられなくなってくるので、肉眼ではもちろん小型双眼鏡での
眼視観望はちょっと難しいかなぁーって気がします。

機会があればまた狙ってみたいところですが、このところの不安定な天気が続くと
もう2度と撮れずにお別れとなるかもしれません。


新彗星SWAN25F(仮称)を狙ってみた(2025/04/05)

2025-04-06 11:52:56 | ほうき星

太陽観測機SOHOに搭載のSWANという名称の観測装置によるデータから新彗星が
発見されたことを4月4日に知り、翌5日の明け方に近場で撮ってみました。


【SWAN25F(仮称) 2025/04/05】
 ZWO ASI585MC+タカハシFSQ-85EDP,F5.3,Gain252,アイダスHEUIB-Ⅱフィルター,
 総露出時間4分(1分×4フレームσクリップ加算平均コンポジット),
 タカハシEM-200Temma2M赤道儀,口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,
 トリミングあり,東京都青梅市にて

中央に薄緑色でぼんやり写っているのが新彗星です。春霞+超低空+光害の三重苦
により試し撮りで彗星像の確認に手間取ってしまい、薄明開始後に短時間しか撮影
できなかったのでショボイ写りです。信頼スジによると光度は9等台に達している
とのことで、発見直後の新彗星にしては比較的明るいです。既に地球よりも太陽に
近づいているようで、暫定的な軌道要素によると近日点距離(太陽との最接近距離)
は約0.33AU(1AUが太陽-地球間の平均距離である約1.5億kmなので、5千万km程度)と
小さく、今後さらに太陽へ近づいていく見込みです。これからもっと明るくなって
いく可能性を秘めてますが、実体が小さい場合は消滅してしまう可能性もゼロでは
ないと思われます。

国内からは明け方の東北東の空にしばらく見えますが、薄明開始時の高度はあまり
高くなることはなく(概ね10度以下の超低空)、太陽に近づくにつれて観測が難しく
なっていきそうです。参考までに日の出30分前の地平高度の経日変化を彗星の予想
光度と日心距離(太陽-彗星間の実距離)の変化と合わせて下に示してきます。


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成

暫定軌道要素によると近日点通過(太陽最接近)は5月初旬の見込みで、その頃には
夕方の西北西の空に見えることになりそうですが、やはり超低空に位置するので
薄明終了後すぐに沈んでしまい、彗星がかなり明るくなってくれないと観測困難に
なるかもしれません。日没30分後の地平高度の経日変化は次のとおりです。


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成

ちなみに5月2日にはすばる(プレアデス星団)に接近するようで、彗星の尾が伸びて
くれれば望遠レンズでフォトジェニックなシーンを捉えられるかもしれません。


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成(2025/05/02 19:50における見え方)
 ※マゼンタ色の枠はフルサイズセンサー搭載デジイチ+300mm望遠レンズの写野
  彗星の尾はイオンテイル/ダストテイルとも実長を0.05AUとした場合の伸び方
  彗星の下の数値は予想光度を10倍した値です(かなり楽観的な見積りかも?)
  この日時での彗星の高度は約3.7゚で、観測には西の視界が開けた場所が必要

彗星が予想以上に大化けしてくれることを願ってます。


アトラス彗星(C/2024 G3)の本体が木っ端微塵に!?

2025-01-25 16:57:22 | ほうき星

アトラス彗星(C/2024 G3)が南半球で素晴らしい姿を見せていましたが、どうやら
彗星核本体が崩壊してしまい、消滅することになりそうです。下記リンク先にて、
頭部の輝きが失われていく様子が確認できます。

spaceweather.com

いわゆるサングレーザー(太陽に極めて接近する彗星)の1つで、事前予想では太陽
最接近まで持たないと言われてましたが、今月13日に近日点(軌道上の太陽最接近
ポイント)を無事に通過し、大方の予想を覆してくれたのも束の間、やはり大きな
ダメージを受けていたということでしょう。もはや "Headless Wonder"(頭の無い
不思議な姿)となり、尾だけが残った亡骸が夜空に見えているようです。でもまぁ
歴史に刻まれる大彗星の仲間入りを果たしたんで、よく頑張ったと思います。


気になるアトラス彗星(C/2024 G3)の明るさランキングは・・・

2025-01-23 00:01:08 | ほうき星

年明け早々に予想外の増光を見せてくれたアトラス彗星(C/2024 G3)は光度が低下
するとともに南天に移動してしまって、本州からは観測困難な状況になりました。
観測条件が良好な南半球では下記リンク先で見られるような大彗星らしい姿が撮影
されてます。

Comet ATLAS impressive tail

幅広のダストテイルが幾筋にも分かれた姿が印象的で、物凄~く羨ましいです。

さて、この大彗星の出現によりICQ(国際彗星季報)のwebサイト内にある明るく観測
された彗星(1935年以降に出現した彗星)のランキングがアップデートされました。
下記に当該webページへのリンクを貼っておきます。

Brightest comets seen since 1935

アトラス彗星(C/2024 G3)は、最大到達光度(peak m1)が括弧付きで不確かさがある
との評価ながらマイナス2等となっており、堂々の第5位にランクインしました。
これは昨年秋に話題となった紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)を超える順位で、
今世紀に入ってからは2番目に明るい彗星ということになってます。

それにしても、このランキングが僅か3か月足らずで更新されるとはちょっと吃驚
です。2020年代はまだ半ばですが、これで6個の彗星がランクインしたことになり
ます。この調子でいくと2000年代の10個を超えそうなペースなので、この先も期待
したいですが、どうなるでしょうかねぇ。次は北半球で観測条件の良好なグレート
コメットが出現してくれることを願ってます。


続・富士山とアトラス彗星(C/2024 G3)のツーショット(2025/01/18)

2025-01-20 00:02:33 | ほうき星

18日も富士山とアトラス彗星(C/2024 G3)を狙ってみました。


【富士山とアトラス彗星(C/2024 G3)01/18】
 キヤノンEOS Ra+タカハシFSQ-85EDP+レデューサーCR0.73×,StarScapeフィルター使用,
 F3.8,ISO400,総露出時間0.32秒(1/125秒×40コマ,彗星頭部コマ基準加算コンポジット),
 固定撮影(三脚使用),トリミングあり

この日は前日よりも雲が断然少なく、まだ陽が高い時間帯に肉眼で金星が見つかる
ほど透明度の高い空が広がっていて期待感が高まりましたが、撮ってみると低空に
意外と薄雲があったようで、またしても背景にムラが発生してしまいました。彗星
自体の光度もやはり低下したらしく、元画像上で微かな姿になったことで画像処理
が難航し、試行錯誤の繰り返しで1日掛かりとなりました。その甲斐もなく、見映え
のしない仕上がりに凹んでます。なお、口径5cm双眼鏡による眼視観望では、前日
に比べて見つけるのにかなりの時間を要したので、今後はもう生の姿を見ることは
できないでしょう。また、高度が日毎に下がっていくため、撮影の方も個人的には
これが最後となりそうです。彗星が夕空に回って自宅から撮れる状況になるなんて
想定してなかったんで、ラッキーだったと思います。

ちなみに、好条件の南半球では物凄い写真(下記リンク先参照)が撮られてます。

https://spaceweathergallery2.com/indiv_upload.php?upload_id=219586


富士山とアトラス彗星(C/2024 G3)のツーショット(2025/01/17)

2025-01-18 00:06:26 | ほうき星

17日は富士山の近くにアトラス彗星(C/2024 G3)がやってきたところを狙ってみました。


【富士山とアトラス彗星(C/2024 G3)01/17】
 キヤノンEOS Ra+タカハシFSQ-85EDP+レデューサーCR0.73×,StarScapeフィルター使用,
 F3.8,ISO400,総露出時間0.2秒(1/250秒×50コマ,彗星頭部コマ基準加算コンポジット),
 固定撮影(三脚使用),トリミングあり

この日は16時頃まで富士山周辺に雲が広がっていて、観望/撮影は困難だと思って
いたら、徐々に晴れ間が広がっていき、日没から5分後には彗星を双眼鏡で確認。
狙っていた富士山とのツーショットも撮れましたけど、低空にはまだ薄雲が残って
いたようで、撮影画像の強調処理で背景には酷いムラが出てしまいました。彗星の
光度はまだマイナス等級を維持しているようですけど、元画像上の彗星像はどうも
薄くなってきたような印象があります。近日点通過(太陽最接近)から4日ほど経過
したので無理もないか・・・

さて、18日は彗星がさらに東へ移動し、こんな風に見える見込みです。


 AstroArts社ステラナビゲータによるシミュレーション

なんと富士山の真上にやって来るという願ってもない状況になります。これは是非
スッキリした空をバックに撮りたいと思いますが、天気はどうなりますかねぇ。


観測好期が続くC/2024 G3 アトラス彗星(2025/01/16)

2025-01-17 00:21:05 | ほうき星

16日は朝から雲の多い空模様でしたが、夕方になって晴れ間が広がってきたので、
またアトラス彗星(C/2024 G3)の撮影ができました。これで4日連続です。


【アトラス彗星(C/2024 G3)01/16】
 キヤノンEOS Ra+タカハシFSQ-85EDP+レデューサーCR0.73×,StarScapeフィルター使用,
 F3.8,ISO400,総露出時間0.48秒(1/125秒×60コマ,彗星頭部コマ基準加算コンポジット),
 固定撮影(三脚使用),トリミングあり

雲が完全には退散してくれず、薄雲越しの撮影となりましたが、ほうき星らしい姿
で捉えられる状況は変わってません。ただ、前日よりも尾の伸びる方向が東寄りに
傾いたようです。太陽との位置関係が日毎に変化しているせいなんでしょう。まだ
マイナス等級を保っているとみられますが、空の透明度が良くなかったのか、昨日
と比べて双眼鏡を使って眼視で探すのに少し難儀しました。

近日点通過(太陽最接近)の前日に彗星本体の核が分裂したとの話が出ていたよう
ですが、この程度の拡大率では確認不能です。急減光したという感じはないので、
まだしばらくは明るく観測できそうな気がします。むしろ物質放出量が増加して、
光度の低下が緩やかになってくれないものかと淡い期待を抱いてます。


夕空に輝くC/2024 G3 アトラス彗星(2025/01/15)

2025-01-16 01:32:00 | ほうき星

15日夕方に性懲りもなくアトラス彗星(C/2024 G3)を自宅ベランダから狙いました。


【アトラス彗星(C/2024 G3)01/15】
 キヤノンEOS Ra+タカハシFSQ-85EDP+レデューサーCR0.73×,StarScapeフィルター使用,
 F3.8,ISO400,総露出時間0.16秒(1/320秒×50コマ,彗星頭部コマ基準加算コンポジット),
 固定撮影(三脚使用),トリミングあり

太陽から離れてきたため、日没後に彗星が沈むまで時間的な余裕が生まれ、前日
比べて背景が少し暗くなった状況で観望/撮影ができました。光度はマイナス等級
をキープしてるらしく、日没直後から口径5cmの双眼鏡で尾の伸びた姿がしっかり
見え、空の透明度が良かったお蔭で沈むところまで眼視で追跡できましたが、肉眼
では確認不能でした。写真では尾が緩やかにカーブを描いているのが分かります。
ほうき星らしい姿が捉えられるようになったのは嬉しい誤算でした。

今後も天気さえ良ければ継続して狙ってみたいです。特に17日と18日は富士山との
ツーショットが撮れる可能性があるので、晴れてくれることを切に願ってます。


アトラス彗星(C/2024 G3)続報(2025/01/14)

2025-01-15 00:30:06 | ほうき星

14日もアトラス彗星(C/2024 G3)を自宅ベランダから狙ってみました。


【アトラス彗星(C/2024 G3)01/14】
 キヤノンEOS Ra+タカハシFSQ-85EDP+レデューサーCR0.73×,StarScapeフィルター使用,
 F3.8,ISO100,総露出時間0.16秒(1/250秒×40コマ,彗星頭部コマ基準加算コンポジット),
 固定撮影(三脚使用),トリミングあり

前日よりも日没直後の高度が少し上がったことで撮影条件が好転し、尾がしっかり
写ってくれました。明るさはマイナス2~3等という報告が上がってきており、地上
からの観測に限れば、昨年の秋に大彗星となった紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
を凌駕する光度に達した模様です。但し、背景が明るい時間帯の超低空にしか見え
ないせいか肉眼で存在確認することはできませんでした。それでも今日は口径5cm
の双眼鏡を使って割と容易に見つけられ、ごく短いながら尾が伸びているのも確認
できました。

今後は日毎に暗くなっていくと思われますが、20日くらいまでは1等台以上の光度
を保ちそうです。夕空での高度は低いままではありますが、撮影チャンスがあれば
また狙ってみようと思います。