Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 土星が観測好期

EOS Raで撮ったM78星雲~馬頭星雲付近

2020-02-26 23:40:32 | 撮影機材

先日の3連休は☆撮り遠征は控えようと思ってたんですが、日曜日は穏やかな晴天に恵まれたことで、
我慢しきれずに出撃することに。行き先は1月初旬以来の東伊豆方面で、天気は一晩中快晴でした。
この晩は口径18cmの主砲を出す前に、いつも自宅からの富士山撮影で使っている400mm超望遠レンズを
架台にセットし、最初にこんなエリアを狙ったのでした。


【M78星雲~馬頭星雲付近】
 キヤノンEOS Ra+EF400mm F5.6L USM,F8,ISO5000,L39フィルター使用,
 総露出時間50分(5分×10コマ,加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,静岡県東伊豆町稲取にて

今月15日の晩に、主砲でM78星雲から北東に広がるバーナードループやマイナーな暗黒星雲を写野に入れて
撮影しましたが、今回は反対側の南西方向にある馬頭星雲をフレーミングしてみました。
400mmレンズを本格的な☆撮りに使うのは数年ぶり。絞り開放だと星像が悪化するんでF8まで絞ってます。
そこまで絞ると周辺減光がかなり抑えられ、微光星もシャープですが、輝星の周りには絞り羽根による
光条が派手に出てしまうのがちょっと残念です。逆にその方が綺麗だって言う人もいますけどね・・・
画像の中央あたりにチョコレート色のモヤモヤが写ってますが、これは地球の大気中の雲ではなく、
遠い宇宙空間に漂う星間物質なんです。もちろん肉眼では全く見えないんで、こんな状態になってるとは
想像ができませんが、オリオン座全体がそのようなガスや塵で満ち溢れてたりします。

さて、ここから先は極めてマニアックなオタクネタになります。
今回、滅多に持ち出さない400mmレンズを久々に使ったのには理由があります。
実はカメラとレンズ(あるいは望遠鏡)の間に入れるマウントアダプターのテストをしたかったんです。
EOS Raには大口径のRFマウントに対応した純正レンズの使用がメーカーとしては推奨しているようですが、
まだそのレンズラインナップが充実していないこともあり、本数の多い旧来のEFマウントレンズも使えるように
純正マウントアダプターをオプションで用意してます。自分も現有レンズ資産を生かす意味でそれを購入し、
一般AF撮影などに使ってます。で、望遠鏡にカメラを取付ける際にも同アダプターが必要になるんですが、
例えば主砲の口径18cm望遠鏡による撮って出し画像(リサイズしてます)はこんな写りになってます。

周辺減光(中央集光?)が激しいのは置いといて、左右の縁に暗い帯が認められます。
このダークゾーンがもしかするとマウントアダプターのせいなのかなと思って、サードパーティー製の
アダプターも追加購入したのでした。それら2つを並べて比較すると・・・

上が純正品で、開口部が丸くないですね。この内側の枠みたいなのが悪さしてるんじゃないかと。
一方、下のサードパーティー製品は開口部が真ん丸です。これを望遠鏡撮影で使ってみると・・・

被写体は違いますが、ダークゾーンがやっぱり出てしまってます。これはちょっと想定外でした。
ならば、純正400mmEFレンズと純正マウントアダプターの組合せでカメラに取付けたらどうなるかというと・・・

絞り開放で撮ってますが、ダークゾーンは発生しません。やっぱり正規レンズの使用が望ましいってこと?
とりあえず、望遠鏡を使った撮影画像についてはトリミングなどで対処するのが手っ取り早そうです。
あるいは真面目にフラット補正した方がイイのかな?


今朝の富士山(2020/02/23)

2020-02-23 09:00:56 | 富士山

富士山の日の今日は、昨日と比べスッキリ見えてますが、前面に邪魔な雲がありました。

昨日の関東は南寄りの風が強く、春一番が吹いたと発表されました。
今日は一転して北寄りの風が強まる見込みとか。風がどっちから吹いても花粉飛散には要注意ですね。


EOS Raで撮ったくらげ星雲付近

2020-02-23 01:03:26 | 遠征日誌

1週間前の遠征で狙った冬の撮り忘れ天体の第三弾はコレです。


【くらげ星雲(IC443)付近】
 キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,ASTRO LPR Type2フィルター使用,
 総露出時間48分(4分×12コマ,加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,若干トリミング、山梨県北杜市にて

IC443はふたご座の兄・カストルの足元にある超新星残骸で、上の画像では右寄りの濃い星雲がそれです。
その明るく写っている部分が海に漂うクラゲのように見えることで、この愛称が付けられたようです。
銀塩写真の時代には撮影難易度が高めの被写体だった気がしますが、デジカメではハードルが下がってます。
最近はクラゲの頭部から東(左)側に広がる淡い星雲(Sh2-249)まで入れた構図で狙うのがトレンドで、
今回の撮影でもそれを意識したフレーミングにしましたが、横構図にすべきだったとかなり反省。
次の冬期に再チャレンジかな・・・