十勝千年の森

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エゾモモンガを待つ

2007-03-02 12:15:43 | 
十勝千年の森のヤチダモが生える森の中、7年ほど前に作ったツリーハウスは今では風にさらされハウスとは言えない姿になってしまった。だけどこのツリーハウスに住む生き物がいる。それがエゾモモンガである。

出合ったのは3年前、何気なく森をスノーシューを履いて歩いていると、黄色いオシッコの跡と大量のネズミのような糞が太いミズナラの根元に散らばっていた。これは何だ?と太いミズナラを見上げると、直径5cmくらいの穴があいていた。エゾモモンガの巣だった。

エゾモモンガは普段は夜行性、夕暮れとともに活動をはじめ、日が上がると穴に戻ってしまう。夕暮れ時は、エゾモモンガが気になり、仕事をさっさと片付けて、その穴へと向かった。

すでに西の空は、青から紺へ夜の色へとグラデーションを作り、雪面には木の影が映り背中の月が明るさを増し始めていた。風のない森の中はキーンと耳鳴りがなっているような静けさだった。エゾモモンガが住むミズナラは、黒っぽくシルエットしか見えない。姿を見せてくれるだろうか?

18:00、森に入って30分ほど待っていると、カリカリと音が聞こえてきた。エゾモモンガが動いているようだ。さらにじっと待つと木によじ上る黒い影が見えた。

エゾモモンガとの出会いは、たいてい黒いシルエットで、運がいいと手を広げて森を飛び舞うシルエットが見える。日によっては、明るい時間に穴から顔を出すこともあるけど、たいていはっきりと見せてくれない。問題は寒さとの我慢くらべで、30分が限界。出会えたことでなんとなく気持ちよくなって森を後にする。エゾモモンガを待つ静かな森。冬に出会う不思議な生き物である。