蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

栽培 (73)

2007-01-29 | 栽培
「常陸秋そば」の開発過程を明らかにした論文・「ソバ新奨励品種『常陸秋そば』について」に啓発されて、私はこの「品種改良」という分野には全く不案内であったが、とにかく手を染めてみることにした。2002年から2005年まで、選抜と隔離栽培を試みたのである。

私の目標はだだ1つ・「香りの高い蕎麦」がほしいだけだった。
香りについて何ら「科学的な目」を持たない私が唯一できることは、一般に「甘皮」と呼ばれる種皮の色のいいものを選ぶことだけだった。いい色とは「黄緑色の濃い」ものである。もちろんこれは種皮の部分に蕎麦特有の香りが多く含まれているということを聴いて知っていたし、種子がいい色をしているものが、香りが強いことを何度となく体験していたからである。

しかしながら、どのような種子が内側にいい色を持っているかを決めるのはそう簡単なことではない。当然のことながら、殻を外していい色であることを確認してから、蒔いても芽が出ない。ソバの種子の外観から、内側の種皮の色のいいものを特定できなければならない。
そこで、友人の陶芸家に作ってもらった掌に入る小さな「殻外し器」を利用して、ソバの外観の色、大小、形、紋様などを基準に考えられるだけ分類して殻を外して調べてみた。
そして、ある一定の紋様を持つソバが、他のどんな分類のソバよりも、種皮の黄緑色が濃いことに気づいた。

そこで、2002年から隔離栽培を開始した。

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