蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

釜前仕事 (5)

2006-07-05 | 釜前仕事
ところで、「香り曲線」と「コシ曲線」の交点が最適な食べどころに違いない。しかし、もっといい食べどころは求められないか。

縦軸は、原点から離れている方が、「香り」も高く、「コシ」もよいことを表しているから、いい食べどころにするには、交点の位置を上方に移動させればよいことになる。それには、理論的に、2つの曲線を移動させるればよい。しかし、「コシ曲線」は移動させることはできない。時間が経てば、「コシ」は確実に失われていくからである。現実的に可能なのは、「香り曲線」を移動させることだけである。右上がりの「香り曲線」を左に移動させるのである。これによって、両曲線の交点は上方に移動できる。すなわち、高められた「香り」と、いい「コシ」を味わうことができるのである。

「いし井」のご主人の強く振ることによって水を切る行為は、この「香り曲線」を左に移動させることだったのである。

以上のことが判ると、茹で上がった蕎麦の水をどのように素早く切るかが、その後の私の課題となった。

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