蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

栽培 (53)

2006-12-05 | 栽培
前回、大量の落葉を圃場の上に置いたと書いた。
土中であれ畑の上であれ落葉をそのまま畑に持ち込むことなど、通常誰もしない。一度、畑の隅などに積み上げ、硫安、尿素などを加え腐葉土としてから利用する。

では、なぜ私は圃場の上に落葉を直接置く方式を採ったのか。
もちろん、すでに書いたように大量の落葉を埋設する作業が大変であったからだ。しかし、次のような考えもあった。
素人の私には本当のところは判らないが、落葉が腐葉土化する過程の中で、微生物は大量の生理活生物質などを排出するはずである。これは作物とって優れた「肥料成分」になるに違いないし、うまい作物を作り出すのに大きく貢献するに違いない。これを利用しない「手」はない。落葉を畑の上に置けば、この優れた成分を流出させることなく、畑が全てを受け止め、余すことなく享受することができる。これが私の考えたことである。
おそらく、それが蕎麦の香りを向上させた主たる要因ではないかと私は推測している。

ところで、99年に落葉を置いた50㎡は、現在、分割し東区および西区としている。東区は、それ以来落葉のみで、99年とほぼ同様の方法を続けている。少し狭い東区は20㎡強であるが、ここに1m×1.2mの落葉用の袋で毎年約20袋の落葉を投入している。西区は、その時々で考えつく肥料などを試している。もちろん落葉は東区と較べれば遥かに少ないが、埋設する方法で使用し続けている。

この東区と西区では、少しの香りの違いが生じており、ここ数年東区の蕎麦のほ方が「一枚上」といった印象である。