蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

つゆ (1)

2006-07-09 | つゆ 薬味 他
次に、つゆについて考えてみたい。つゆについても1つのエピソードから始めたい。

私は、長い間一般的な蕎麦店のつゆに、とりわけ、伝統的な東京の蕎麦店のつゆに違和感を感じていた。
ある時、日本料理店で蕎麦を食べた。蕎麦は平凡なものであったが、つゆは際立っていた。日本料理用に取っただしでつくったつゆであったのであろう、濃くも重くもなく、あっさりした上品なつゆであった。
私の考えは一変した。日本料理のつゆと蕎麦を合わせれば最高の蕎麦になると考えたのである。

まずは、日本料理のだしのとり方を学ぶことにした。「分とく山」の野崎洋光さんのだしのとり方を調べることから始めた。一般の蕎麦店と最も異なる点は、鰹節を厚削りを使わずに、薄削りを使う点である。蕎麦店は鰹節を厚削りにし、30分あるいはそれ以上煮出す。これではいくらアクを取ろうとも雑味がでてしまう。日本料理の世界では、普通、薄削りで短時間にだしをとる。後者のだしのとり方の方が、上質なだしがとれるのは明白である。
私は、野崎さんのだしのとり方を採用することに決めた。