第121話「やる気」

2011-09-22 20:17:39 | みなみけ
またバレンタインの話だ。この漫画は2月が近づくと高確率でバレンタインの話を出してくる。これが何回目だったか覚えてないがマキ先生は17年連続出場らしいのでマキは2月14日より前に生まれた17歳?
4月になると16歳に戻るの?
考えるのはよそう。
カナのせいでやる気をなくしていく面々だが、このメンバーそもそもバレンタインに向いてるのだろうか。男自体あんまりいないし。
カナの目的は自分がチョコにありつくことだけであるが、考えなしに皆のテンションを下げていったら何も残らなかった。
そこにハルカが「あの店のチョコ」を買ってくる。「あの店」って何回か出てくるが、一個の店なんだろうか。
試食を始めたところで藤岡の来訪を告げるインターホンの音が鳴る。ハルカとマキと内田に電流が走る。
慌ててチョコを隠しだす3人と、あんまりピンと来てないカナ・チアキ・トウマという対照的な関係が描かれている。
注目したいのはハルカもやる気がある側にいることである。いくら面倒見のいいハルカ姉様でも、親切だけでチョコを買ってくるものだろうか?もしかしてハルカも誰かにあげるアテがあるのか?
という答えは当然出ないまま終わる。マキや内田はどうでもいいが、ハルカがやる気ある側にいる理由は、単に優等生的にマナーの心配をしているだけなのか。
こういうのを明示しないのが「みなみけ」に限らず緩い日常系漫画の共通の特徴なのであるが。

第120話「ほんの少し」

2011-09-21 20:06:56 | みなみけ
リコがクッキーを焼くことを考えている。前話の保坂となんとなく似てる始まり方だ。
優等生タイプのリコは安全策でレシピ通りに作ろうとするが「食塩少々」の加減がわからない。
「少々」=「ほんの少し」。ほんの少し眠い、ほんの少しお腹へった、ほんの少しがやたら出てくる。
(意外と神経質なんだなぁ)と遠くで見ている、もっと優等生のケイコの余裕は何なのだろう。
(ほんの少し後悔‥‥)してる藤岡がものすごく落ち込んでいる。カナからハンカチ借りられる間柄になってるんだから大したものだが。

けっきょくクッキーを焼いて南家に集まったが、まだ塩の量が気になっているリコ。神経質というより弱気である。
カナが匂いをかぎつけて広げて「ほんの少しうまい!」「ハルカ姉様よりほんの少し劣るけど」とナチュラルに失礼な南姉妹だが、藤岡からも好評だったのでリコ喜ぶ。だが塩加減がほんの少し足りなかったようだ。「どれくらい!?」

リコは藤岡が関わらなければ普通の子である。塩の分量を気にするくらい普通。カナにつっかかるのもケイコがとばっちりに会うのも藤岡絡みで、基本的には善良な子である。
いっぽう藤岡は女子3人といっしょのコタツで勉強会というシチュエーションにまるで動じていないが、これはカナ以外の女子が見えていないのであろう。ケイコはともかくリコはかわいそうである。報われない。

第119話「いただこう」

2011-09-20 19:28:47 | みなみけ
弁当箱に石灰を仕込んでどうのこうのって、ミスター味っ子でそんなのを見たような気がする。
良くない方向に進んでいる保坂に助言を与える速水、実は心配している。速水は保坂で遊んでいるが、その偏った実力を評価もしているのだ。
すごい顔で悩む保坂は歩いているだけでナツキを怯えさせた。忘れていたというか、今までほとんどそんな描写は無かったが、保坂は実は怖い先輩だった。

「愛情」を求めた保坂、スーパーでにんじんを手に取りにんじんの素晴らしさを説く。
それを横で聞いていたチアキも感化されて、にんじんを買わざるをえない。過去にたった一度見ただけの変な男に、なぜかチアキは影響を受けている。いろんなものを間違えているだけで、本当の保坂はすごい人なのである。出番そんなにでもないのに男子キャラで一番人気あるだけのことはある。

ところで速水はなぜか保坂の弁当を食べたがらないが、実際は気持ち悪いと思っているのだろうか。これがオチでも良さそうな感じなのだが、終わりのコマはチアキがにんじんを残さず食べたことでご機嫌な春香姉様が暴走しそうになるのを止めるアツコ。保坂のオチで終わっていない。
保坂で始まった話でありながら、チアキの結末をハルカに説明させて終わる意外と複雑な構成になっている。

第118話「かもしれない」

2011-09-19 18:03:50 | みなみけ
マコトとカナが前回と同じ服を着てるので続きのようだ。アキラはいなくて代わりに吉野が来ている。
吉野はマコトの正体に気付いているのか?
この件については63話以来で、ずいぶん久しぶりの話題となる。結構少なかった。
吉野ドS説を有力視しているカナ。マコトの正体を知りつつ楽しんでいるのではないかという疑惑だ。最初はそんなキャラじゃなかったのに、気が付けばいつも糸目でニコニコしていて、その裏では全てを見通すような危険人物になっていた。
マコちゃんが同級生っぽい雰囲気出てるからと、やや無理のある理由で天然を装ったけん制を繰り出す吉野。あるいはけん制に見える天然なのか。
恐れをなしたマコトはフロ掃除をやると言って逃げ出した。男らしくない。しかしこの漫画やたらフロ掃除してる気がする、使いやすいシチュエーションなのか?
風呂にまで乗り込んできた吉野。軽くホラーだが、マコトとコケそうになると軽くうろたえていて、人間味も見せる。どこまで計算なのか?
「もうたくさんだ!」と悶え泣くマコト。「はっきり言ってくれ‥‥‥」と降参するも、「明日 分度器忘れないようにしないとね?」と逆にマコトが否定するように誘導される。
正体はバレなかった。正確にはまだバレたのかどうかはわかっていない。限りなく黒いグレーのままを維持し、維持させた。

吉野は105話でもアツコ相手にも何か知ってるような、天然のような言動を見せたことがあったので、マコトだけをターゲットにしているわけではない。つまり女装してる不届きな男子をいじめてるわけではなく、完全にドS小学生。おそろしい子だ。
バカの内田やマコトに対する優等生の吉野とシュウイチという程度のキャラクターだったのに、何年も小学生やってるとこんな感じになるものなのだろうか。

第117話「与える側」

2011-09-18 19:14:17 | みなみけ
ナツキが来た後日。アキラとマコちゃんが一緒にいる。
アキラとマコちゃんは同じ学年という設定だった。興味を示すアキラに、カナもマコトも思い切り動じる。
マコちゃんは女と仲良くなるための変装であり、男に好かれる目的は一切無い。カナもこの事態は危険だと判断したのか話題をそらそうと藤岡が来ることを告げると今度はアキラが慌てる。こんな日に限ってカナに言われた通り無遠慮に直で上がってくる藤岡。
藤岡と会うのはまずい。何がまずいのかよくわからないが、この家に男子が来たことを知れば藤岡がまずいことになるだろう。
事情がよくわからないマコトだが、「オレの時のように助けてやったらどうだ?」と変装系の手段を提案する。なぜかあったカツラをかぶせる。
藤岡はサンタ役をやるという話でそのカツラを借りに来たのだった。藤岡がサンタと関わるのはこれで3回目だろうか。カナは藤岡のためにサンタにちょうどいいカツラをわざわざ買ったの?
で、カツラのことについてアキラの化けたアキちゃんはカツラなんて必用ないと熱弁する。
「藤岡さんはすでに与える側の人間のオーラが出ています」と藤岡を褒め称える。アキラの「藤岡を持ち上げる立場」は意外にもこんなところから始まっていた。
満足したのか藤岡すぐ帰る。
自分の顔を見たアキラは「目覚めちゃったらどうするんですか」とまんざらでもなかったが、今のところ再登場したことはない。やはりマコト以外にこういうことをやらせても続かないのであろう。

第116話「お願いが」

2011-09-17 21:11:53 | みなみけ
ナツキが長男に言葉遣いをとがめられてる。「向こうの南さんは礼儀にきびしいんだろう?」そうだっけ?
あと顔がよくないとアキラに言われて「顔はお互い様だろーが!」と不機嫌になる。確かにナツキとアキラは顔が似てるが若干気に入っていなかったようだ?
ともかくアキラが言いたいのは笑顔で、ということだ。そして話を適当に聞いてたトウマはカナとチアキへの対処法を教える。ナツキはまだチアキとカナの区別がついてなかった。

で、南家に来たナツキ、「ふつつか者」のまんじゅうを渡すあたりですでに雲行きが怪しい。トウマのことだと切り出して「トウマぐらいしか接点ないし‥‥」とカナが言ってる通り、まだナツキとはあまり接点が無い。
ナツキの不審な笑みと変な敬語と、ハルカ以外への態度、全てがズレている。登場してから結構経つが、彼は南家に馴染んでいなかった。「チアキを無視するな」というアドバイスを戦えという意味だと解釈してる。そしてハルカもなぜか無反応。ハルカは既にナツキを知っているから?
ナツキはトウマの帰りが遅いことをハルカから注意して欲しいと来たわけで、いないかと思ったトウマは寝っころがって本読んでた。ナツキの目の前でハルカに注意されるトウマ。
この兄妹の距離感は何なんだろう。お互いに話を聞いてないで独立しつつも同じ空間にいられるというのは。この回のハルカもそうだが、人の話を聞かないマイペースなやつらが共存するとこんな感じになるのだろうか。

第115話「そろっちゃった」

2011-09-16 21:17:52 | みなみけ
姉妹のマグカップがまとめて割れたので、学校帰りに買ってくることになる。
カナ、チアキ、ハルカ、それぞれ同じ店に少しずつズレて到着しているがお互いの存在に気付いていないのか。
一人でパッと決めるカナに続いて、内田といっしょに来たチアキは、可愛いのを選ぼうとするがかわいすぎてカナにバカにされるのでは?と余計な心配をしてる、内田をガン無視で。最後にマキといっしょに来たハルカ、いいのを見つけるがマキの余計な一言で固まってしまう。
マキがウザい。不人気の理由はこういうところにあるのじゃ。

3人おそろいのマグカップが揃った。こういうところは似てる姉妹らしい。
翌日さっさと昨日選んだマグカップを買ってくる。この間わずか1コマ。展開がはやい。
で余ったマグカップを、たまたま来た藤岡とトウマに与える。カナとおそろいだ。気に入ったらしいトウマ、「くれるのか ありがとう」と上気している。
何気なく与えられた藤岡(たとえ恋人同士だとしても色も形も全く同じマグカップを使うことなんてないだろう‥‥)と挙動不審になるもトウマも同じであるのを見て不思議がる。適当に決めたカナはそんなことどこ吹く風である。

この回はマグカップをめぐる3日間の話が連続している。8ページで3日の動向を描いた。マグカップという何気ない品に対するそれぞれの反応の違いも面白いところ。この漫画には何気ないものしか出てこない。

第114話「どこ見て」

2011-09-15 20:42:02 | みなみけ
測ってもらったらサイズアップしてたとリコが自慢してる。それで「付き合う相手が大きいの好きだといいねぇ」と挑発的なことを言うカナ。

それからリコの態度が5割増し大きくなったというカナだが「胸の大きさと態度の大きさは関係ないぞ!」とリコと会ったこともないマコトは反論する。ハルカを見ればわかると。
「マコトお前うちのハルカのどこ見てんのさ」ともっともなツッコミ。
しかし胸の大きさはマコトも無関係な話ではないというカナ。「その真っ平らな胸でいつまで女装続ける気だ?」ってもう何年もやってるのだが、そこは触れずに「怪しまれる前に止めるからいいよ!」と。
「その 『タバコ値上がりするから止める』みたいな感じで大丈夫かな」痛い指摘。
そんなマコト、かつて身長で張り合ったマキにぺったんこであることを指摘されて慌てる。バカだから反応がわかりやすい。
ブラでもつけたらと言われるも「ブラがなくても胸があるように見える方法は無いのか!?」と無茶振りをしたところに、途中から話を聞いていたらしいチアキがやってくる。

チアキが出したのは胸あたりがゆったりしている服を着るという普通のアドバイスだった。そしてこれはハルカが着ていたものだから、ハルカのようになれるという不条理なアドバイスだった。チアキはときどきファンタジーだ。
そんな貴重な品を譲るというチアキ。これはすごい。マコちゃんのことをそこまで。
だがマコトは困る。ハルカのようになるわけには、と言ったらチアキに怒られたマコト、逃げ出した先にはマキにブラのサイズを測ってもらうハルカがいた。
合うブラが無くて困っているからマキを呼んで測ってもらっていたらしい。だからマキが来ていた、珍しく理由があって来ていたのだ。
育ちすぎることも困りものだと納得するチアキだが、ハルカの姿は小学生には刺激が強すぎた。「どこ見てんのさ」と言うカナは姉が見られるのをもう少し気にするべきだと思う。
また露骨な下着姿などが登場するのは随分久しぶりな気がする。実はこの漫画のサービス回はあまり嬉しくなく、楽しいのはそれを見たマコトの反応である。

第113話「妖精」

2011-09-14 19:36:06 | みなみけ
カレー粉のスパイスをテレビで聞きながらメモしているハルカ。
チアキはハルカに代わって買い物に行く。そこに書かれていたのはスパイスのメモだった。
うんちく好きなチアキだがコリアンダーやカルダモンが何かわからない。スパイスの名前をスーパーを呟いていたら、カマボコを持った保坂がいた。
チアキの言葉を聞いた保坂、次はカレーにしようと「カレーの歌」を歌いだす。
歌を聴いたチアキはそれがカレーの材料だったことを察する。そこらへんの機転は効いた。
(あの大男‥‥ もしかしたらカレーの妖精だったのかもしれない)
チアキと保坂、初遭遇。しかもお互いを微妙に認識したようである。保坂が高校生以外と初めて遭遇した。

チアキのカレーは好評だった。カナがおかわりしている1コマだけで好評だとわかるのが上手い。
いっぽう保坂はもちろんカレーを弁当で持ってきた。
聞いた速水、動揺する。(保坂‥‥あなたは『近づかなければ無害』がウリなのにッ)それを開けると保坂はカレーの妖精として学校生活を送ることになってしまう。
「妖精か 悪くない響きだ」意外とロマンチストな発言で開けようとするところで終。
幕間ページを見るに、やっぱり開けたらしい。

第112話「鬼ごっこ」

2011-09-13 19:22:45 | みなみけ
前回の続きでプール行った。
隔週連載の「みなみけ」の夏は非常に短いのでプールにまつわる話が3回も連続するのは貴重。

で、プールで鬼ごっこやって恥ずかしくてカナにタッチできなかった藤岡。カナは平気なのか、そういうの。
それを聞いたトウマ、手本を見せると言ってチアキにタッチする。自分がカナと同じで平気なタイプだからだろう、「鬼ごっこ始めたのはカナなんだろ?遠慮なくやればいいんだよ」と普通。
チアキはカナにタッチ、カナはマコちゃんにタッチ。
マコちゃんも困った様子で藤岡にタッチする。こいつは男だから藤岡にしかタッチできないのだ。
藤岡は遠慮なくトウマにタッチする。それもなんか胸部のちょっと上くらいを。
「うわっ!?」「な 何すんだ 危ないだろっ」と慌てまくるトウマ。動揺している。自分で簡単だと言ったことを藤岡が実践しただけにすぎないが、自分でやられることは想定していなかった。
「トウマもあと3年もすればわかるよ」「女子へのタッチの難しさが」真顔の藤岡が他の面子にはどう見えているのか。
今度はタッチされるのを嫌がったトウマ、藤岡のタッチをかわす。藤岡も火がついて「男の鬼ごっこは 本気なほど面白い」と子供みたいなことを言い出し、トウマはトイレに逃げ出す。

藤岡はトウマの前ではやんちゃな中学生男子としての素の性格を出せる。中学では女子との絡みしかなく、南家にも男子の友達が来ないからだ。と同時に、傍目には変態化しつつある。この回でその方向性が決定付けられた気がする。
藤岡以外のだいたい全員が事情を知ってるから、もう今更トウマが女だと言い出せない。普通ならいつまでも隠しとおせるものじゃないのだが、この世界は時間が経過しないからトウマはいつまでも男らしいままだ。
果たして連載中にバレることがあるのかどうか、そのとき藤岡はどうなるのか。ちょっと楽しみだ。