ディケイド

2009-09-05 10:19:27 | 特撮
ディケイドが終わった話を書こう。

・何が問題か
劇場で謎が解ける!
もう最近はこれが普通、コレが無いと一流のアニメじゃありませんって感じですネ。
ディケイドはアニメじゃなかった。
いやそういう問題ではない。さんざん話題をブン撒いた挙句に劇場版の評価は「誰も見ていない」なんてのはよくある話だが、まず一度終われ
ポッと出のラスボスを倒すとか、まだ戦いは続くとか、打ち切りでもいろいろ終わり方はあるが、そもそも終わらないとか論外。何のテーマ性も示さず普通に来週もディケイドをやるような終わり方をするから「アマゾンとかブラックとかストーリー的に意味あったのか、あれをやらなければ終わったんじゃないか」と批判されるんだ。

・謎が解けるのか
謎というか、何かいろいろおかしいことになっている。矛盾を起こしている。
まずディケイドのファンガイアは最初からキバと敵対してない、というのはもういい。クイーンとか何のために出てきたのかわからんが、まあ目をつぶる。
大ショッカー。あれは何。なんか大ショッカー出てきたけどアポロガイストを倒した時点で話が終わってしまって世界の崩壊はディケイドのせいということになって過去のライダーが襲ってくる。
なんだそりゃあ。大ショッカーって何さ。

・夏の映画と冬の映画
大ショッカーは夏の映画(オールライダー対大ショッカー)で登場する悪の組織で、ディケイド=門矢士はこの組織のボス格だった。つまりディケイドは悪い奴。
そういう意味ではガッカリではあるものの、謎は解けてると言える。
しかし大幹部アポロガイストはディケイドのことを知らない。じゃあテレビと映画で設定が違うのか。アポロガイストが知らなかっただけか。大ショッカー本部にDCDってロゴはあるから、やっぱりディケイドは大ショッカー絡み?
現状で夏の映画にストーリーがつながらない可能性は非常に高い。映画では大ショッカーの存在を知らなかったっぽいし、しかし映画では大ショッカー潰してしまったし。
冬の映画(ディケイド&W)でもう一度大ショッカーと戦って、かつ大ショッカーが存続してその後で夏の映画につながる、というシナリオは無理がありすぎる。たぶん、つながらないだろう。

夏の映画とテレビ本編をつなげようとする描写もあった。栄次郎のマントやシャドームーン。そもそも大ショッカーが出てくること自体が映画の宣伝なんだろうが。
しかしけっきょく思わせぶりなだけでつながらないといういつものパターンになったようだ。
繋げるとしたら、もう一人いるらしい士の片方が夏の映画で大ショッカーと戦っていたと解釈することもできなくはないが、まあ違うだろう。
まさか映画の評判が悪いから土壇場でつなげない方向に路線変更したとか?いや、撮影時期とかからそれは無いと思うけど、……無いと言い切れない程度に夏の映画は評判が悪い。

・残った謎はなんだっけ
まず「ディケイドが何者か」。士はなぜ記憶を失ってディケイドとして旅をしているのか。大ショッカーのボス?
なんでディケイドが世界を破壊するのか。ディケイドがめぐってきた世界のライダーを破壊すれば世界は破壊されなかった?
カズマを倒していれば、カズマの世界は破壊されなかった?
いや龍騎の世界は破壊されてしまったって鳴滝さんが言ってたじゃないか。
9つの世界をそれぞれ破壊してきたつもりだったのに、「おめーのやってたことは全部無駄だ」と一話からずっと出てこなかった先代キバが今更ダメ出しってどんだけ遠回りだよ。30話かけて一体何をしてきたというんだ。
で、けっきょくカズマたちは消えてしまった。無茶苦茶だ。友情破壊がテーマだったというのか。何のためにわざわざ新しいライダーたちの役者を集めたのか。
それに先代キバというか渡と剣崎、こいつらが何なのかもよくわからない。いや普通なら「こいつらはかつてテレビ版で主役張ってた先輩で、本物のライダーなんだよ」で十分なんだが、そいつらは「ライダーを破壊しなかったあなたは失敗しました」とか意味不明なことを言って襲ってくるやつじゃなかったはずだ。それに電王はオリジナルだったし、南光太郎は二人いたし、夏の映画では津上翔一が仲間になってるし、オリジナルとか何とかどうなってるんだ一体。9つの世界で見てきたライダーは全部偽者だったというのか。ユウスケはなんで普通に存在してるんだ。
こうした疑問点に冬の映画が答えてくれるとは到底思えないし、その謎を解くようなところはディケイドの面白さじゃなかった。

ここで止める。
結論はひどい最終話だったというだけで。

ディケイドの映画

2009-08-11 19:47:27 | 特撮
※ネタバレ多めです
※ネガティブです

全仮面ライダー集結。こういう作品は30年に一度できればいいほうだ
それは本当だろう。都合25人くらいの仮面ライダーをひとつの画面に集めるだけでも奇跡的な労力がかかってることは想像に難くない。
しかし、しかしだ。その30年に一度も無い大チャンスであるが、残念なことにその期待に応えきった映画じゃなかったといわざるをえない。

謎の男、門矢士。記憶を失った彼は「世界の破壊者」と呼ばれる。なぜ?
この序盤から続く謎の答えが「門矢士は記憶を失ってるけど世界を破壊する悪い奴でした」ではガッカリもいいとこだ。ストレートど真ん中じゃねえかああ
しかもその後シャドームーンに裏切られて大ショッカーを乗っ取られる流れは島本和彦「ワンダービット」の「自分で作った悪の組織を自分で滅ぼすヒーロー」の流れを想起させる。画期的なアイデアだが、ダサい。おまけに島本に先を越されてる。
昭和勢の登場も「冒頭に何の説明もなくアマゾン登場」という流れで、単に「昭和がいて何が悪い」程度の扱いで、平成との決定的な違いとか、別に説明なし。
序盤は完全に「ガンバライドの映画化」状態。
そして最強の敵を次のライダーがあっさり倒してしまう。
二話で見せた究極の闇のもっとすごいフォームにいたってはシャドームーンに一撃でやられるだけというギャレンJフォームなみの破格の扱い。
死神博士も大して必然性のあるキャスティングと思えず。

いや映像的には相当頑張ってるよ。
昭和っぽいジャンプとかCGで再現される昭和技とか
しかし、ストーリー的盛り上がりが。これがディケイドの最終章だというのが。
記憶を取り戻した士はただの嫌なヤツになってしまったし、記憶喪失の理由もけっきょくなし。
あからさまにシンケンの尺を削ってるのに。
テレビ版は別の結末・語られていない真実を見せて欲しいなあ。
本当に始まったときのワクワク感はどうなってしまったんだろう。あのライダー大戦の映像を越える映像が劇場版で見られなかったのが残念でならない。