面白いので原作そろえたが、原作が面白いからアニメが面白くなってるタイプだなと思って、それからは惰性でアニメ見てる。ああこれ原作面白いけど、アニメはそれ以上のもんにはなってないやって。
この漫画も時間経過しないが、季節は変化するし過去のエピソードも伏線となって使われるので時系列の組み換えが難しい。典型的なサザエさん時空。
それでも並び替えることは可能だが、それを実行する必要があるかは考えなければならない。
自分の中で結論は出ていて、何かいろんな要素が上手く作用してないよね、このアニメ化は。自分のように単行本の宣伝になった層はいると思うけど、好み分かれそうな話だし。「女の子が可愛いからとりあえず買ってしまう」タイプの絵柄でもなく。
たとえば原作の5巻:
5巻の前半を例にとるが、「日常の74」から「日常の81.5」まで、単行本の約半分ぶっ続けで同じ日の話を扱っている。話は全部短編なのだが同じ日の出来事を扱ってるので、同じ登場人物が背景にちらっと映っていたり、ネギが安い日というキーワードがあったり、いつも来る人物が2時間待っても来ない理由であったりと、そういう構成が完璧に出来上がっている。このエピソードは一つも動かせない。
しかし一話あたりは独立してるので、利点は知らないが一個ずつ切り出すことはできる。すでに75,78,80がアニメ化されてる。
74と75は独立させてもいいが、76,77,79は4巻までのエピソードを消化しないと使えないので後回しにせざるをえない。76と81は連続してるので切り離せない。
つまり結局4巻までの話を消化した後で、まとめてアニメ化する以外にやりようがない。構成が完璧すぎるから崩せないのだ。崩れてるけど。
78と79は同じ日でないと話が成立しない。78だけアニメ17話でアニメ化してしまったが、79を成立させるには「78の人物が出てこない」ことが必要なので、別の話を考えないといけなくなる。ややこしい。
時系列を組み替える必用はあるのか:
季節順に話を展開しようと思ったのだとと思われる。
それはいい。「みなみけ」でも同じ手法を使った。(「おかえり」は13話の間に一年以上経過してるが)
一部のエピソードは季節を変更して放送してる。それもいいんだが。
何か構成に一貫性が感じられない。「順番を組み変えると話のつながりが不自然になる話」と「順番を組み替えても特に影響ない話」の二種類があって、後者は変えても特に影響ないし、面白くもなるわけでもない。季節を重視してた「みなみけ」ならともかく、変更してまで組み替える必要が特にない。
一方で前者が組み変わってる話があったりする。
原作では「①ゆっこがみおの絵を見る」「②ゆっこがみおのマンガを見てしまいショックを受ける」「③ゆっこが変なマンガと言ってケンカ→和解」「その後協力」という順番なのだが
アニメでは「①ゆっこがみおの絵を見る」「③ゆっこが変な絵と言ってケンカ→和解」「②ゆっこがみおの漫画を見てしまいショックを受ける」
この順序組み換えは良くないと思う。②でショックを受けたから③で変な漫画という発言が引き出せる。③で和解したから協力関係を築けるので、②でショックを受けると順序がまずい。
※みおは腐っているので一般人のゆっこには理解しがたい漫画を描いてる。だが一般人のゆっこは①の時点では腐っているとまでは認識していない。
この順序組み換えは③の「和解」を転校生のなのと絡める関係で早い段階でやりたかったんじゃないかと思うが、それなら②を先にやっておくべきで。
違和感のある話になってしまってる。
なのが転校してくる話を14話にする必要があったのか。原作では1話の時点でなのがいて、2巻になって転校してくる話を後でやる。
アニメでは遅らせたので、転校までに高校生に対して憧れるような描写を追加することができるわけだが、
これ、そういう「いい話」の原作じゃないだろうと。転校してきたなのに皆が優しくするような話じゃなくて、どう見てもロボットである転校生をどうやって扱えばいいか困惑するうちに、だんだんどうでもよくなるという話じゃないのかと。
構成を変えることをやっても、大してオリジナルを挟むこともできないのは力不足を感じる。
中途半端な改変と、心象風景みたいなのやポンキッキのミニコーナーみたいのを混ぜて誤魔化してるつもりかもしれないが、アニメ化で構成変えるのなら普通大きなオリジナルを入れてやるものじゃないのか。
他所で言われてるので詳しくは書かないが予算の使い方とか滑ってるプロモーションとかも痛々しい。ヒットすることを前提で作ったらこうもなるだろっていう。ヒット連発した漫画家だって次回作でコケることは普通にあるんだから、いくらすごいアニメスタジオでも上手く行かないことはあると、想定くらいしておくべきだった。
BGMを海外でオーケストラで収録とか明らかに無駄遣い過ぎる、というよりマイナスになることを考えなかったのだろうか。音楽が演出の雰囲気を決めてしまって枷になるし、新録も手軽にできない、軽いBGMも使えない。
豪華すぎるゲスト声優を呼ぶことはニコニコでコメント数を増やす以外の意味あるのか。
このアニメ、どうなるのか?
元々単行本もそこそこ売れてたようだし、DVDとかも一定量は売れているようだが、ヒット前提の巨大すぎるプロモーションが何を残すのか。
あたかも来年以降も展開するような大掛かりな動き方は、いったいどう決着をつけるのだろう。
原作買うきっかけになったアニメだけど、それがどうも原作以上のものになってなくて、だらだら惰性で見てるのがどうにもしんどい。