イマサラ・3

2010-09-17 22:03:22 | 未解明
「今日の5の2」テレビ版は小学生が遊んでいる風景をときに大げさに、ときに淡々と描くアニメであった。
原作のエピソードを春夏秋冬に分配して並べなおし、半分以上あるオリジナルを交えてエピソード間のつながりを補完、キャラクターの設計じたいも再構成。
デザインは原作の絵柄じたいが変遷しているのだが、パッと見では原作よりも小学生っぽく見えるようなデフォルメの効いたデザインながらも、髪型や服装などのパーツ単位では原作を尊重、色だけキャラごとに差別化。ときどき入るリアル顔は原作と全く同じ。
一見すると原作と違う絵柄のようだが、あれで完成している。

テレビ版特有の要素として、どうも舞台が現代ではないらしい。これの原作漫画を含め、世にあふれる学園物では体操着が説明無しにブルマを採用しているが、このアニメはどうやらブルマがまだ存在していた頃、放送の十年以上前くらいを念頭に置いており、駄菓子屋があり、ゲーム機とか携帯電話等は排除されている。ここで描かれているのはどこか懐かしい(おそらくは実在しそうでしない、大人から見た理想の)小学生時代である。
ホウキでギターをやったり、台風が来て騒いだり、体重を気にしたり、じゃんけんで必死になったり。ささいな出来事の積み重ねで、キャラクターを語っていく。
必ずしもエロい必要はない、むしろ邪魔。だから原作で影の薄い男子キャラも性格を補強されて重要な役回りを与えられる。
彼らがいなければ女子の比率が不自然に高くてリアルさが薄れてしまう。男の中の男であるリョータが男子と絡まないことじたいが不自然なのだから、ツバサもコウジも対等なキャラとして進化する必要がある。男女が対等な状況こそ理想だと思う。

問題はこんなスバラシイ小学生アニメを深夜に放送して誰が見るというのか、ということだ。

イマサラ・2

2010-09-17 20:54:13 | 未解明
「今日の5の2」はテレビ放映よりもかなり前にOVA化されている。しかもかなり原作に忠実な内容で。
売り文句は「ライトエッチな学園コメディ」。小学生の女子がパンツ出したり半裸になったりする。原作もそういう路線で売ってたので不自然なエロ強化というわけでもなく、実際OVA版の評価は高いようだ。
だからテレビ化する意味が無いような気がするのだが、してしまった。
地上波の規制に適合するようエロ要素も削らにゃならないので、テレビ版にはパンツとか全く出てこない。
つまり表面的にはエロで売れたような原作に対して、テレビ版はむしろ内部からエロ以外の要素に重きを置いた一撃必殺のアニメ化という手法を用いた。
事実として、原作も単なるエロではなく、単行本の紹介ではライトエッチなどというオメガ恥ずかしい単語を用いずに「小学生ブルース」というそれはそれでどうなのかという紹介がされるようになっていた。
小学生時代の「あるある」みたいな。

ちなみにパンツは無いが全裸ならある。原作にもOVAにも無いテレビ版だけのオリジナル。

イマサラ・1

2010-09-17 19:14:39 | 未解明
今日の5の2(テレビ版)をいまさら見ていたりした。
自分の中でF-ZEROファルコン伝説以来の傑作だった。もっと早く見ておけばよかったと後悔しつつDVDを注文してるところ。

「今日の5の2」という漫画は単行本にして一冊、一話10ページの全23話(最終話は前後編なので22エピソード)。
※一話だけ未収録で「みなみけ」に収録されているが、そのぶん「5の2」にはあまり関係ない別の短編が載ってるのでページ数は同じ。なんで収録しなかったのだろう?
全話で230ページなのでジャンプコミックス一冊よりは多いが、とても1クールも放送できるだけの原作は無い。全盛期のドラゴンボールZなら23週に渡って放送することもできたかもしれないが、もちろんこのアニメはそうしなかった。
全13話の放送に対して、1話あたり3~4くらいのエピソードをつぎ込んで、最終エピソードだけ1話まるごと使用。
結果として原作22に対して、アニメ版は49エピソード。
半分以上オリジナルである。なお原作は変なふうにオリジナル化せずに、きっちり消費しきっている。
最近のアニメ事情は詳しくないけど、けっこう珍しい感じじゃなかろうか。