相台万朗Sodaiブログ

和歌山からきて今は千葉県人に、東京銀座でウエスタンバンジョーの店を36年間やらせていただき、もっかしたずみしてます。

ある男の物語 (連載―406)

2022年07月08日 | 経験・体験
今から40年ほど前にさかのぼり、ある男は、人も好きずきと言われる女性を好きになった。

 彼女から一枚の写真を見せてもらった。バイクの方が大きいのだろうか、バイクをついた、ポッチャリと可愛い女の子。
 
彼女は歌も上手かったが、ピアノも上手かった。   
学校の先生も2年ほど経験もあり、とても真面目で好かれるタイプだ。
酒が好きだった。

私の銀座の店で出演するようになって、彼女が出演の時は、いつもご来店いただいた。
いわゆる彼はおっかけだった。

座る席も彼女のすぐ近くの席に決まっている。
来れない時は決まって連絡をいただける。

私ではあり得ないことなんだが、彼が彼女を好きになった。
このままの間柄でいいのだが、結婚したって旨くいく筈がないのに、
恋は盲目だ。

彼女は、男の存在を、いちファンとして見てきたが、男は呆気なく失恋した。

34年目にして彼が彼女に失恋した。
2年ほど前に彼が末期がんの診断を私に打ち明けられ、もう余命からすると
よくここまで生き延びられた奇跡だ。

お医者さんから大腸の再検査に来るように言われていたが、てっきり本人は痔だと判断して行かなくて大腸がんとして診断された時には余命が宣告された。

彼は、なんでも笑いで済ませているようで失恋で落ち込む性格ではないように思ったが人それぞれだ。

心配で、あくる日、彼の入院していた病院を訪ねたら、住まいのマンションに帰ると外出なさっていると看護婦さんから聞いた。
嫌な胸騒ぎがした。彼がマンションから飛び降りたらしい。

お姉さんがいらっしゃるとも知らず、そのお姉さんから連絡をいただいた。よかった身内がいて。

失恋で鳥になったのか何を勘違いしたのか空を飛べると思ったのだろう。
もしかして、空を羽ばたいているかと空を見上げてたが何の変化もなく都会の雑踏だけが聞こえた。

この世に男と女がいるかぎり愛称も思惑もある。
こんな筈じゃないと離婚するケースもある。
愛し合った仲なのになんで離婚するのだろうと思うことがある。

ある知人の娘さんの結婚式に招待され、有名なホテルで行われたが、半年で離婚した。
よかったね。また、娘さんと暮らせる。と冗談で話しかけたが、にや!と笑顔を見せた。

この世に生まれて一度のチャンスで幸せにあたるカップルもいる。
離婚するカップルもいる。

戦争も勝ち負けはあるが戦場の街中で男も女も逃げ回る姿は見たくない。

昔、中東の砂漠で戦争があった時も茶の間で実際の戦いの模様を見た。

今回も遠くの空で人が殺し合いの現場を見せつけられると殺し合いが映画でも見ているようで麻痺する。
嫌だなあ、標的にテレビゲーム感覚でマウスをクリックすると海上に浮かぶ戦艦が海に沈んでいく。

 戦艦には何百と人がのっている。幾人の恨みも海にさまよっている。

日本の国土の何十倍も広く、国土を守るために戦争をする。
日本の何十倍も人口と民族を抱え、減らすために戦争する。
場合だってあるとしたら恐ろしい。

 昔、【人海戦術】(じんかいせんじゅつ)という戦術を聞いたことが、兵員の多さに任せて、強固な陣地に突撃させて、数の力で敵軍を押しきろうとする戦術。
 
こんな戦術が21世紀の世界に使われることだってあるような気がする。

貧しいものが借金のかたに、戦争に狩りたてられる現実を突き立てられることもある。

日本の人口が1億2000万が人海戦術で全てなくなっても影響しないところもある。

生きる術(すべ)は一人一人にかかってくる。
ミサイルが飛んで来たら、トイレ付、水・食料付の避難できる地下施設があるのだろうか。

 ある男の物語で、ある男は死んだが、生きる術を教えてくれた気がする。
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