今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

回診の頻度について

2010-01-09 22:58:39 | 医療ネタその他
Twitter、Facebookと続いたやりとりから、考えさせられたこと

それは、「回診の頻度」

ある日、Twitterに「1日3回、回診をする」という書き込みがありました

「3回はすごいな~」と思いつつ

そういえば、日本では「患者さんを必ず朝夕見に行くように」という自分と同僚がいたと思いたち

ではここミシガンではどうしているかな?と考えてみると

大学家庭医病棟、チェルシー病院、大学小児科病棟、循環器病棟、全て1日1回が基本ということに気づきました

他のレジデントに聞いてみても、やはり同じ経験です

勿論、必要があれば何度も患者さんを見に行きます、当然

ただ、基本は午前1回です

何故かと言うと
1.忙しすぎて、物理的に全回診を1日2回は無理
2.電子カルテでの入院患者のノートは1日1回が基本

2.に関してはアメリカでの診療報酬の払われ方におおいに関係していますが

1日2つ以上のノートを書いても、全く収入にならないのです

逆に、1日1回書かれたノートの内容、濃度に応じて診療報酬が決まり、それがアテンディングの懐に直接入ります

まあ、2.はともかく、1.の忙しすぎるというのが現実かなあ~と自分なりに分析していたのですが

Facebookでアメリカ帰りの先生とのやりとりの中で、考え直させられました

その先生の施設(家庭医プログラム)では1日2回の回診が風土(文化)として浸透していたとのこと

夕方にサインアウト(引き継ぎ)をする前に、患者さんの状態を再チェックするのは当然という意見です

これは至極もっともです

ということで、早速チェルシー病棟の私のチームではインターンと

「朝夕1日2回、回診を基本ルールにしよう」と話し合いました

そしてこれを、自分たち家庭医レジデントの基本ルールに浸透させようと目論んでいます

とりあえずは、回診頻度と、患者ケアのクオリティに関するペーパーでもないか探してみましたが

Sit-down roundsの頻度が、ケアのクオリティに相関するというペーパーはあるものの

ベッドサイドroundの数に関するものは見当たりません

ベッドサイドに通う頻度を増やすのが良いことなのは、直感的に分かりますが

やっぱり大勢を説得するには、もっともらしいペーパーでもあればと思ったのですが

どなたか、ご存じないでしょうか?