長く低迷する日本経済、地方の中小企業こそが活性化しなければ、本当の意味で日本が元気になったとは言えないでしょう。
そういった意味で地方の経済再生のためにはやはり地銀さんの活躍が大切なようです。
本日の日経MJに次のような記事がありました。
「地銀、地域の”食”育む」
・地銀が農林業や地場の食品業界との取引を強化している。製造業を中心に資金需要が低迷し、~~地銀は「農」や「食」を今後の成長分野と位置づけ、地域経済再生の切り札に据える。
・愛媛銀行の感性価値創造推進室は同行が昨年5月に「銀行の殻を破る」ために設けた販路開拓に悩む取引先の相談所だ。地域経済が低迷するなか地元企業の業容拡大を後押しし、融資など銀行の本業につなげる効果を期待されている。これまで売れなかった理由は何か。商品の名称か。包装デザインか。検討会議には感性室が紹介したデザイナーやコピーライターも加わる。
・農業や地場の食品会社と小売り・外食業者をつなぐ商談会を地方銀行が主催するケースが増えてきた。
・千葉県でも千葉銀行が6日、農業関連業者向けの商談会を始めて開いた。
・成長意欲のある生産者は金融機関に融資だけを求めているわけではない。
・場所の離れた地銀同士が連携する事例も出てきた。「食の大商談会」が9月、東京で開かれる。鹿児島銀行を中心に鹿児島県内の6金融機関で構成する「鹿児島アグリ&フード金融協議会」と北海道の北洋銀行などのコラボレーション。
・鹿児島銀は農業や食品加工業を、融資だけでなく流通や販売面まで合わせて支援する「アグリクラスター構想」を推進している。
・「鹿児島の業者はどうすればバイヤーの目にとまるかと言う視点が欠けている。北海道の業者の売り込み方を学ぶ機会にもなる」と話している。
(引用:2010/08/16 日経MJより)
とのことです。
地場産業、地域ブランドといったような面でも農業や、食品は取り上げやすく、小売りやフードサービスと、農業・食品業界のマッチングへのニーズが一致してきているといった条件が重なり、ちょうどうまく「農」「食」を地銀さんに取り上げていただいているようです。
こうした取り組みはぜひ、「農」「食」だけでなく、他の業界にも広げていって欲しいものです。
地銀さんのビジネスドメインも、時代とともに変わってきているのかもしれません。
他人のビジネスに資金を融資するだけではなく、「成長意欲のある中小企業に、(販路や専門家など)ビジネスをマッチングさせるコーディネート機能を、幅広いネットワークで提供する」といったような変化です。
経営学者のエイベルのいう3つの要素CFT(だれに、なにを、どのように)風にたとえてみましたが、地銀さんに昔からこういった機能や役割はあったと思いますが、最近はそれがより色濃くなり、かつ必要とされてきているのでしょう。
地銀さんには中小企業診断士の資格を持つ、商売感覚に溢れる方が多くいらっしゃいますので、今後もこのような企画やアイデア、支援策を生み出すことができるでしょう。
こういった取り組みから、融資にもつながり、中小企業も実益につながり地域が活性化するといった「好循環」になっていくと思われます。
ぜひ一時のブームですますことなく、また、他地方の地銀さんも、社を挙げてこういったことに取り組んでいって欲しいものです。
さて、あなたのビジネスでも、地銀さんのネットワークを活用させていただくことはできないでしょうか?