ペーパードリーム

夢見る頃はとうに過ぎ去り、幸せの記憶だけが掌に残る。
見果てぬ夢を追ってどこまで彷徨えるだろう。

半殺しの秋の夜

2010-10-09 03:35:36 | 美味いただく
101005.tue.

「どう? これくらい半殺しにすればいいかな」
「どれどれ。うん、いいんじゃないか」

話しているのは、中年の男二人。
新宿のとある一軒家の台所で、
男たちが互いに額を寄せてのぞき込む先には、
ほどよくつぶれた真っ白な炊き立ての新米。
なんて物騒な会話だろうと思われたでしょうが、
これ、先日、「五平餅を作って食べる会」でのひとコマ。


長老のO先輩の家の台所には何でもそろっていて
寸胴鍋、精米機、すり鉢などなどが本日も活躍。
今回はこのために、コンロと炭を新しく購入。

先に来ていたS君(なんと陸上部門での五輪出場経験者)の
「五平餅には当然胡桃ダレでしょ!」という一言で、
T兄がすでに胡桃を調達済み。

半殺しについた米は適当な大きさの円盤型に整え、串(今回はわりばし)に刺す。

胡桃はすり鉢ですって、砂糖と醤油で味をつけ、日本茶でのばす。

その間に炭を熾して、焼く準備万端。


五平餅を両面あぶって水分を飛ばし、
表面をカリカリの状態にしていったん皿に移す。
この焼きの作業の、予想外に楽しかったこと。


そうして、あとは胡桃ダレをつけて焼くだけとなった頃に
本日の参加者が続々と登場。

2年前、ひょんなことから知り合って以来、
たびたび飲み会を開いている飯田高校の同窓生たち、徐々に増加中。
本日は9名が集合したわけだが、
この広い東京で、年齢差30歳の男女がなぜここに、
昔から知っている親戚同士のように五平餅をほおばっているのかしら?(笑)

 

「秋の収穫の頃に、おふくろが作ってくれたなあ」
「人が集まるたびによく食べさせられていたよね」
「タレはやっぱり胡桃だよな」
なんて言い合いながら、
よく熾した炭でふっくらカリカリにあぶられた五平餅の威力に、
心すっかり半殺し状態になってしまった私たち。
ああ、美味しい秋の夜は更けてゆく・・・。

(おまけ)
O先輩が煮込んだ粕汁も美味しかったこと!


(解説)
五平餅とは、私の故郷である南信州で、
昔から何か行事があるたびに食べられていたもののひとつ。
伊那から木曽、岐阜地方にかけての郷土食。
お米をつぶして小判(草履?)型にして串に刺して焼き、
味噌ダレをつけて食べるものが一般的と思われているようですが、
直径5cmくらいの円盤型のものを2個串に刺したものが飯田地方の五平餅です。
それに胡桃味噌をつけていただくときの美味しさといったら、もう格別!

それにしても、
子どもの頃に大人がすることを見ていたとはいえ、
よくここまで作れたものです。
一同大満足の、五平餅大会でした。
またやりた~い!

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おいしそう! (ねこママ)
2010-10-10 10:36:28
主人の田舎のきりたんぽ会を思いだします。
親兄弟の家族だけで28人!味噌付たんぽに似ています。新米のおいしい季節ですね。
メチャうまでした! (kikkoro)
2010-10-12 02:23:34
ご主人は秋田でいらっしゃいましたっけ?
きりたんぽと成り立ちは同じなんでしょうね。
保存食でもあったのかな?
先月軽井沢に行ったとき、久しぶりに稲刈りの光景を見てきました~。

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