PCがやばい!
というページのまま、忙しさにかまけて
今月はblogを放置してしまいました。
ごめんなさい!
その後も、あれこれといろいろなことがありまして、
ついに年の暮れに・・・(+_+)
備忘録も兼ねているこのblogですから、
今年、書き忘れたことも遡って、ぼちぼち補填していこうと思います。
まず、忘れ物としては大物の「9月の奥能登・五感の旅」から。
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160903.sat.
羽田空港を出て34分!
あっという間に能登半島は「のと里山空港」に到着です。
快晴です。
用意されたバスの乗り込むと、開口一番、
「利き酒には塩!皆さん、持ってきましたか?」
案内の方曰く「岩塩がいちばん」なのだとか。
あれ?何しに来たんだっけ?(笑)
ま、それはそれとして(笑)、まずは一同、来迎寺へ向かいます。
<来迎寺>
真言宗の古刹・来迎寺は、815年、嵯峨天皇の勅願によって青龍寺として建立された。
掲げられた扁額は、その嵯峨天皇の御親筆だという。
後に、平家物語にも登場する武将・長谷部信連が菩提寺として本堂を再建、
阿弥陀如来像をお迎えして、来迎寺とした。
のちに長谷部家の祈祷寺となる。
長谷部家寄進の見事な茶道具もずらり、
お宝が詰まっている様子がうかがえる。
秘仏は信連の守り仏・十一面観世音像で、ご開帳は33年に一度とか。
境内にあるライコウジキクザクラ(来迎寺菊桜)は、
長谷部信連が手植えしたと伝えられる樹齢数百年の古木。
比較的花弁枚数の多い(300枚近くに花びらだそう)菊咲きの桜で
県指定天然記念物です。
「咲いたところはそれは見事ですよ、その頃また来てください」
と帰りがけにお大黒さまが。
<阿字観体験>
創建されて1200年の古刹・来迎寺で阿字観体験。
若い(39歳とか?)御住職さまから説明を受け、
中途半端な座禅を組みつつ、初心者なので、阿息観から。
心の中に仏様が生まれるように、息を吐いて、吸って、、、。
「あーーー」と声が出なくなった後も音を追いかけて吐き尽くしたら、
清らかな空気を入れて体内隅々まで行き渡らせます。
聞こえてくるのは蝉の声だけ、、、。
<万葉和歌コンサート>
本日のメインイベントは、音楽家・佐藤慶子先生の万葉和歌コンサート。
オリジナルメロディに乗せて、大和言葉が蘇ります。
この地を訪れたこともある大伴家持の歌に、
3.11以降の様々な震災から立ち上がる魂を、
明日がまた来るという希望を感じる、と。
古刹の空気を震わせるソプラノに包まれたひとときでした。
秋の野に咲きたる花をおゆびおりかきかぞうれば七草の花 山上憶良
萩の花おばなくずの花撫子の萩の花女郎花ふじばかま朝顔の花 山上憶良
朝月の日向かうつげ櫛ふりぬれどなにしかきみがみれどあかざらむ 柿本人麻呂
春の苑くれないにほふ桃の花下照る道に出で立つ乙女 大伴家持
珠洲の海に朝開きして漕ぎくれば長濱の裏に月照りにけり 大伴家持
能登へご一緒させていただいた佐藤慶子先生のイベントが、
翌日、早速北陸中日新聞に掲載されました。
奇遇にもご主人様も、同じ日、毎日新聞に記事が載ったそうです。
<精進料理>
コンサートの後は精進料理を堪能。
以前、高野山へ行った時と似たようなお膳がずらり並んでいます。
お大黒さん(たぶん)が話す料理の説明を聞くに、
前に採って塩漬けにした山菜を…という件が何度も出てくる。
交通も流通も不便な地方故、またこの職業柄、
かなりの保存食文化が育まれてきたに違いないと思われました。
<幽霊図>
奥能登来迎寺には幽霊が出ます。
もとい、二幅の幽霊図がありました。
一幅はなんと!円山応挙の幽霊図です。
と言われております、ということで、真贋は定かではないようですが、
落款は確かに「應擧」と。
江戸時代、この地のお金持ちが京都で大人気の応挙の絵を入手して愛でていたが、
家人から、気味が悪いのでお祓いをしてほしいと頼まれて、寺の住職に預けたものの、
そのまま寄進されたようです。
もう一幅は、ある小道具屋が、商売がうまくいかないのは幽霊画のせいだと思うから、
戻ってくるまで預かってくれ、と寺に置いて行商を続けたところ繁盛し始めてしまい、
そのまま引き取られずに寺にあるというもの。
「二幅の幽霊とも、胸元に手を入れているでしょう。
きっと若いお母さんに違いない。
乳飲み子を置いて死なねばならなかった切ない思いが伝わってくるように感ずれば、
怖いものとは思えなくなりますね。いずれにしても、
こんな幽霊画が集まるのも偶然ではないでしょう」
と御住職。
讃は詩を作った方と書いた方の二名の名が。
こういうのをスラスラ読めれば嬉しいのだけれど、、、(;^_^A
「嬰児」という文字があったから、やはりお母さんの幽霊なのでしょうねえ。
ほかにもお宝がたくさん。
<酒蔵>
今回、見学させていただいた酒造店二軒。
オフシーズンでもあるので、
小さくても女将さんが丁寧に対応してくれる酒蔵を、
石井監督がチョイスしてくれました。
3日■中島酒造
奥能登に多い蔵元杜氏。
この中島酒造も先代から杜氏をするようになったとかで、
最初に出来たのが「おやじの手作り」。
以降、積極的に新しい酒作りに挑戦してきた。
山廃と生?(きもと)はどう違うの?という質問に窮した女将さん、
にっこりと「息子を呼んできますね~~」。
ここで、日本でいちばん若い杜氏登場。
2年前に急逝した父上の後を継いだ若者です。
桜色のにごり酒「花おぼろ」も復活させたのですって。
先日(10/25)の五行歌会・題詠「技」でこんな歌を作りました。
秋のはじめの
にごり酒
麹の力
杜氏の技
姿勢糺していただきます
試飲は能登の漆の杯で。いろいろな形があって、
お酒の種類で変えるものみたいですが(ワインと同じね)、
試飲は好きな形で。
仕込みで使う和らぎ水を挟みながら、ひと通りいただいて、
ラストは夏にごり。スッキリ旨し。
純米酒伝兵衛と夏にごりと大吟醸の酒粕を購入。
4日■松波酒造
ここも家族で酒作りをしている酒蔵で、
自分が手伝う時はよほど忙しい時、という広報担当の女将さんが
はつらつと説明してくれる。
洗米、蒸米、仕込み、麹作り、上槽、、、
お酒ができるまでの工程の説明を聞きながら、蔵の中を見学。
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女将さんの法被、カッコいいなあ。(売り物ではないとのこと)
看板は「大江山」だが、近年、果実酒や野菜酒にも力を入れているとかで、
「松波ゆず子」は名前もかわいいが味もいい!
日本で唯一というごぼう酒もカラダに良さそう??(と言っては、買う。σ(^_^;))
<白米千枚田>
世界遺産にもなっている千枚田は実りの色でした。
調子に乗って下まで下りていったら、戻ってくるのに汗だくに、、、(;^_^A
海がこんなに近いとは。田と海のコントラストに思わずため息。
<御陣乗太鼓>
ホテルにチェックインしたあと、
海亭(うみてい)のと吉で、能登のお料理を味わいました。
漆の器で次々とご馳走が出てきます。
中島酒造の純米酒「伝兵衛」も。
ふと横の違い棚を見たら、なんと、電話も漆塗り。
(かけられないと書いてあったけど(/ω\))
お手洗いにいたら、便器も漆塗り。(写真撮ってくればよかった!)
さすが輪島です。
夕食を終えて、キリコ会館までそぞろ歩く。
余計な灯りがなくて、夜が深い、感じ。
着くなり、御陣乗太鼓(ごじんじょだいこ)の実演が始まった。
すごい迫力。
序破急の太鼓のリズムが地の底から響いてくるよう。
恐ろしい面をつけた打ち手たちの、迫力ある所作から目が離せない?。
篝火の揺らめきがさらに雰囲気を醸し出す。
子どもだったら怖くて泣いちゃうよ、と思ったら、
目の前で、それを真似して踊りまくるおチビさんがいて、
こうして伝統は人の体に沁みていくのかと思うと、それがまた微笑ましくて。
天正4(1576)年、上杉謙信勢が能登に攻め入ったとき、
武器を持たない名舟村の村民たちは木の皮の仮面をつけ海藻の髪を振り乱し、
夜陰に乗じて陣太鼓を打ち鳴らして逆襲したという言い伝えから、
年に一度の祭りに行われる習わしになったのだとか。
夏の間はほぼ毎日、実演が見られます。
予想外の面白さでした。必見。
さて、
このマンホール何? と思った謎が、その夜になって解けたのは言うまでもありません。