ペーパードリーム

夢見る頃はとうに過ぎ去り、幸せの記憶だけが掌に残る。
見果てぬ夢を追ってどこまで彷徨えるだろう。

上野はボストンの香り

2017-09-29 08:44:12 | 美を巡る
170922.fri.

ボストン美術館を訪れたのは、N.Y.のツインタワーが崩落する3か月前。
そこを皮切りに南下して、公立私立十数館の美術館を巡ったのだった。
パリで見た以上の一生分の印象派の絵を見たんじゃないかと思うほど、
どこに行っても印象派の絵があった。
アメリカってほんとお金持ち。
お金があるところにはあって、先見の明のあるコレクターがいて、
画家にとっても新天地だったわけだ。



金曜日夕方の都美館は、降り出した雨のせいか館内はガラガラで、
覚悟して行ったのに肩透かしをくらう。

時代ごとのカテゴリーやコレクター達といったテーマも非常に明快な構成で、
しかも名作揃い。
エジプト美術からアメリカの現代までサクサクと鑑賞。

ボストン美術館のコレクションの中でも秀逸なのは日本美術だが、
初めて光琳の「松島図屏風」を見たときは、
のけぞったというか立ち尽くしたというか。
それくらいの存在感だった。
それも5年前に東博に来たんだっけ。

美術館開館以来一度しか展示されたことのなかったという英一蝶の「釈迦涅槃図」。
今回のために一年かけて修復したという映像も興味深い。
蕭白の「風仙図屏風」は画集でもお馴染みだが、これこそ本物に勝るものなし。

五百羅漢も浮世絵も、どんどんお里帰りして、元気な姿を見せてほしいですね。

もちろん有名どころの印象派の画家達の絵もずらり。
コレクターの特色が出ているところでは、
クールべの花の絵が珍しくてよかった。



上野公園の中でも煉瓦造りの都美館の周辺は、
どことなくボストンの街並みを思わせます。

 

秋のベリィショート

2017-09-22 03:04:26 | 暮らしあれこれ
170920.wed.

秋のベリィショートにリセット。



鋏より重いものは持たないというホンダさんんの指の力は実は強くて、
いつになく念入りな頭皮マッサージの快感にクラクラ。
気だるいスパニッシュミュージックが耳を通り抜けていく。

「さ、できました。カッコいいでしょう!
どうです、このバックの髪の柔らかい感じ」

いつもの彼の自画自賛に、大いに賛同(≧∀≦)

今回はサイドをしっかりかりあげ君f^_^;
前髪の斜めライン、上手いなあ。

 

黄葉した桜葉が目黒川を流れています。


 

よくあるささやかな偶然。

2017-09-21 01:37:14 | 暮らしあれこれ
最近の小さな引き寄せ? メモ。

9月10日。

ボランティアの勉強会の後、友人Mさんと銀座でランチ。

M「この間タクシーに乗ったら、
  運転手さんが岸伸介とマッカーサーの話をし始めてね、、、」
私「なにそれ?(笑)」

思いがけない岸伸介からなぜか皇室の話にまで広がって、さんざんおしゃべり。
銀座ドンピエールのローストビーフ丼、ボリュームたっぷり、美味でした。


別れた後、銀座松屋へ。

義妹の誕生日プレゼントを買って帰ろうと思ったけれど、ふと思い立って8階の催事場へ。

「ガラスの仮面展」やってなかったかな、と思い出したんですけど、終わってて f^_^;、

「矢萩春恵と門人書展」の真っ最中でした。
ま、いっかと思い、入場したら、いきなりそこに岸伸介の書が2点!

はあ??? なに、この岸伸介つながり?(笑)


、、、孫はこんな立派な揮毫は残せないだろうな。

9月13日の夜。

高校の先輩M氏(60代後半)からグループLINEに投稿があり、
「今日は朝から玉置浩二のCDを聴いてます。やっぱり上手いなあ」
ふーん。と思って、ひとまずイイね!スタンプ(笑)。

翌日の歌会で、歌友から普段は買わない夕刊フジを譲り受け、パラパラ見てたら、
「1958年9月13日、玉置浩二生まれる!」という見出しが。



へ??? f^_^;

M氏はもちろん、そうとは知らずに聴いて、その感動を私たちに発信したらしい。

たいしたことないですけどね。f^_^; よくあるささやかな偶然。

金沢 memo ②

2017-09-20 03:14:28 | 旅する
170828.mon.-2

午後は、一度行ってみたかった港方面。
ブランチ後、Sさんをピックアップして大野地区へ。

 

時間的に店仕舞いを始めた金沢港いきいき魚市。
残っている魚の知らない名前を復唱しては、いちいち感心する。
出世魚・鰤の別名、フクラギは去年輪島で覚えたけど、
コゾクラというのは初めて聞いた。
10尾以上入った朝獲れのコゾクラが
「一箱1800円、安いよ、持ってって!」って言われてもねえ(^^;;



結局、土産用に買ったのはつまみばかり。
フグの卵巣の糠漬け、ノドグロ入り蒲鉾、干しホタルイカに、
見栄えは悪いが味は極上、鮮度が落ちやすい故にローカルフードという干しガスエビ。



加賀の伝統野菜・五郎島金時の畑です.



次は、江戸時代の北前船に遡る歴史を持つヤマト醤油味噌。
ヤマトを漢字で書くと「山藤」っていうの、知ってた?
麹と糀、どう違うか知ってた? (東急リバブルのCMではありません(笑))

 

富山のお醤油は甘いけど、試食した金沢のも少し甘い。生醤油はピリっと香り高く。

「一汁一菜一糀」。発酵食は美人食。
糀手湯に手を入れてたらしっとりすべすべになりました(^_?)-☆
糀菌の棲みついた匂いって居心地いい。



さて、Sさんのお宅へお邪魔すると、もう「素敵~~~」の連発。
マンションなのに、まるで一軒家。ペントハウス兼ギャラリーみたい。
というのは、蒐集されたアート作品が
リビングはもちろん廊下やベランダまで所狭しと並べられていて、飽きないんだもの。

 

Sさん宅のマンションにて。時計草が時を刻みます。



ひとしきりおしゃべりしたあとは、西の空には大きな夕焼け。
「金沢の空は広いよー」と、長い東京暮らしから、第3の人生は金沢で、
と決めたSさんご夫妻の心からの声が、しみじみ胸に響いた夕暮れでした。

 

楽しかった~~富山&金沢。

 

大友楼のお弁当をいただきながら、東京に向かいました。

金沢 memo ①

2017-09-20 02:58:23 | 旅する
170828.mon.-1

アパホテル金沢中央は露天風呂付きでした!
昨晩、ギリギリで屋上の露店に駆け込み、いい湯だな~♨
で、ぐっすり眠って、早起き。



朝6時半の加賀の空です。
むくむくと羊の群れが空に湧いてくる。
秋の空だ。秋の空には、鰯、か。(笑)

 

北陸新幹線が金沢まで開通した年の4月、ここを歩いたのだった。
小雨混じりの日で、
折りたたみ傘にはりついた桜の花びらごと帰京したことを思い出す。

 

このところの雨のせいか、用水路の流れは早く怖いくらいだったが、
「土塀のまちなみ」、朝9時台は人通りもまだ少なく、情緒たっぷり。

 

 

「老舗記念館」(ネーミングがすごい!加賀の老舗企業が丸わかりです)、
「前田土佐守家資料館」(前田利家次男の家系。
企画展で見た、まつの達筆ぶりと教養の高さと情感の濃さに感服)を堪能。

 


再訪したかった21美も大拙館も月曜休館だから仕方ない。
おかげで、暑くなる前の古い街並み散歩ができました。

 

ホテルに迎えに来てくれたYさんの車で、腹ごしらえ。
(また?って思ってるでしょ(^^;;)ブランチよ、これ。(一応二人分)

 

地元野菜が美味しくて、前菜とは思えないバーニャカウダでした。

富山へ②

2017-09-19 03:22:31 | 歌を詠む
170827.sun.

二日目。



一般社団法人未来短歌会通常総会。
続いて歌会。という名の怒涛の作品批評会。
会場後方で、書籍や原稿用紙の売上集計をしながら。

 

美味しいお弁当でした。

終了後、
大正2年からあるというトラムで富山駅まで向かう。
珍しい乗り物を見ると、撮り鉄になってしまうのは何故かしら?(笑)

 

 

仲良しになった丸山さんと、あいの風とやま鉄道線で、金沢へ。

今宵の宿泊はアパホテル金沢中央。

4月から金沢に移り住んでいるSさんと、
五郎八で加賀の美味しいものをお腹いっぱい。
なんせ、昨晩はビュッフェ形式だったため、
きときとの富山の魚にはお会いできずだったのです(( ;∀;))

 

その後、Sさんのご主人様の待つ(だいぶ待たせた(^^;; ごめんなさい)
bar EST TAKAHASHIへ。



これが今回の目的だったのではないか、と勘違いしそうな北陸の晩。
明日もきっと楽しい(⌒∇⌒)

富山へ①

2017-09-19 03:17:43 | 歌を詠む
170826.sat.

9時半に富山着。
書き割りのような綺麗すぎるお城を眺めて、国際会議場へ。

 

 

未来短歌会富山大会。
短歌・文学シンポジウム「家族詠の現在」。



岡井隆先生の基調講演は土屋文明の家族詠の紹介。
意外な歌を残していたことにクスリ。

ミステリー作家の北村薫氏と、未来選者・黒瀬珂瀾氏の「現代短歌のかたち」。
著書に「うた合わせ 北村薫の百人一首」を持つ北村さん、
作品や作者の背景を知らないまま、
意図せず意図したような二首の組み合わせをしていたこともある、と。
黒瀬さんは、そのように二首を選んで読み解いていく手法を
「連歌のよう。作者の意図を置いて、別のひとつの物語が生まれる」

佐伯裕子先生、嘉多昭夫氏、高島裕氏、服部真里子さんによる討論。
・佐伯先生:「家族を言葉で切りとる難しさ」
     子との葛藤、親との葛藤がどう詠まれてきたか

・喜多さん:「介護と男による育児から見えるもの
                ~共生への道を求めて」
      短歌とは「真」を書くこと。
      それによって誰かを傷つけることもある。
      プライバシーの問題は大きいが、腰を据えて書くには
      ファンタジーにするか物語化するか。

・高島さん:「子どもの誕生と育児に向き合う男性歌人の歌」
      大松達知、黒瀬珂瀾、光森裕樹を取り上げる。
      3人とも旧仮名文語体の詠み手。

・服部さん:「家族と暴力」 
      なぜ、家族の中で暴力が起きやすいのか
      なぜ、最近家族の問題(暴力含む)を詠んだ歌が増えてきたのか

開会前と休憩時に、いつの間にか係になってしまった(;^_^A書籍販売を。
北村さんのサイン会、予想以上の行列。

最後は懇親会。

 
朝方まで雨だったようですが、
窓から見えた見事な夕焼けに感動。

 

ホテルまで歩く途中で見た夜の公園の噴水といい、思いがけないサプライズ!


濃い~一日でした。

ありがとう

2017-09-12 01:32:30 | 乳がん…その後
170911.mon.



Bombay sapphire の瓶の青さに引き込まれそう。
人生ってこんなふうに続いていくものかな。


16年前の9月11日、大型台風が東京を直撃し、
中央道も飯田線ー中央線も不通になって、
来てくれるはずの母は実家に足止めされた。

聖路加国際病院で乳がんの手術を受けた
この日の晩に起きた、未曾有の大事件。
当然、眠れなくなってしまって、
朝まで夢中で病室のテレビを見続けたことを
今も鮮明に覚えている。

「もう今までのアメリカとは違う。
アメリカは生まれ変わらなければならない」
インタビューマイクを向けられた青年の言葉は、
そのまま私の胸に突き刺さった。
アメリカが変わるなら、
私も生まれ変わらなければ!
素直にそう思った。

半年休職して、抗がん剤治療をして、翌年、職場復帰。
しかし、これまでと変わらない働き方に疑問を覚え
(そこで、ようやく(;^_^A)、夏に退職。

それから、なんてたくさんの出会いがあったことか。
あのままずっと勤めていたら、今の私はない。
何よりいまごろ過労死していたかもしれないし(笑)

どこで誰と行き交うか、どんな出来事に出くわすか、
人生航路は本当に不思議。

ありがとうございます。
家族、友人、主治医、、たくさんの人たちに支えられて生きてこられて、
そしてこれからも生きていく。
私の人生航路で巡り会う人達にすべてに、感謝の気持ちを捧げます。

今日は「ありがとう」の日。



トロピカルフルーツのフローズンカクテル。美味し(^^♪


有楽町にこんなんありました?現代版TAROか!?

葉月の訪問ボランティアを終えて

2017-09-06 01:54:18 | 乳がん…その後
170829.tue.

2人の患者さんと話した後はぐったり。



前夜、金沢から帰京して、
溜まってた野暮用を片付けてたもので、さすがに疲れが、、、(^^;;

手術が終わったといっても、本当の闘いはこれから。
病理の結果が出るまでの、
体は元気でも揺らぐ気持ちが収まらない不安定な自分のカラダを、
どんなに持て余しても、どうやって鎮めたらいいのかなんて、
誰にもわからない。

悩んで、泣いて、自分をなだめて、少し前を向いて、、、
そんなことを何度も何度も繰り返しながら、
気がついたら、あれ、ここまで来てたんだ、って
意外とちゃんと立っている自分に気づくのだ。

郁子の実が少し色付き始めている。



旧チャペルにて、日野原先生のご冥福を祈る。
先月はやはり、献花の方々ですごい行列だったんだそうな。
天国のYさん、Nさんへもいつもの挨拶。

 

隅田川は今日もたっぷりの水を抱えて、
近未来的な船を軽快に滑らせていた。