ペーパードリーム

夢見る頃はとうに過ぎ去り、幸せの記憶だけが掌に残る。
見果てぬ夢を追ってどこまで彷徨えるだろう。

題詠blog2011 未投稿歌091~100

2011-09-10 00:48:49 | 題詠2011
091:債
092:念
念力が使えればいいなあんなことこんなことまでできる妄想
093:迫
094:裂
雲を裂き五本の爪で空(くう)掴み龍の如くに走る稲妻
095:遠慮
096:取
夕暮れの郵便受けから取る手紙ひそとした気配纏ふ封じ目
097:毎
「田毎」とふ日本蕎麦屋に通ひくる礼儀正しきロックンローラー
098:味
味気なき映画のラスト見た夜に街の花屋でプリムラを買う
099:惑
メールより手紙を運ぶ手伝いをしたい優しき山羊棲む惑星
100:完
鍋買いに巴里のマルシェに飛び込めば完熟果実の甘き誘惑

題詠blog2011 未投稿歌071~080

2011-09-10 00:46:04 | 題詠2011
071:謡
幼き日友と歌いし童謡の「夕焼けこやけ」思い出す空
072:汚
マンホールに書かれた「おすい」が汚水だとわかったときの微かな失笑
放射能汚染の水の行き場なく人類生みし文明なれど
073:自然
堂々と大地の奥に根を張れる自然薯抜きたる跡の深闇
074:刃
「さ迷える刃」なる連載小説を待ちて週刊誌買いし日々あり
075:朱
076:ツリー
夏の夜を仰げば数多星くずの光のツリー瞬いており
077:狂
狂うとは差別用語かこの文字に事件の報道あふるる現代
078:卵
ゆで卵の殻をツルリとむけた日の夕焼け空が黄金に染まる
079:雑
木洩れ日の写りし窓に置かれたる雑記帳から抜け出す記憶
080:結婚

題詠blog2011 未投稿歌061~070

2011-09-09 00:59:06 | 題詠2011
061:有無
062:墓
風凪いで夕焼け雲のほっかりと青山墓地の空に浮きおり
063:丈
スカートの丈を詰めれば膝小僧笑いて眩し十五の娘
064:おやつ
おやつとふ言葉の響き懐かしく心の中のアルバムめくる
065:羽
鳳凰は羽根をふわりと広げ立つ千年前と同じ姿勢で
羽根ペンの先から生まるる細長い文字で彼女は人生語る
鳳凰の羽根は語りき千年の人の暮らしも思いの統べも
ミツバチのかすかな羽音聞こえますか 深呼吸して一歩踏み出す
羽根持ちてバブル時代を席巻し騒ぎし世代「あの人は今?」
066:豚
豚足は美容食だと言ひて喰ふ女子集まれば賑やかな夜
067:励
「かほちゃんがゾウのワッペン買ったげる」我を幼が励ましし夏
068:コットン
薄紅のコットンにシトラスの香の化粧水吸わす夜は穏やか
069:箸
070:介
親切とお節介なる行動は紙一重なり空に筋雲

題詠blog2011 未投稿歌051~060

2011-09-09 00:57:39 | 題詠2011
051:漕
052:芯
トイレットペーパーの芯も使いよう創意工夫の子の糸電話
053:なう
「ギャル」「なうい」死語と呼ばれし言葉にも時代の風がかつて吹きたり
「ランチなう」「吉祥寺なう」呟きて何を確かめているのか君ら
054:
丼をはみ出す海老のかき揚げの潮の香りを春に味わう
055:虚
虚無僧の眼見えねどその手には篤き情けの温もり宿す
薫る風渡れど虚ろなる視線五月病ひの若者の居り
056:摘
ひたすらに背を丸めて新茶摘む翁の指の確かな動き
我が内に生まれし反乱分子たち摘出されて甦る朝
057:ライバル
058:帆
ひところは帆布バッグの流行りいて猫も杓子もOLも持った
059:騒
060:直
太陽を従え影を真っ直ぐに伸ばして歩く砂漠の道を

題詠blog2011 未投稿歌041~050

2011-08-24 23:36:29 | 題詠2011
041:さっぱり
洗い立てのデニムのシャツをさっぱりと羽織りし君のまぶしきえくぼ
042:至
麓より峠に続く風のみちのぼりつめれば空へ至るか
043:寿
英国の未来の王の幸せを寿ぐやうに飛び立つ鳥の
福禄寿逆さに飾り幸福を逃さぬやうにまじないすなり
白寿にて大往生せし祖父の字に豊かなる人生思ひて黙す
044:護
目に見えぬ放射能より身を護る術のなければ不安は尽きず
モンスターペアレントなる保護者らの気持ちを聞きてやや肯(うべな)へり
045:幼稚
万国旗はためく春の幼稚園ちびっこたちが息急き駆ける
046:奏
柔らかき少女を絵本に描く画家が今日のびやかにチェロを奏でる
047:態
ナナフシの擬態となりて身を守る 街に紛れて生きる人おり
048:束
ツメクサの花輪もスミレの花束も押し花にしたセピアの記憶
049:方法
折り紙で鶴折る方法聞いた君異国の子らに教えるために
布を織り絣を創る方法を伝えし先人の知恵の尊し
050:酒
酒田には米も魚も潤ひて庄内平に風ゆきわたる

題詠blog2011 未投稿歌031~040

2011-08-24 01:39:28 | 題詠2011
031:電
宇宙から届く電子は正確にパラボラアンテナ目掛けて墜ちる
電飾もソーラー使い輝けば暗き町並み微笑みており
032:町
中央と南に連なるアルプスを仰ぎ育ちし故郷の町
033:奇跡
生きている奇跡出会えたこの奇跡日々起きている。地球のどこでも
車から投げ出されしも生きている奇跡を思ふみどりの日には
034:掃
035:罪
永遠の美しさへの公式があると教える女性誌の罪
036:暑
避暑の地は涼しいいだらうか君からの葉書の文字の温度を探る
037:ポーズ
古の雛人形(ひな)のポーズはかしこみて動かぬ眼の中にある闇
038:抱
いつの世もいい子に育つ条件はおっぱい抱っこお友だちかな
039:庭
「この虫はね貴重なんだよ」校庭でトリノフンダマシ見つめる少年
柿の木に無花果石榴はなの庭手入れす祖母の夢に顕ちたり
040:伝

題詠blog2011 未投稿歌021~030

2011-08-23 01:16:21 | 題詠2011
021:洗
ごしごしとひとの気持ちも洗えたらいいね空から陽の光降る
憧れのスーパースターと握手した手は洗わぬと君は十代
022:でたらめ
でたらめに降るふりをして春の雪己が選びし場所におりたり
023:蜂
蜂の巣の規則正しく並びいて神がつくりし摂理を思ふ
遥か先に養蜂場の赤い屋根見えて駆け出す故郷の空
024:謝
なにげない日々の幸せ感謝して夕焼け空に言葉を仕舞ふ
025:ミステリー
目的地気づかず過ぎてミステリー終着駅にて犯人わかる
026:震
027:水
蝙蝠も飛ぶ春の夜は揺らめきて水琴窟に花びらの舞ふ
028:説
小難しい説明書きを読む前にまずは動かすB型の我
029:公式
君の脳の中を占めたる公式をときに蹴散らしたくもなる春
どれほどの公式解いてきただろう役に立つこと考えもせず
030:遅
遅々として汚染とまらぬ原子炉の周りで鬱ぐ人びとの顔
サバンナで逃げ遅れたるシマウマの瞳哀しき野生の掟
願わくば時計の歩み遅くなれ肩を並べて同じ空見る

題詠blog2011 未投稿歌011~020

2011-08-21 00:46:33 | 題詠2011
011:ゲーム
鮮やかにダンクシュートを決めたのちブザー響いてゲームオーバー
012:堅
空仰ぐメタセコイアの堅き幹耳を当てれば地球のいのち
013:故
届きたる物故者名簿のインクから遥かな刻が迫りくるなり
はじまりは出合い頭のような事故 巡り合うべき君でありたり
アルバムの故人の笑顔指さしてなぞる幼のもも色の爪
まつ毛なき故に思いをかきたてるモナリザの君の謎の微笑み
014:残
ぽつねんとバス待ちながら植え込みの残り雪蹴る春はもうすぐ
015:とりあえず
とりあえず卵を焼いて弁当の彩り添える忙しない朝
片付けは「とりあえず置き」が悪いのとわかってはいるさてとりあえず
016:絹
絹の道時空を越えてよみがえる平山画伯の筆の先から
木綿より絹ごし豆腐は艶めきてよそ行きの顔で棚に並べり
017:
若者の失業率は高くなり国はますますうつむきていく
そのむかし失恋ボートとと呼んでいた池も春には桜で染まる
018:準備
成功の八割はその確かなる準備によると恩師言いたり
019:層
この青き地球を覆う成層圏宇宙の欠片永久(とわ)に廻して
大空に高層ビルのにょきにょきとはえてもうすぐ春の風吹く
020:幻

題詠blog2011 未投稿歌001~010

2011-08-18 00:15:50 | 題詠2011
今年も未投稿歌が山ほど・・・といいたいところですが
お手上げのお題もたくさんありまして…。
いいお勉強になりました。
まあとりあえず、下手な鉄砲も数打ってみれば…ね?(笑)


001:初
書初めの「白いはと」なるお手本と幼の小さき手のひら眩し
002:幸
足元に燕は死して幸福の王子の眼にも輝きはなし
幸せにしてねが昔の女なら幸せになる!は平成娘
003:細
うっすらと赤みを帯びて横たわる細き月在りビルの隙間に
004:まさか
あの朝にたまさか君に会えたのは必然であり神の導き
005:姿
姿勢より出る心の有り様に触れし春日神社(かすが)の神事の人等
遥かなる空に向かいて弓なりに跳ぶ君の背よ清しき姿
006:困
先生の困った顔が好きだった黒板消しを窓から叩く
病名を知らせず妻を怒らせたテレビで見せぬ彼の困憊  *彼(田原総一郎)
007:耕
耕しておれば幸せ土からの返事に君は微笑み返す
008:下手
サブマリン山田久志の下手投げ生涯284勝
大舞台下手より出た道化師は哀しく笑ふ膝折りたたみ
009:寒
手袋をなくした夜は珈琲をほろ苦く煎り明日を思ふ
手袋を買わねば夜は寒かろう仔ぎつねの手は凍えているか
寒々と照る月明かり背にするも君の言葉は闇に溶けゆく
18の頃に読みたる小説よ阿寒に果てし少女がひとり
010:駆
駆け出すと景色流れて朝もやの中に微かな水仙の香の
本当の友情なのかあの賭けは友のためにとメロス駆けた日