先日の朝日新聞「声」欄に、高校の先生からの投書があった。
世界史を教えていて、生徒のカタカナの書き間違いが目につくと言う。
「レーニン」が「レーニソ」になったり、「クリミア」を「クリシア」と書いたりする高校生がかなりいるのだそうだ。
「リ」と「ソ」、「ワ」と「ク」の誤りも目立つと言う。
インプットのときに読み間違えている可能性は低いだろう。
活字はそれぞれの字が極力紛らわしくならないようできているはずだし、教わるときは音声の助けも多くあるはずだ。
つまり、カタカナを発音通りに書くことができないということになる。
言うまでもなく、カタカナは平安時代に漢字から生まれたものだ。
漢字の一部を簡略化したものであるため、漢字全体をくずしたひらがなと比べ、似たような字が多いのは確かであろう。
しかし、れっきとした日本語で小学校1年生で習う文字を、高校生がきちんと書き分けられないというのはどういうことか...。
塾生に注意することが多いのは「図」という字の中の「ツ」の部分だ。
「シ」に「ヽ」が交わっている例が意外と多い。
大人にも時折見かけるが、そう書かれるとバランスが悪い感じがしてどうも落ち着かない。
で、生徒に教えるときには、「ツ」と「シ」の書き方をひらがなとの関連で教えている。
ひらがなの「つ」は上部に横棒を書いてから、上から下にハラう。
「ツ」も同様に、上端が横に一直線になるようにそろえ、3画目は上から下へ。
一方「し」は縦棒を書いてから、下から上にハネる。
従って「シ」も、左側が縦一直線になるようにそろえ、3画目は下から上へ。
両方とも「一直線」を意識することで形が整いやすくなるのだ。
ひらがなやカタカナの元になった漢字は何か。
教科書などで初めの方(「あ」から「お」くらいまでor「い・ろ・は・に」くらいまで)はよく目にするが、すべてについて見たことはなかった。
今回この記事を書くにあたってネットで調べたが、意外に資料が少ない。
ここでは2つほど紹介しておく。
→「カタカナの原字表」「ひらがな、カタカナの由来」
元になった漢字は、3分の2が双方共通である。
「つ」と「ツ」にしても、「し」と「シ」にしても、それぞれ原字は「州」(or「川」)と「之」で共通している。
ならば、私の教え方も理にかなっているということか...。
「ツ」と「シ」に関しては、原字に遡るより、ひらがなから考えた方が書き分けがしやすいと思う(実際の誕生はカタカナの方が先だが...)。
もう一組、「ソ」と「ン」も、ひらがなに関連づけた方が書きやすい(「ン」の方はひらがなとカタカナで原字が違うのだが...)。
「ク」と「ワ」の区別は原字(「久」と「和」)を参考にした方がよさそう。
「リ」と「ソ」は、ひらがなでも原字でも、どちらから考えても明確に書き分けられる。
ここまではまだ許せる方だ。
確実に書き分けができるコツを教える気もする。
しかし、「シ」と「ミ」に至っては、何をか言わんやである。
この2つの字をどう書き間違うのか?
3画目は傾きが全く違う...1次関数ならプラスとマイナスの違いではないか!
ここではカタカナについて採り上げたが、もちろんひらがなや漢字でも似たような例はいくらでもある。
ケータイやパソコンで文字を「打つ」ばかりでは、自筆で文字をきちんと書き分ける能力は間違いなく退化していくだろう。
自分のメモ程度なら何だって構わない。
しかし文字には、人に正確に情報を伝えるという大切な役割があるのだ。
読む側のことを配慮し、誤解が生まれないよう、紛らわしい字は特に意識して書かなければならない。
冒頭の投稿の結び、「小学校での英語必修化よりもまず、正しい日本語を書けるように小中学校で指導が必要」という筆者の意見に大いに賛成である。
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世界史を教えていて、生徒のカタカナの書き間違いが目につくと言う。
「レーニン」が「レーニソ」になったり、「クリミア」を「クリシア」と書いたりする高校生がかなりいるのだそうだ。
「リ」と「ソ」、「ワ」と「ク」の誤りも目立つと言う。
インプットのときに読み間違えている可能性は低いだろう。
活字はそれぞれの字が極力紛らわしくならないようできているはずだし、教わるときは音声の助けも多くあるはずだ。
つまり、カタカナを発音通りに書くことができないということになる。
言うまでもなく、カタカナは平安時代に漢字から生まれたものだ。
漢字の一部を簡略化したものであるため、漢字全体をくずしたひらがなと比べ、似たような字が多いのは確かであろう。
しかし、れっきとした日本語で小学校1年生で習う文字を、高校生がきちんと書き分けられないというのはどういうことか...。
塾生に注意することが多いのは「図」という字の中の「ツ」の部分だ。
「シ」に「ヽ」が交わっている例が意外と多い。
大人にも時折見かけるが、そう書かれるとバランスが悪い感じがしてどうも落ち着かない。
で、生徒に教えるときには、「ツ」と「シ」の書き方をひらがなとの関連で教えている。
ひらがなの「つ」は上部に横棒を書いてから、上から下にハラう。
「ツ」も同様に、上端が横に一直線になるようにそろえ、3画目は上から下へ。
一方「し」は縦棒を書いてから、下から上にハネる。
従って「シ」も、左側が縦一直線になるようにそろえ、3画目は下から上へ。
両方とも「一直線」を意識することで形が整いやすくなるのだ。
ひらがなやカタカナの元になった漢字は何か。
教科書などで初めの方(「あ」から「お」くらいまでor「い・ろ・は・に」くらいまで)はよく目にするが、すべてについて見たことはなかった。
今回この記事を書くにあたってネットで調べたが、意外に資料が少ない。
ここでは2つほど紹介しておく。
→「カタカナの原字表」「ひらがな、カタカナの由来」
元になった漢字は、3分の2が双方共通である。
「つ」と「ツ」にしても、「し」と「シ」にしても、それぞれ原字は「州」(or「川」)と「之」で共通している。
ならば、私の教え方も理にかなっているということか...。
「ツ」と「シ」に関しては、原字に遡るより、ひらがなから考えた方が書き分けがしやすいと思う(実際の誕生はカタカナの方が先だが...)。
もう一組、「ソ」と「ン」も、ひらがなに関連づけた方が書きやすい(「ン」の方はひらがなとカタカナで原字が違うのだが...)。
「ク」と「ワ」の区別は原字(「久」と「和」)を参考にした方がよさそう。
「リ」と「ソ」は、ひらがなでも原字でも、どちらから考えても明確に書き分けられる。
ここまではまだ許せる方だ。
確実に書き分けができるコツを教える気もする。
しかし、「シ」と「ミ」に至っては、何をか言わんやである。
この2つの字をどう書き間違うのか?
3画目は傾きが全く違う...1次関数ならプラスとマイナスの違いではないか!
ここではカタカナについて採り上げたが、もちろんひらがなや漢字でも似たような例はいくらでもある。
ケータイやパソコンで文字を「打つ」ばかりでは、自筆で文字をきちんと書き分ける能力は間違いなく退化していくだろう。
自分のメモ程度なら何だって構わない。
しかし文字には、人に正確に情報を伝えるという大切な役割があるのだ。
読む側のことを配慮し、誤解が生まれないよう、紛らわしい字は特に意識して書かなければならない。
冒頭の投稿の結び、「小学校での英語必修化よりもまず、正しい日本語を書けるように小中学校で指導が必要」という筆者の意見に大いに賛成である。
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スマンをスマソと書いたりするように...。
故意でないとするならば、英語なんぞ必修にするよりも、国語をもっと、書道なんかもいいかもしれないです。
追記:確か私も「シ」「ツ」の書き方ですが、上記と同じように教えて頂きました。
故意じゃぁないですよね。テストでの話ですから...。それで故意なら大したもんですが...。
「シ」「ツ」の書き分けは、私もどこかで聞いたのが頭の隅に残っていたようです。子どもの頃かどうかは定かではありませんが..。
冒頭の話、わざとっぽいですよねえ~。いつだったか判別不能なギャル文字という変体文字(変態か?)が流行ったことがありましたが、まさかこれも???
冗談はさておいて・・・。
ツとシ、ソとンの書き分け、なるほどひらがなと関連付けるとわかりやすいですね。気がつかなかった!なぜか逆に書いちゃう子が多いんですよね。うちの子もそうでした。
それからえんぴつの持ち方がひどい!!公文に来ていたほとんどの子がえんぴつを握り締めるようにして持つんです。正しく持てる子は皆無!
せめてえんぴつとお箸だけは美しく持てるようになってほしいです。
えんぴつの持ち方、ホントにひどい子が多いです。塾で注意するくらいでは、なかなか直りません。やはり、箸の持ち方と含めて、家庭の役割が大きいですね。
ここのところずっと「割合」の教材にかかりきりですが、見本をお送りできる状態までもう1歩というところ...。もうしばらくお待ち下さい!