エバーグリーン (いつまでもあほい)

酒と映画と本を愛し 音楽なら何でも
名前と同じで気(木)が多い

今更だけど
人間到る処青山有り  

誉田哲也 月光

2014-01-20 22:51:11 | Weblog

 

誉田哲也は女性達をミステリーの主人公にしてきた
殊に「ストロベリーナイト」「インビジブルレイン」
などの姫川玲子シリーズで売れっ子作家になった
今回の「月光」では美しく聡明で天使のような慈愛に
満ちた少女の悲劇を書き切っている
タイトルの月光とは

美少女の夜の顔ということなのか?

ベートーベンのピアノソナタが授業が終わり人気の
途絶えた音楽室から密かに聴こえてくる 少女の弾く
ピアノのその音が途切れた時 年頃の少年達にありがち
な卑猥な妄想を凌駕する眼を疑うような光景を目撃する
そして少年達は少女に対して抱いていた幻想を裏切られた
腹いせのように卑猥で醜悪な復讐を決行する
この作品を読んでいて思い出したのは ピアノソナタ月光
という曲ではなくではなく ベルリオーズの恋と失恋を
モチーフに作曲されたという 幻想交響曲だった
天使との恋愛は幻想の中で生まれ哀しく消えてゆくのだ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする