エバーグリーン (いつまでもあほい)

酒と映画と本を愛し 音楽なら何でも
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今更だけど
人間到る処青山有り  

八朔の雪

2010-07-24 04:40:30 | Weblog

八朔の雪 みおつくし料理帖 高田 郁 ハルキ文庫


ハルキ文庫は言わずと知れた角川書店元社長の
角川春樹氏が新しく興した文庫である
同じハルキ文庫刊の武装酒場 樋口明雄 著を読んで以来
気になって 書店で新刊を探す
 馴染の書店主によるとハルキ文庫は小さな本屋では
敬遠しがちになると話す
他の多くの出版社と違って仕入れた本の返品が利かず
買取になるからとの事 やっぱり売れ残りが心配なのだそうだ
作者の高田 郁は今回初めて知った作家である
私の普段良く読む 時代小説作家の山本一力や藤沢周平とは
どこか違う風合いを持った作風だと感じる
本作の(八朔の雪)角のとれた柔らかさは作家が女性のせいなのか?
はたまた舞台を江戸の市居にとりながらも
主人公が大坂からやってきた なんとも愛嬌のある面立ちの
関西弁を話す少女?のせいなのだろうか
料理小説の体を採りながらも 山本一力作品のような
人情話についつい涙をにじませてしまう
表題作八朔の雪は意外な食材に雪に見立てた
当時は大変高価な唐三盆(白砂糖)をふりかけて使う
四国 香川や徳島は和三盆の産地だが唐三盆という言葉は初めてだ
そういえば倉敷のリックスカフェの
春色ギムレットは和三盆を上手に使って
とても美味しいカクテルになっていた
食材選びが一人前の料理人の出発点なのだろう
カクテルの話に摩り替わってしまったが
リックスの春色ギムレットは夏も美味い お勧め逸品だ

コメント
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