サイコ Psycho 1960
2020/7/30
・会社の顧客の金を持ち逃げした女が何者かに殺され、彼女の恋人と妹が犯人を突き止める話。
・ぼんやりと話は知っていたものの、おそらく初見。
・最初はジャネット・リーが演じるマリオンを中心に話が進む。
・ホテルでの逢引から始まって、結婚するしないで彼と意見が合わず、頭痛に悩みつつ、面倒くさい客をやりすごす。
・この中でサラッと出てきた借金が展開を進める燃料になるとは。
・見る人を共感させる要素をしっかりすぎるほど描写して、いざ逃走。
・誰が見たって成功するわけないんだけど、誰が見ても持ち逃げにチャレンジしてほしいと思うはず。映画だもの。
・物語からの要請は理屈を超えることがある。
・やたらと存在感のあるハイウェイの保安官。サングラスが強い。Wikiでみたけど、役名ないのか。死ぬか殺すかしてほしかった。
・曲の煽りが強い。たとえ休日にのんびり家族で流しそうめん食べてるようなシーンでも、この映画の曲が流れたら誰か死ぬと思う。
・個人情報の取り扱いが雑。時代が違うと言えばそれまでだけど、強めのカルチャーギャップを感じる。宿泊者名簿まで他人に見せちゃう。
・事件現場の鍵もかかってないし、全体的に管理が甘く見えちゃうのは今の感覚で見るから。
・であれば、一昔前の設定にすればこういう描写できるのかというと、よっぽどうまくバランス取らないとやっぱりノイズになると思う。良くも悪くもその時代だからこそ作れるルーズさ。
・殺害シーンの迫力のなさが逆に怖い。ちょっと笑いそうになるくらいチープ。あえてそうしてる部分もあるんだろうけど、そのものを描くのはやはり難しい。
・ジャンルで言うと、サスペンスでいいんだろうか。途中でミステリーとホラー演出が入ってくるので、全体で見ると分類しにくい。
・途中で観客の緊張感を担う依代みたいな存在がいなくなってしまうので、前半と後半で別の話になっているようにも見える。
・たぶん、「母親」とか「ここではないどこかへ」みたいなことが作品全体のテーマになってくると思うけど、うまく結びつかず。有名作品なので、探せば先行研究もありそう。
・真似してみたい構成ではあるけど、使いこなすのは大変そうな作品だった。
(Netflix)