遠藤雷太のうろうろブログ

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樋口薫『受け師の道 百折不撓の棋士・木村一基』

2020-07-05 23:50:00 | 読書感想文




2020/7/4

木村一基九段が46歳で初タイトルを獲得するまでの半生を、本人や周囲のインタビューで振り返る本。

帯には「最年長・最遅・最多挑戦」とある。まさに百折不撓。

最初に観たときは単に解説の面白いおじさんという印象だった。

あだ名も「将棋の強いおじさん」。

そりゃプロなんだから当然と思いつつ、ちょっと調べてみると、プロの中でも相当強いほうのおじさんだとわかる。

飄々とした語り口の解説と、その内側にある勝負師としての熱量。

今回の王位戦まで、タイトル戦を六回も経験している一方で、すべて負けている。

三連勝の後の四連敗など、負け方も結構ひどい。

体の衰えと若手の台頭を感じつつ、それでもトップ戦線に戻ることができた要因のひとつが、将棋ソフトの研究。意外。

悲哀とユーモア、そして情熱の人だった。

藤井聡太七段が挑戦者となった今年の王位戦、どうにか踏ん張ってほしい。

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