遠藤雷太のうろうろブログ

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黒澤明監督『七人の侍』(1954年)

2020-07-08 23:47:00 | NETFLIX/Amazon/UNEXT/Apple TVで観た

七人の侍(プレビュー)

2020/7/8

・戦国時代、侍たちが百姓とともに野武士から村を守ろうとする話。

3時間26分(途中5分休憩含む)。長い。密度が濃いので見ると短い。

・仲間集め、村人との交流、野武士との決戦と、ほぼ1時間ずつ3パートに分かれる。一般的な三幕物と考えるとちょっと不思議なバランス。

・ジャンルはアクションでいいと思うけど、本当に派手なところは後半1/3のみ。残り2/3はじっくり人間関係を描くことに使っている。

・特に侍と百姓との不思議な関係。付かず離れず決して相容れない。

・共に野武士と戦う時ですら、その距離感はあまり変わらない。

・その二つの身分を繋ぐ菊千代という存在。村に到着した時や、落武者狩りの件、水車小屋が燃えた時と、とにかく繋ぐ役割を担っている。

・旗印の△が、○と「た」の間にあるのも、そういう意図なのかも。

・勝四郎の逢引の時には菊千代は出てこない。最終的にはやっぱり相容れないという落とし所には真実味と悲哀がある。

・勘兵衛。激昂する相手を「いや、失礼仕った。拙者~」となだめる言い方。クレーム対応もうまそう。

・「良い城にはきっと隙が一つある。その隙に敵を集めて勝負する。守るだけでは城は持たん」。今後城を作る機会があったら参考にしたい。

・仲間になるところ、極力、説明的な掛け合いを省略している。結果を見せれば過程は省略していても想像で補える。

・何気に初期から息のあっている勝四郎と久蔵。

・菊千代は何がどうなったらああいう役作りになるんだろう。

・馬の使い方が荒い。落馬して馬に踏まれたり、引き摺り回されたり、水溜りに馬ごと突っ込んでいったり。馬も役者もすごい。

・侍たちが姿勢良く全力疾走する様がカッコいい。様式ではない剣と馬の戦いに迫力がある。

・見ていれば、騎馬と銃の厄介さが説明なしに伝わる。

・主要人物の死に方があっさりしている。周囲が取り乱すところは見せても、編集で強調するようなことはしていない。無常感が強い。

・予定調和の感じもしないので、初見で見たら誰が死ぬのかなかなか予想がつかないと思う。

・最期に刀を投げつけるところがそれっぽい。

・敵ボスのあの三日月兜は目立ちすぎてかえって危ないのでは。

・今にも死にそうなのに言うことがいちいち過激な長老と、侍でも抑えられない興奮状態の群衆を存在だけで黙らすばあ様。

・敵も味方も野山をほぼ半裸泥まみれで駆け回ってる。生傷も絶えないだろうし、勝手に衛生面が心配になる。

・長くても何度見ても苦痛にならないし、発見のある作品だった。

(U-NEXT)

 

※唯一うまくいったつもりの似顔絵。


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