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Mo.の事件簿 A diary of Mo’s trips

事件簿などという大層なタイトルだが、実は単なる旅行記です。

10.智積院。

2016-12-24 | 京都/Kyoto:2016
わたしが30分だけで三年坂美術館を出たのにはわけがある。
その後、智積院へ行きたかったのだ。

三年坂から智積院は……今地図上で確認したところ、1.5キロもない。
今となってみればバスに乗らずに直接歩いた方が良かったかなー。結果として多分バスでも歩きでも時間は変わらないと思う。
しかし混み混みのバスに乗って、降りる停留所まであと1つというところで5分もバスが動かずやきもきする、
ということを考えれば、歩くのが正解だったかも。
「ここで降ろしてくれ!」とココロの叫び。
だって智積院て16:00入場受付終了ですから。

16:30だと思っていたのよね。受付時間。大山崎から帰る前は。
なので特に急ぐはめになるとは思わなかったのだが……
西大路から清水坂まで思いのほか時間がかかったことと、受付時間が30分早いということで、けっこうなギリギリ加減。
智積院に着いて15:50。寺によっては受付の早じまいをするところもあるから、まだ予断は許さない。







予断は許さないながらも一応門だけ撮った。

受付の人に「終了が16時半なので時間短いですよ」と念を押され。「ガンバリます」と言ってチケットを買う。



ここには何があるかというと、長谷川等伯・久蔵親子の障壁画「楓図」「桜図」。
長谷川等伯は「松林図屏風」で有名な絵師。色々描いた人だから「松林図」だけの人でもないんだけれども、
わたしにとっては「松林図」の人。
たしか10年くらい前にNHKの「日曜美術館」で等伯の「松林図屏風」を紹介したんだよね。
それを見た途端、目が釘付けになった。それまで墨絵の類に目を惹かれたことなんてないのに。

静かな静かな。松林をわたる風の音しか聞こえない。
寒くて寂しい。誰もいない。静寂。

息子・久蔵が若くして死んだ後、描いた絵だそうだ。
久蔵は絵筆も達者で、父に劣らぬ絵師になることを約束された跡取り。
「楓図」は父が描き、「桜図」は子が描いた。「桜図」の後2年して久蔵は死ぬ。享年26歳。
わたしは特に日本画をよく見る方ではないが、この「松林図屏風」があるがゆえに長谷川等伯は馴染みのある絵師。

受付の人に「時間がない」と言われた通り、別館にある障壁画のところにはわたしの他に一組いただけ。
その一組も間もなく出ていき、わたしの貸し切り。
「桜図」ガイドブックで見たより褪色が激しい。そろそろ修復してほしい感じ。
しかし才能ある絵師が若くして残した、数少ない作品だと思うと涙が出た。
その隣に「楓図」。円熟した自分を紅葉に、若々しく伸びる息子を桜に例えた作品だったろうに。桜は散ってしまった。

まあでも、実際の絵としてもっと気になったのは上段の間のトロロアオイ。
詳細は後述。

独り占めした展示室も、そんなに長居はできず。何しろ出るまで30分しかない。
ここは庭園も有名なんです。そっちも見なきゃ。







しかし見直してみたところ、写真はこれしかなかった。ここからのアングルは横なので正式ではない。
やはり本来は方丈からの眺めがまず正当。

その代わり、方丈内部をがしゃがしゃ撮った。

















方丈に「楓図」「桜図」の復元が飾られててね。なんだかこれが妙に気に入って。
正直言えば、本物よりもテンションが上がった。だって本物はだいぶ傷みが気になるんだもん。


そして、トロロアオイの絵の復元がこちら。







奥の壁の松の下が全体的にトロロアオイ。






横の壁の違い棚もトロロアオイ。








ジャスミンにも見えるが……この花はなんだろうか。
金壁は蛍光灯の下で見るものではなく、夜のぼんぼりの照明でこそ活きる。

田端何とかさんという現代の画家の墨絵の襖絵も良かった。……細部はもう覚えてないが。




方丈にはわたしの他に女性が一人いて、この人もだいぶここが気に入ってるようだった。
わたしの後にも一人来て、その人も腰を据えていた。
ここはいいところだった。もっと早く行ってゆっくり出来れば良かった。ぎりぎりまでいました。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



その後、京都国立博物館へ。金曜土曜は夜20時まで開けているというので、
ここからじっくり腰を据えて見るつもりだった。実は京博も行ったことがない。


だがしかし!!


歩きすぎてイタイ足を引きずりながら京博へ行ってみたところ、ガードマンのおじさんが
「もう閉館です」と言って締め出している。え~~~~~。だって行く前にホームページチェックしたよ?
20時までやってるはずじゃない?

ホテルに帰ってよくよく見たら、「名品ギャラリーは展示替えのため下記の日程で休館」と書いてある。
……奈良国立博物館の時もそうだったんだけどさ。
こういうのは常設展示と書いておけ!!わざわざ名品ギャラリーなどとつけるから、
常設展があって名品ギャラリーもある、なら仏像館があって本館もある、と思うんじゃないか!
名品ギャラリー=常設展示で、なら仏像館=本館だと誰が知ろう!
前回もそうだが、今回もホントむかついた。自分のところの勝手なネーミングがどこでも通用すると思うなよ!

……と、今更凄んでみてもしょうがないが、ほんとに不親切だと思った。
でもまあ押し入るわけにもいかないので、ぷんぷんしながら仕方なく、豊国神社と方広寺に行った。
豊国神社は太閤秀吉を祀る神社、方広寺は言わずと知れた国家安康の鐘。






しかし、ワタシ前から思ってるんですけどね。
「国家安康、君臣豊楽」ですよね?そうすると確かに家康の名前は切れているが、君臣豊楽の方では豊臣の名前が逆立ちしてるぞ?
そっちはいいのかい。
まあ難癖をつけたいだけだったのだから、言ってもしょうがないが。


夜ごはんは近所のおばんざい屋さんで。さんま定食。







店の雰囲気は良かったけど、接客がちょっと残念。




9.清水三年坂美術館。

2016-12-20 | 京都/Kyoto:2016
大山崎山荘からちょうどいい送迎バスは出てなかったので、駅までは徒歩。
山を下っていくだけだったから良かったけど、それでもゆっくり歩いて15分ほどかかった。
けっこうな急坂。来る時送迎バスに乗れなかったら死んでたな。

10分JRに乗って京都駅の手前の西大寺駅下車、すぐバスが来て、それでも清水道まで40分かかる。
どう考えてもそんなにかかる距離ではないのだが。

これは、清水寺近辺は観光客でとても混んでいるからという理由も大きいが、
その他に京都バスの根本的なルートのせいもあると思うよ。
早い話、バス停の数が多すぎる。100メートルしか離れてないんじゃないかと思うところもあるもの。
そりゃバス停の間隔が短い方は利便性としては理想だが、それをどのバスもやるなると、渋滞がひどくなるばっかり。


14:20、八坂の塔。





ここでようやくお昼ゴハン。「ラベンダー」なる喫茶店で。
ホタテとロブスタークリームのパスタと紅茶で1000円。
美味しかったが、わたしは腹が減っていた!それとはまた別の理由で急いでいた!
なので出てくるまで若干時間がかかって心の奥底でイライラしていた。しかしこんな時間外れにパスタを頼んでいるわけで、
お湯を沸かすところから始めてるんだろうなと思えば文句も言えない。パスタを頼んだ自分が悪い。
顔に出さないようにして待つ。

しかし届いた後はガツガツ食べました。5分で完食。


急いで急いで清水三年坂美術館。14:45。
ここも前から来たかった。

数年前にNHKで「極上 美の饗宴」という番組をやった。
その時に初めて知って、ひっくり返って驚いたのが並河靖之。なんだこれは!ここまでやるのか!
この細かさは人間じゃない!
それ以来、並河靖之はわたしの中で驚異の偉人。

5年前に来た時にも、三年坂美術館には来たかったんです。
だが清水寺に7時に着いた。それ自体は人も少なめで(しかしそんな早朝なのに観光客は一定数いる)、
とてもいいチョイスだったのだが、清水寺に7時だと三年坂にさしかかるのは8時。美術館の開館時間は10時。
その時は涙を呑んで諦めたのでした。


今回は行くぞ!今回のコンセプトは「もう二度と京都に来なくても後悔しないように」だもん!(←いや、だからそれ違うって)


そしてまあ、行ったことは行ったんです。物も良かった。
規模自体は画廊に毛が生えた程度の狭さだったけれども、展示品自体の質は高く。
それなりには見てきたつもり。並河靖之以外の作品も、明治工芸特有のそれそれは細密細微な手仕事で。
「うぐぅ」「あがぁ」と呻きながら見て来た。

だが、何しろ時間がないのだ!
なので、何の作品を見てどう思ったかというメモは全く取ってない。……そうなると、時間が経つと個々の作品についての
記憶は全く薄れ、当然写真撮影も不可なので、何を見たのか覚えてない。ああ。これでは意味がないんです。

薩摩焼の細かさに驚愕した。驚愕したなら作品名と作者名くらいは覚えておきたいじゃないですか。
蒔絵の細かさにも驚愕した。驚愕したなら(以下略)。
2階でやってる特別展も見た。刺?だった。そんなには感心しなかったけど、いい作品もあった。

いいものを見たというのは、その人本人だけの完璧な財産で、人生でいくつ美しいものを見られるのかが
人生の豊かさを決める――わたしはそう思っているのだけど、
見ただけでは――その時感じたその気持ち自体は財産になりうるけれども、しかし財産はしっかりした保証の下においておきたい。
ゆえに、作品名と感想を文字にするというのは、わたしにとって土地の権利書を手に入れるようなもんです。

今回は権利書を作らなかった。なので、日にちが経って財産が泡と消えてしまった。
せめて作品名がわかればいいのだが、三年坂美術館のHPには、写真は何枚が載っているがタイトルはない。
ううう。


いつもの反省。美しいものは心と時間に余裕がある時に。


しかしここ、意外に混んでたんだよなあ。
場所は観光地ど真ん中だけど、三年坂の喧騒をよそにひっそりと佇んでいる美術館。そういうイメージだった。
だってこういう盛り場の美術館って、ふと気づいて入りたくはならないじゃないですか。
せっかく来たんだから、盛り場の雰囲気を味わうことが主目的でしょう。
だが、帰ってきて相当しばらくしてから録画してあった番組を何の気なしに見たところ、
所さんの番組で、明治期の超絶技巧作品の特番をしてたんだよね。
これに三年坂美術館館長がナビゲーターとしてバッチリ映ってた。
……これか。このせいか。ちょっとタイミングがハマってしまったようだ。


15:20、三年坂美術館を出る。
結局30分強しかいないんだから、何をかいわんや。



8.大山崎山荘美術館。

2016-12-17 | 京都/Kyoto:2016
10月7日、3日目。まずは東寺へ行きます。

何しろ東寺に行くの初めてだからね!何回も京都へ来ていて、京都好きを公言してても初めてだからね!
我ながらびっくりですよ。













東寺。相当スゴイものがあるらしい。国宝・重文併せて何千だか何万だか……
山田五郎とおぎやはぎがやっている「ぶらぶら美術・博物館」でもスゴイスゴイと言ってたから。

ここの寺はとにかく立体曼荼羅。
普通曼荼羅は織物として織られるか、紙に彩色して鮮やかにというのが定番。
だが東寺では実際の仏像を使って胎蔵界曼荼羅を表している。仏像の林立。

な・の・で・す・が。

実をいうと、ここの金堂、講堂の仏像を見て、そんなには感銘を受けなかったんだよね。正直もう覚えてない。
メモによるとそれなりに凄みを感じたらしいんだけど。どんなんだったかなあ。
この日最初の訪問地だし、9時過ぎに着いての拝観だから、疲れて集中力がなかったというわけでもないはずだし。
うーん。

まあ数がありすぎたんかね。
なので、東寺はさくさくと終わってしまうのでした。

あ、でもここで特別拝観をやっていた小子房という塔頭?は良かった。
実は昭和9年に復元されたらしい新しい建物なんですけどね。庭がいい。
堂本印象の襖絵も良かったらしいが記憶にない。












若干中国風なにおいを感じる。なんだろう。池にぎりぎりで臨む佇まいのせいだろうか。


ここの庭に大きな銀杏の木があったのだが、一部分別の植物が寄生?していた。けっこう大きな枝だった。
何の植物かは不明だけど、葉っぱの雰囲気はナナカマドとかに近かった。



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次はアサヒビール大山崎山荘美術館に行きます。
アサヒビールの創業者の別荘とコレクションを基にして美術館にしている。前から来たかったのだ。

京都の街中から離れ、JRで30分くらい。
大山崎で下車。ちょうど停まっていた送迎バスに乗る。
直線で見るとそう大したことない距離だが、行ってみたらけっこうな山の中腹だったので、送迎バスに乗れて本当に良かった。








外観がかわいいです。ちょっとしたゴチャゴチャ感もむしろ魅力。
ここは写真撮影禁止。なので中の写真は全くない。


着いて12時。オナカが空いていたので、ここのカフェでなんか食べたい!と思ったのだが、
往々にしてありがちなことに、食事メニューはないそうです……。
仕方ないから、その中で一番食べがいがありそうなケーキセットを頼んだんだけど、







ケーキってほどのケーキではなく……
しかもあんまり好きじゃないココナツが付いてたりして、だいぶ不満足。







カフェのテラス席からの眺望は素晴らしいんですけどね。
右手の山は男山。石清水八幡宮があり、ここも今回行ってみたかったんだけど、
この位置関係ではありがちなことに、大山崎山荘と男山は直接行ける公共交通機関はないようで。
タクシーでもいいかと思って、地図上の距離を測ってみたのだが、どうも6キロはありそう。
そうなると2000円強くらいでしょー。今回は諦めました。

カフェの不満は不満として、それ以外のところは十分満足出来るところでした。


まず建物がいいのね。そもそもオカネモチの別荘として建てられたので、しっかり金がかかってる。
一応英国風建築らしいんだけど、多分いろんなものが混在してます。統一感はあまりない。シャレー風味入ってるし。
が、そのうっすら雑然とした雰囲気がまたいいのね。プロが作った立派なハコ!ということではなく、
注文主の好みとかおそらくは設計者の遊び心とか、そういうものが含まれてるから。
いかにも英国っぽい重厚な黒い木の色と、そこにステンドグラスを飾ったりする可愛さとか、
サンルームというかテラスの光とか。――まあそのせいもあり1階の採光はだいぶ暗いんだけどね。
こういう別荘だったらわたしも欲しいです。……掃除が大変そうだ。


そして展示品も良かった。
加賀正太郎という実業家のコレクションを基にしているそうだ。
個人のコレクションって(趣味さえ合えば)面白いんだよね。
組織が集めると、どうしても専門家が金銭的価値と収集の体系化を考えて、整然と集めてしまうからさ。
個人が集めると、好きだからという理由で集められる。そこには人の存在がある。

基幹としてはモネと河井寛次郎、濱田庄司、バーナード・リーチだそうだ。民芸傾向の人らしい。
一応、展示品として並べられていたものは一通り見てきたはずだが……
残念ながら家具として溶け込んでいるような物には注意を払わず。黒田辰秋の食卓と椅子とかあったらしいんですよ。
漆芸家としての認識しかなかったが、けっこうでかいもんも作るんですねえ。
これは見てきたかった。見た記憶がない。

パルミラのレリーフがテラスにあるのも、あの光の中でステキだったし、
ちょこっとあるデルフト焼きとか、ジャコメッティとか、とりとめがないといえばないのだが、
ここが個人コレクションの魅力。あちこちから集めてきてもどこか統一感がある。建物がそれを増幅させる。
こういうとこ近くにあれば、年に何回か来るのになあ。

あ、そして忘れちゃならない、モネのちょっとしたコレクションがここに。
モネにはいいモネと悪いモネがあって、ここのモネはいい方。そして、モネ専用の別館をわざわざ安藤忠雄設計で建て、
ほんの5枚?ほどなのに麗々しく(←今回はいい意味で)飾っている。
見る方としては、モネと安藤忠雄が一緒に見られてお得。


13:00に大山崎山荘を出る。気持ち短めだが……今後の予定を考えて。



7.龍安寺など。

2016-12-12 | 京都/Kyoto:2016



次は龍安寺。仁和寺からは近い。
特にアシスト付き自転車なのでスイスイ。


さすがに龍安寺くらいになると観光客がどっと増えます。何しろ日本で一番有名な石庭。
禅といえばこの庭、でしょう。
しかし実はわたしはここに来たの初めて。












わたしの撮り方下手ですけどね。

しかしこの庭のスケール感で行ったら、普段テレビで見ているものよりこの写真の方が近い。
実際に見るとだいぶ狭いです。坪庭とまではいかんけれども……テレビで見てるより4分の1くらいの感じがする。
縁側には人が鈴生り。ちょっとこの状態では禅の境地は味わえないでしょうな。

「15個の石のすべてを一度に見ることはできない」という伝説があるが、……実は見えます。けっこう簡単に。
まあ立って見たんだけれども。
ただ石の色が紛れているので、2個の石があることを知らなきゃ1個に見えるということはある。

あんまり石庭を謎めいたものとして宣伝していると、むしろ謎解きのアトラクションになってきて、
本来の禅の一修行としての観庭からは離れるだろうなーという気はする。
離れていいけどね。あんまり有難がって持ち上げても、それはそれで違う気がするし。
もっとも、ここの石庭はすでに持ち上げられすぎていると感じる。

龍安寺といえば石庭しかないもんだと思っていたが、実は敷地は意外に広く、こんな庭もある。









ここの門前にはこじんまりとした茶店が並び、人がいっぱい。
その中で湯葉まんなるものを買う。







肉の代わりに湯葉。一口目はだいぶ薄味で物足りないと思ったが、だんだん食べていくうちになんだか美味しく感じられてきた。
14時。これがお昼ゴハン。ということになるんですかしらね。



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龍安寺からどこへ行こうか迷った。
等持院というところが近い。名前はそれなりに聞いたことがある寺だが、でも行きたい!と思うほどではない。
等持院に行ってるとその後行けないところが出てくるだろう。
うーん。……まあ何となくその辺りを通りつつ、行けたら行くか。

そうしたら道を間違えたらしく等持院にぶつからないまま今出川通りまで来てしまった。
ということは等持院には行かなくてもよろしいというカミサマのお導き。ホトケサマか。
次の目的地である北野天満宮に向かう。


正確に言えば、次の目的地は北野天満宮ではなく、その鳥居前にある「カステラ・ド・パウロ」
カステラ屋さんです。カステラがポルトガル由来のお菓子というのはよく聞くところだが、カステラ自体は和菓子。
だがこのカステラ屋さんはポルトガル人がやっている。
前にテレビで見て、カステラとポルトガルのパン・デ・ローの食べ比べ出来るセットがあるというので食べてみたかった。

天満宮は申し訳程度にちらっと見て、お店に入る。













「世界食文化比較セット」702円とミルク380円也。ちょっと大きく出すぎなネーミング(^^;)。

おいしかったですよ~。まあ全体に似たような食感なので、口の中モサモサだが。オナカいっぱい。
陶器の器に入っているのもパン・デ・ローで、とろとろの半生な感じ。これがおいしかった。

人が少ない時間だったので、雰囲気も良く、店員さんの接客も良い。
店主がちらっとその辺を歩いていた。

少々割高に感じる値段設定なので通常はそのまま帰るのだが、今回は珍しく持ち帰りで
タラのコロッケとラム酒のチキンパイを買った。値段は忘れた(^^;)。今晩の夕食。


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15時に店を出て。
その後、大徳寺の大仙院の庭を見る。ここも前にテレビで見て、行ってみたかったところ。
奥山から出発した川が、次第に広くなり、ついに大海へそそぐというストーリーのある作庭。

で、実際その庭は見たんだけれど、……なんか寺側の人があまりに熱心に説明しようとするので煩わしく、
あんまりいいイメージがない。庭なんちゅーもんは一人静かにぼーっと見てなんぼやっちゅうねん。
写真も禁止です。減るもんじゃなかろうに。まあ他人の迷惑になるというのならわかるが、
そしたらあんなに引っ張りまわすような説明もやめてほしい。

相国寺に向かったが、時間がもう16時半でいずれにせよタイムアップ。
あとはホテルに向かう。
その道沿いにある一条戻橋、晴明神社へ寄りました。

















こっちは晴明神社境内に設えられているニセモノの一条戻橋。安倍晴明が橋の下に式神を飼って(?)たんだと。






晴明の紋は桔梗紋(五芒星)。

ひと頃かなり流行ったせいか、観光客はこの時間でもけっこういました。
野村萬斎さんがやった「陰陽師」の映画はB級として大好きだが、「陰陽師2」は駄作である。



その後、スーパーに寄ってからホテルへ帰る。
サラダなんて買ったことないのに、なんだか野菜が食べたくなってサラダと、2リットルのお茶のペットボトル、
カマンベールチーズ、わたしの元気の源、青じそ。
ホテルの部屋に冷蔵庫があるので助かります。

17:30、ホテル帰着。




本日の結論。
電動アシスト付き自転車、バンザイ!


6.仁和寺。

2016-12-09 | 京都/Kyoto:2016
広隆寺を出て、次は仁和寺。

仁和寺もなんのかんので名前を聞くわりには、一度も行ったことがないところ。
学校で習いましたよね。仁和寺の和尚がなんたらかんたらという話。
しかしなんたらかんたらの部分を忘れていたので、旅行から帰ってきた後検索してみましたよ。
張るのに適当なサイトがなかったので、気になる方は各自検索下さい。
石清水八幡宮は行かなかったけど、男山を遠望した身には親近感が持てる話だった。


広隆寺から自転車で20分ほど。全体的にうっすら登り坂。アシスト付き自転車様のアリガタさ。







どどんと出てくる仁和寺山門。おおー、こんなに大きいのか、と驚く。

……しかし……10月6日のこの日、京都はまるで真夏の暑さで(多分京都の真夏の暑さはもっとすごいんだろうから
まるで仙台の真夏の暑さで)、すでに2ヶ所目のここで若干ばてている。
アシスト付き自転車でも、ばてるもんはばてる。

HPゼロまで疲れ切る前に休むのが旅行のコツ。←しかしなかなか実行出来ない。
というわけで、門前の茶店に入って、







宇治ミルク♪暑い時のかき氷、美味いよね~。生き返る~。
しかしあんまり山盛りなので、食べるのがとてもタイヘン。どこから食べようと山はぼろぼろ崩れる。
食べ終わった後は惨状が広がってました(^^;)。



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仁和寺はいいところでした。(境内図)
今回の京都で一番印象に残ったかもなあ。

山門から入ると、正面のはるか遠くに金堂が見えるんだけど、そこへ行かずにまずはすぐ左にある「御殿」部分へ。













ここが思いのほかいい庭で。清浄で華美に流れず、落ち着きがある。白砂青松。……まあ海辺じゃないので、
ちょっと違うけれども、白い砂利と緑の松のコントラスト、それに映える建物の色が大変見事でした。
外国人が多くいて、みんなこんな感じで座っている。







ここはね。座りたくなるところですよ。そんなに人も多くなくてね。とても気に入った。
通りすがりに聞いた、男性の「いや、ここいいなあ~」という感に堪えぬといった風情の感想に、
「ほんとだねえ」と内心で相槌を打つ。

あとで考えてみると、ここは元々御所だった建物を移築したそうで、――そうか。寝殿造りの面影を残す。
だから庭は格調を感じるし、渡殿の連なり具合はいい感じだし、







向こうを行く人が十二単であってもおかしくない。






内部もさすがの格式の高さ。












しかして全体的に小作りで、居心地が良さそう。
源氏物語が好きなわたしは、寝殿造りの建築が残ってないことを常々残念に思っていたが、
ここはわずかにその雰囲気を味わえる場所だ。
六条院はもっと豪壮で、華やかな場所だったと思うけど。
いいなあ、ここ。


庭もいい。













ここなんか高低差があって面白いんですよね。
上の建物は霊明殿。……と、現代では名付けられているそうだが、普通に持仏堂と言った方がしっくりくるな。


いい。ここ、いい。
京都を訪れ始めて数十年、なんでこの寺を見逃していたか。


御殿を出て、門を振り返る。これは中からも見えた門。基本は通行不可。
近くで見ると、透かし彫りが見事。好きですねえ、こういう仕事。












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その後、本堂へ。











鐘楼は赤く塗られて、唯一派手な建物。










本堂側から山門を見たところ。だいぶ寄って写してるので距離感がまったく出てないが、
山門と本堂はだいぶ距離があります。広大な敷地。


この他に宝物館もあって、御殿と共通入場券で800円。
メモによるといいブツも7、8体あったそうだが、今となっては全く忘れているくらいなので、
まあ必見ではないでしょう。むしろ御殿を堪能した方がいい。



ちなみに御殿の入り口にはフジバカマの鉢植えがいくつか並んでおり、蝶が来ていた。
蝶には詳しくないが、調べてみたところミドリヒョウモンという奴かなあと思う。
今、京都ではフジバカマを増やそうという企画があるらしく、この後行くお寺の入り口にフジバカマの鉢植えがよくあった。
そしてそこにはいつもこの蝶が。








12:50、仁和寺発。




5.まずは広隆寺へ。

2016-12-06 | 京都/Kyoto:2016
2日目、10月6日。晴れたのでこの日はレンタサイクルの日。

ホテルは……いや、ホテルじゃないな、正直なところ。
元々ワンルームマンションだったところをちょっとだけ改装した宿泊施設で、ノリはユースホステルっぽい。
値段が安めなので外国人が多い。むしろ日本人はわたしだけ、という時間帯が多かった気がする。

個人旅行で利用するタイプの宿だから、団体さんの賑やかさは恐れなくて良かったのだが、
……部屋のドアが鉄製で、そこに取り付けられた新聞受けの穴から廊下の音がダイレクト。
そしてなぜかスイッチ部分が隣室と直結しているらしく、隣室のスイッチの入り切り音がやたらと大きく響く。
わたしの部屋は別なフロアだったけど、あれがフロント・食堂と同じ階なら音がツラかっただろうな。
ワンルームマンションとしては相当に欠陥が。

宿泊施設としても音に欠陥があるわけだけど、普通は1、2泊のことだからね。まあ我慢できそう。
……わたしの場合は6泊するわけだが。
でもスタッフの人たちはみな感じが良く、朝食も付き(しかし基本パンだけなので2日も食べると飽きて、以後は利用せず(^^;))、
場所もそこそこなので、総合的にはプラス評価でした。
ただ次回京都に行く時に必ず利用するかというと微妙。


あ、でもこの宿泊施設にはレンタサイクルがあったんです。

「普通のにしますか?アシスト付きにしますか?」と訊かれ。
アシスト付きって乗ったことなかったんですよ。電動ってところがちょっと不安だよなー。
昔は原付で鳴らした(?)わたしとはいえ……
「アシスト付きってどんなもんですかね?」と訊いたら、スタッフの人が親切に詳しく説明してくれて。
うーん。じゃあ、ナニゴトも経験なわけなので。そのアシスト付き自転車というもの、乗ってみましょう。

普通の自転車はたしか1日800円。アシスト付き自転車は1500円。
しかしこれが……走り始めてすぐわかる。


これは、天国。


ペダルが軽い軽い。宿から最初の目的地までは平地だったが、それでも普通の自転車ならばひーひー言っていたに違いない。
この時期はあんまり体調が良くなかった。
そんなわたしを気持ちよくサポートしてくれるアシスト付き電動自転車。惚れた。



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最初の目的地は太秦広隆寺。

ここは……中学生の時に来て以来だなあ。とても好きな弥勒菩薩があるところ。
写真の角度は若干わかりにくいかもしれないが、この仏像は切手にもなったし、誰でも知ってる有名なものですね。






境内は広い。有名な仏像があるわりには場所が中途半端で観光客もだいぶ少なめ。
嵐山あたりにあったら連日押すな押すなの大盛況でしょうが、歩いてる人は観光客半分、地元民半分といったところ。
そもそもあんまり人がいない。

ここの霊宝館は藤原仏の宝庫でね。しかし建物は飾りも愛想もない。ついでに湿度管理もしてない、金のかかってない。
何しろ冷房がなくて扇風機が回っていたくらい。
でも麗々しく飾られた仏像よりも、こういう風に微妙に放っておかれている仏像の方が本人は楽な気がするな。
中はだいぶ暗い。ライティングはもう少し考えてくれてもいいと思うが。

弥勒菩薩も好きだが、ここの不空羂索観音が好きなの。

正直、この写真だとモノクロでちょっとコワイが、実物は……いや、実物もちょっとコワイかもしれない(^^;)。
天平仏のいい造型。たしかな力強さ。甘さのないふくよかさ。

小さめの仏像も(四天王とか十二神将とか)なかなか良かったです。


そして霊宝館から出てくると、こんなヤツ。






まー、フカフカの苔のベッドでくつろいで……
日光浴ですかね?羽の虫干しですかね?

平和だ。



4.海遊館。

2016-12-03 | 京都/Kyoto:2016





海遊館は20時まで営業。なので昼間は四天王寺、東洋陶磁器美術館を見て、夜はぎりぎりまでいて
タップリ海遊館を堪能しようと思っていた。日本有数の水族館でしょ?

で、17:30に着いて。
……結論から言うとね!海遊館はね!


つまらなかった!!



期待が大きすぎたのかもしれない。
うみの杜水族館でがっかりした分、ここできれいな魚を見て楽しもうと思っていたのに……
ここも魚が地味で地味で。

しかも!夜間に営業しているんだったら、夜間用の照明も考えて欲しい!
水槽が暗くて、何かがいてもサッパリ見えない。相手が動物のことだから、皓皓とした照明で隈なく照らす、というのも
難しいのかもしれないが、あれではわざわざ行った甲斐がないというものですよ。
楽しみにしていただけにがっかり。

その中で多少は絵になるものを。











ペンギンの上からかき氷みたいなものが降ってくる。それをみんなでじっと待ってる。若干シュールな図。





















大水槽なんかはいいんだけどね。逆に言えば大水槽くらいしか見どころがないというか。
大水槽ももう少し水の透明度は欲しいところだ。

外国人観光客がだいぶ多かったなあ。



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というわけで、1時間そこそこで海遊館を出て。

隣のうまいもん横丁を冷やかす。ここで夜ご飯でもいいかという心づもりもあったのだが、
あまり心惹かれるものはなく。それでも一応串揚げの店で5本テイクアウト。
本当は、串揚げが美味しいと聞いていたので食べてみたかったんだけど、天保山マーケットプレイスにある串揚げの店だと
食べ放題バイキングで2000円とかになり……そこまではしなくてもいい。






昔レトロな昭和の雰囲気。



で、夜ご飯は、海遊館の情報を検索する過程で見つけた「丹頂」というラーメン屋さんに。
ここの何がわたしの琴線に触れたかというと――茶わん蒸しラーメン。













850円也。
食べてみた結果、茶わん蒸しも麺も美味しい、スープは普通、……しかし結局、ラーメンと茶わん蒸しを組み合わせる
必然性はほとんど感じなかった。まあ茶わん蒸し好きなのでいいんだけれども。
これって一体どうやって作ってるんでしょうね?

19時近くに店に入ったところ、10席くらいあるカウンターにお客さんが1人しかおらず。
そのお客さんが店員さん相手に語る、元旦那がストーカー化して何たら、という話を延々聞かされつつ食べる。
オナカいっぱい。ちなみにBGMはナウシカでした。……なんかチョイスがよくわからない。
そしてこの日は大変暑かったので(10月5日ですよ!)、冷房もない店内でラーメンを食べるのは地獄。


ここから京阪に乗って京都へ向かう。
乗り換えは出来る限りシンプルなラインを選んだはずだったんだけど、まあやっぱり総合的に大阪の交通機関は
大変難しいですね。同じくらい難しい東京は、むしろ難しすぎるので山手線メインに考える習慣が出来ており、
山手線で対応出来なかったらそこだけ考えればいいんだからとっかかりは楽なのだが、
大阪は土地鑑はないし、最低限これを覚えていればという部分も知らないので、苦労しました。


20:00に大阪を出て、京都のホテルに着いたのは21:20。
いやはや、暑い日でした。





3.大阪市立東洋陶磁美術館。

2016-11-30 | 京都/Kyoto:2016
次は東洋陶磁美術館。京阪に乗って150円で中之島駅で降りる。
エスカレーターで地上に上ってきたら、正面に登場するこの建物。







中之島公会堂。

これは大阪の洋風建築の筆頭で、ごらんの通りの見事な建物。
見事すぎてこの時点で写真を撮りまくってしまったのだが、














目的地はこっちでした。こっちが東洋陶磁美術館。中之島公会堂とは隣同士。







しかしお昼ゴハンをまだ食べてないので(非常食のミックスナッツをちょこちょこ食べてたのでそこまでお腹は空いてない)
ここの喫茶室でまずは腹ごしらえ。









おいしいスコーンでした。落ち着ける雰囲気。近くだったら時々行ってもいい。



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ここはけっこうちゃんと見ました。
入場料が通常800円のところ、OSAKA海遊きっぷのおかげで600円。


尾形乾山「色絵椿文輪花向付」
モダン。超モダン。椿の葉の緑色の地に白椿の総柄。椿のデザインが洋風っぽく、現代ものと言われても違和感がない。
これがマーガレットだと言われればそうかもしれないと思う。器の自体の厚みが薄くて、ガラスの透明感がある。

「白磁印花 花喰鳥文盤」
中国ものの陶器。このデザイン好きなんだよなー。欲しい。
台湾の故宮博物館にたくさんあったけど、写真が撮れなかった恨みがまだ残っていたので、
今回撮れるかなーと思っていたのにここでも撮れない!
デッサンの類ならしょうがないかなーと思うけど、陶器でさえ写させてくれない日本と台湾はケチですね。

「織部 切落 四方手鉢」http://jmapps.ne.jp/mocoor/det.html?data_id=2289
絶対適当に考えて作った造型でしょ、とツッコミを入れたい。しかも意匠が吊るし柿。
吊るし柿なら吊るし柿でいいけど、言われなければ何だかわからないぞ!子供が描いたナスビか何かだと思う。
形もごちゃごちゃして変。しかしこのユーモラス具合が魅力と言えば魅力。

「加彩 婦女俑」
唐時代。8世紀の造型。ふっくらとした典型的な唐美人。ラインがふくよか。
ディスプレイが凝ってて、四六時中ゆっくり回している。よくぞこれを回した。あらゆる方向から見られるのは正しい。


他にも色々見てて楽しいものがあった。
そんなに大きい建物ではないけど、1時間程度ゆっくり見るにはちょうどいい規模。
人も少なくて、他人を気にせずに見られる。こういうところが地元にあるとありがたいのだが。


16:30に東洋陶磁器博物館を出る。
周辺にさっきの中之島公会堂と、









中之島図書館があり、少し中に入って見て回った。
この辺は大阪の西洋建築が集まっているところ。
西洋建築巡りのマップなんかもあるほどだが、今回はそこまではせず。


ここから海遊館に向かいます。





2.しかし大阪から始まる。

2016-11-27 | 京都/Kyoto:2016
京都旅行!とか言いつつ、一日目(10月5日)は大阪に終始するのであった。

京都・奈良には何度も行ってるのに、大阪は通算3日くらいしか行ったことない。
それも、中学2年の時に親に連れられて大阪城、中学3年の時に伯母に連れられて梅田の地下街、20代の頃に住吉大社。
……うわー、何だ、京都・奈良に比べてこの執着の少なさ。

大阪には伯母も従姉も住んでるのにねえ。
まあ行ったという意味では、梅田の地下街に連れて行ってもらった時は千里の伯母の家に1週間くらい泊めてもらったわけで、
(しかしそこから京都に通う。伯母の家から4日ほど一人で京都を回ったのが人生初の一人旅。)
住吉大社に行ったのは、南港に住んでいる従姉の家に泊めてもらったから。
(しかし住吉大社の後はすぐ神戸に向かう。)
中2の時はその従姉の結婚式で大阪に泊まっているので、滞在日数で数えれば10日程度か。



大阪にもいくつか、一度行っとかないと!という場所があり、それが東洋陶磁博物館。
テレビを見てるとたま~に収蔵品が出てきて、小さいながらもそれなりにいいもんを置いているらしい。
しかし大阪の目的地の筆頭が東洋陶磁美術館っていうのも、多分日本にわたしくらいだろうな。
規模の大きい美術館では全然ないしね。

あとは四天王寺。聖徳太子ゆかりの寺だから一度は行っとかないとと思っていた。

3番目はようやく普通の観光地、海遊館。水族館好きなので。

以上、大阪の今回の目的地は3ヶ所。
他にも大阪城、ミナミキタ、とか……時間があったら行ったかもしれないけど割愛。



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7:10に家を出る。飛行機の時間にはだいぶ早めだけれども。

前に利用した1日300円の駐車場は廃業したらしくネット上で情報が拾えない。
時間があったのでその辺りも一度通ってみたけれど、やっぱりないようだ。
まあいかにも臨時という雰囲気はあったからな。

仕方がないのでコインパーキングを利用する。ごく普通の、どこにでもあるコインパーキングなので無人。
当然送迎なし。空港まで徒歩10分と書いてあったが、実際にの場所からは空港のビルも意外に近く見え、
荷物もないので余裕。特に遠いとも感じないで到着。


そう。今回は荷物がないのです。
何しろ6泊7日だと、国内とはいえそれなりに荷物がいる。わたしの持っているキャリーケースは、
キャリーケースとしては大きめだが、やはり小さくて行きから中身が100%になりそう。
それだったら普通の海外用のスーツケースに中身ガラガラで持って行った方が、心置きなくお土産も買えていいんじゃないか。
いや、さらにむしろホテルに宅配便でが~んと送りつけてしまえばいいんじゃないか?
ピーチ航空は手荷物別料金で片道1800円もかかるんだもの。

スーツケースなんて重いもの、どれだけ宅配料金がかかるんだ?と多くの人は漠然と思っていると思います。
わたしもなんとなくそう思っていた。なので今まで利用したことはなかった。

が、ヤマト運輸は親切な料金体系を導入してくれている!
ゴルフ・スキー・宿泊施設向け宅急便という設定があり、
スーツケースは160サイズを超えない限り、120サイズ適用。
そうするとうちから京都までは往復宅急便のお申込みで3040円。持ち込み割引100円引いて、2940円。
ピーチで荷物預けるより、はるかにお安いですわよ、奥様!

しかも手ぶらだよ、手ぶら!コインロッカーを探す必要なし!
今回の東洋陶磁美術館→四天王寺→海遊館というコースだと、そもそもコインロッカーに預けるチャンスもなかったりするのだが、
その旅程をずっとスーツケースを引きずって歩くことを想像するとコワすぎる。
そのコワさから解放され、身も心も軽い!

ああ、今までなんでそこに気づかなかったか!熊野に行った時なんか、スーツケースの扱いに相当苦労したじゃないか。
その時に知っていれば……。くうう。(今頃になってすごくクヤシイ。)

まあ面倒っていえば、出発2日前に荷造りして出してしまわなければならないこと、
帰りは翌日に会社にお土産を持って行けないことですかね。
でもデメリットに比べてメリットの方がずっと大きい。今後はピーチ使用の際は絶対にそうしよう。

……決してヤマトの回し者ではありません。しかしあまりにも利便性が高かったので、ぜひ皆様にもおすすめしたい次第。








9:10に仙台空港離陸。10:40関空着。関空も2年ぶりだなあ。

海遊館には入館料とセットになったOSAKA海遊きっぷなるものがある。蛇足だが海遊と回遊をかけているのだと思われる。 
当然お得なんだろうと思ってそれを買う気満々なのだが……

なにしろきっぷの種類が多い!多すぎる!
数えてみたら11種類ですか。大阪市内版から始まって、阪神版、近鉄1・2版、南海版と……
そして料金設定が微妙に違う。

これってさ!他地域の人には、わけわからないと思わない!?
土地鑑ないんだからさ!自分がどれを買ったらお得なのか、サッパリだよ。
いくらお問い合わせは海遊館インフォメーションへって書いてあっても、海遊館に電話して、
「わたしはその日、こことこことここに行って、そして京都で泊まるつもりなんですけど……」って
旅行相談をするわけにいかんでしょ!

まあわたしは本当は京阪電車版を買いたかったのね。最終的には京阪で京都へ行くつもりだったから。
でも空港インフォメーションで聞いたところ、京阪版のOSAKA海遊きっぷは空港では売ってないらしい。
(あれ?わからないのでどこどこの窓口へ行って下さいって話だったかな?けっこう時間が経ったので記憶があいまい)
なのでめんどくさくなって……南海版を買いました。

最初の目的地が四天王寺なので、当初の予定では天王寺までJRで行く予定だったけど、
もう南海で新今宮駅で乗り換えて、そっから天王子でいいわ。
安く行くなら新今宮での乗り換えが必要で、そのためには別の駅までちょっと歩くらしいけど、
駅員さんは「すぐです」って言ってたし。
3010円だった。これで高くなるのか安くなるのか、サッパリわからない。

しかし南海に乗ったはいいが、新今宮を一駅乗り過ごし。
戻ってみたものの、南海の窓口の人が言った、地上に出て地下鉄御堂筋線に乗り変えて、の乗換駅が見当たらず。
ここで地下鉄御堂筋線に乗れば、それはOSAKA海遊きっぷの守備範囲内なんだけど、
わからなかったので別にお金を出してJRにて天王寺駅へ。









その過程のどこかで撮った通天閣。けっこう遠い位置をズームで寄って撮影。
なんとなくウルトラマンを思い出してしまうのはなぜだろう。
主にウルトラマンの怪獣は東京近辺を荒らしまわっていたはずだが。
(しかし怪獣さんに公正に言えば、東京近辺をご訪問なさっていたのだと思われる。たまたま地球に観光来たら理不尽にも
問答無用で攻撃されるから、自らの身を実力で守っていただけで。そして命をお落としになる……)
あ。昭和な雰囲気のせいか。



10:40に関空に着いて、関空を出たのが11:26で、最初の目的地、四天王寺には12:45に着いた。
のんびり来たからだとはいえ、少々グダグダ気味。














門前のお宅の花がきれい。









しかし四天王寺は絶賛工事中。
















何とか邪魔にならないアングルを選んで写真を撮る。
写真に音は写らないが、工事の音がかなりウルサイですよ。
お寺を見ようというのに、この騒々しさはかなりマイナス。でもまあさくっと見るだけなので。

一応宝物館には入った。入場料が500円で、通常であれば多分入らなかったと思うけど、
OSAKA海遊きっぷで500円→200円に割引。それなら入ってみようかと思った。
見た後の感想を言えば、まあ正直あえて入らなくてもいいかな。

ただこの時は、入り口ホールで「金堂西側龍之井戸屋形天井画」の修復作業をしていて。
若い女性の修復者が2人、お世辞にも環境がいいとはいいかねる狭い入り口ホールで黙々と細い筆で何かを塗っている。
見た目に面白いことは特にしてないんだけど、修復もこういうところでやることもあるんだなあ、大変だなあ、
と思ったのが収穫。

衣紋がきれいな木造釈迦如来立像(南北朝)と、木造地蔵菩薩立像(鎌倉)が良かったらしい。
メモにはそう書いてあるが、もうどんなんだったか忘れている。
それから下村観山の「弱法師」はここにある。話の舞台はまさにここ、四天王寺。処を得た展示物。

絶賛修復工事中の金堂と塔にも、入って見学は出来る。
金堂の壁画がいい味出してた。誰が描いたっていったかなー、メモするの忘れた。
現代に入ってからの絵で、おだやかな。








14:00に四天王寺出。1時間以上いたんだなあ

1.1年ぶりの旅行。

2016-11-24 | 京都/Kyoto:2016
実は小旅行を含めても1年ぶりの旅なのであった……。
しかも直近の旅行は去年の10月の1泊2日の東京で、もう少し旅らしい旅といえばさらに遡って7月の富山・新潟。
さらにいえば6泊7日という長さは久々で、それに匹敵する期間の旅は、2013年の台湾。
実に3年ぶり。感慨が深い。


今回は6泊7日で京都へ行って来ました。


GW頃ホテル予約サイトの広告が目に入り、京都を検索してみたところ、
……その時点で安いホテルは超品薄になってる、ということが今回のきっかけ。
今予約しないと安いホテルがみな無くなってしまうしまう!と焦り、
それまで全然具体化しておらず、今年は久々京都へでも行ってみようかなー程度にうっすら思っていただけなのに、
慌てて予約する羽目になった。ホテルサイトの術中にはまっている。
わたしにしては珍しく、半年前からの予約。

でも実はその後、6月にイギリスが国民投票でEU離脱の方を採択し。
その影響でイギリスポンドが劇的に下がったので(たしか200円→130円くらい)、
こんなに慌てて予約しなければ、京都に行っていた10月なんてまさにイギリスへの行き時だったんだよなー。
200円の時のイギリスなんて、大雑把に言えば物価日本の倍だもん。

関空までの飛行機代15000円を捨ててイギリスを取り直すか?と一瞬思わなかったこともないのだが、
さすがにそこまで太っ腹にはなれなかった。



※※※※※※※※※※※※



と、何となくイギリスへの未練をうっすら残しつつも京都へ。

今回のテーマは「京都で今まで行ったことのなかったところを見よう!」でした。
京都・奈良は好きで、若い頃何度も行っているので、それなりに色々見てるんだよね。
多分旅行日数を合計すると3週間くらいになるのではないかと思う。
が、一度に3週間ではなくて何年かに1度ちょこちょこ行っているので、
何度も行ってるところもある代わりに、有名なのに今まで行ったことがないところもあって。

例えば、東寺。
あの五重塔のある、京都駅極近、大変行きやすい場所にある東寺。
だが行きやすいということは、逆にいつでも行けると思う場所であり、
最終日に時間があったらとか言ってるうちに、結局今まで一度も行ってないという体たらく。
竜安寺も行ってないんだよなー。京都国立博物館も行ってない。
ここらへん、まとめてツブしてこなくては。

だが今まで行ってないということは、そもそもそれほど食指が動かなかった場所ということである。
なので、予約が超早かったわりには、予定を決めるのは超遅かった。
それなりの日数でそれなりの場所を回るのに、まあ行ってから決めてもいいか、6泊もあるんだし。とか考えてた。

ホテルを予約した時の気分では、見学に予約が必要なところ――桂離宮とか苔寺とか修学院離宮とか――を
出来れば全部見て来たい、とか思っていたのに、宮内庁の予約サイトの使い方がめんどくさく、
何度か予約を試みては面倒になってやめる、ということを繰り返した結果、
性根を据えて予約画面までたどり着いた時期には当然のごとく予約はいっぱいで。
なので、桂離宮、苔寺、修学院離宮は必然的に見られないことになった。
まあそれは仕方ないよね。その時点で1ヶ月切ってたもの。


予定を立て始めたのも、滋賀好き信長好きのOさんに尻を叩かれてから。
京都に6泊もするんなら、1日は滋賀に行ってみようかなあ。
わたしの日本征服において、滋賀県は制覇したことになってるけど、実は比叡山に行ったことしかないんだよなー。
あそこは滋賀にまたがってるとはいえ、内容的にはほとんど京都。ちょっとずるっこをしている感が否めない。
よし!今回は滋賀にも行きましょう!

ようやくスケジュールを立て始めたところ、やはり名所の宝庫京都だというかわたしが欲張りだというか、
当初想定していた数よりも、はるかに行きたい場所が増えてしまい……
あれ?この日数で足りるかな?という感じになってしまった。
そしてテーマも「今まで行ってなかった場所に」が、いつの間にか「今後二度と京都に行かなくても後悔しないように」という
悲壮なものに微妙に変わってしまい。
そうなるとやはりあちこち見なければならないところは増えるのです。

しかしなんやかんやで日程は決まった。
Oさんのご意見を拝聴しつつ、滋賀のルートも決まった。
湖北は仏像の名産地で、そういう意味でわたしが漠然と気になる土地ではあるのだが、今回は割愛。
縁があれば、今後近江の仏像めぐりが出来る日も来るでしょう。