ターフの風に吹かれて

一口馬主の気ままな日記です。
キャロットクラブの会員です。

勝者を讃える

2015年04月08日 | ブログ
大阪杯でキズナが負けた。
そのことはどうでもいい。
問題は地上波のテレビ放送だ。
僕は関西在住なので8チャンネル関西テレビで見た。

もうキズナ一辺倒。

レース前ならまだ少しは理解できる。
言ってもキズナはスターホースだ。
スターを特別扱いするのは仕方がない。
僕もキズナのファンだからそれ自体は嬉しかった。

だが、レース後は違う。
勝ったのはラキシスであり、
レース後はラキシスこそがスターだ。

なのに、レース後も放送ではキズナの敗因ばかりを語り、
それを馬場に求めて満足顔をして、
勝ち馬のラキシスを讃えるコメントはほとんどなし。

確かにキズナの敗因は馬場かもしれないが、
それ以上に、いやもっと単純な話として、
ラキシスが強かったということでいいのではないか。
せめてレース後は、勝者に対して、
もっと賞賛があっていいのではないか。
実際、大阪杯はラキシスの完勝だった。

3着以下をあれだけ離しているのだ。
ラキシスがいなければキズナの圧勝劇だった。
翌日の新聞には「完全復活キズナ」なんて書かれていただろう。
そう、キズナは自分の競馬をした。
そして負けたのだ。
それ以上に勝ち馬が強かったということである。

そういえば去年のオークスもひどかった。
もうハープスターのことばかり。
レース前もそう。
そしてレース中も。

あの実況は、そしてカメラワークは、
競馬史に残る最低のものだった。
ただハープスターのためだけのものであり、
およそ公平性・平等性の欠片もなかった。

それでもハープスターは1番人気であったから、
前述したようにレース前・レース中はまだ最悪許せるとして、
しかし、負けたあともハープスターばかりを取り上げて、
勝ったヌーヴォデコルトのことはなおざりだったのは、
明らかに偏向であり、勝者に対して失礼だった。

全馬を平等に取り上げろと言っているのではない。
民放地上波だからある程度需要に合わせるのも分かる。
需要すなわち人気馬を多く取り上げるのは理解できる。
しかしそれはレース前までだ。

レース中は、実況は、カメラは、
やはりレースを正確に的確に伝えるべきであり、
そしてレース後は、レースを公平に振り返ると共に、
勝ち馬を讃えるべきである。
讃えてほしいと思う。

それは何も競馬中継だけの話ではない。
他の全てのスポーツ放送に言えることだ。
例えばボクシングでも日本人と外国人が闘う場合、
日本人選手のパンチは実況するが、
外国人のクリーンヒットは言わない。
実況だけ聞いていると、
日本人選手が圧倒しているように聞こえるが、
実際にはポイントは外国人が取っているという場合も多い。

スポーツ放送に求めるもの、それが分かっていないのだ。
せめてスポーツぐらいは美しいものであってほしい。
清々しく、さわやかであってほしい。

多くの人がそう望んでいると信じている。


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